【迷わない】特別支給の老齢厚生年金の収入制限は?在職老齢年金を徹底ガイド

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

保有資格

AFP・2級FP技能士

専門分野・得意分野

生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

「働きながら年金はどれくらいもらえる?」――そんな不安に、制度のしくみと計算の手順で答えます。

本記事は、特別支給の老齢厚生年金の対象者、在職老齢年金の収入調整(47万円基準)、支給額の計算例、手続きの要点までを整理しました。

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まず結論:誰が対象で、いついくら減る?“全体像”を3分で

特別支給は生年月日で対象が限定され、働きながら受給すると在職老齢年金のルールで調整されます。

基準額(基本月額+総報酬月額相当額)47万円超が減額の分岐点です。以下で手順と注意点を確認しましょう。

この章のリンクから、気になるパートへジャンプできます。

支給額の試算は、後述の式に数字を当てはめればOKです。

1. 対象者の条件(生年月日・加入期間)

特別支給は、老齢厚生年金の支給開始年齢引上げの経過措置で、一定の生年月日に限り60歳台前半から受給できます。

原則として、該当生年月日であること、老齢基礎年金の受給資格10年以上、厚生年金1年以上の加入、生年月日に応じた開始年齢到達が要件です。

2. 在職老齢年金の基準額と用語

在職老齢年金は、働きながら年金を受け取る際の調整制度です。65歳未満でも基準額47万円を超えると減額対象になります。

「基本月額」は年金の年額÷12、「総報酬月額相当額」は月給+(前年賞与÷12)です。

3. 減額の計算式と具体例

減額額=(基本月額+総報酬月額相当額−47万円)÷2。基準超過分の半分が調整されます。

基本月額10万円の場合、総報酬が37万円以下なら満額、57万円以上なら停止。境目の把握が要点です。

4. よくある勘違い(廃止・全額停止)

「収入制限が廃止された」わけではなく、基準額の見直しで現在は“47万円ルール”に統一されています。

高収入でも常に全額停止ではなく、式で超過部分のみが調整されます。

5. 手続きと時効・見落とし防止

特別支給は自動では始まりません。年金請求(裁定請求)が必要です。

請求の遅れは受給開始が遅れ、時効で消える期間も。到達前に準備しましょう。

注意ポイント

在職の等級変更・賞与で総報酬が動くと、翌年以降の基準判定が変わります。源泉徴収票・標準報酬月額の確認を習慣化しましょう。

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特別支給×在職老齢年金の“計算手順”を実践解説

数字を当てはめるだけで、減額額と手取り見込みが把握できます。

家計管理のため、年1回は職場の標準報酬と年金額を更新して試算しましょう。

1. 基本月額を把握(年金年額÷12)

裁定通知の年金額を12で割って基本月額を算出。端数処理の方法は通知に従いましょう。

例:年額120万円→基本月額10万円。

2. 総報酬月額相当額を算出

月給+(前年賞与÷12)で求めます。標準報酬月額に基づくケースでも、考え方は同様です。

例:月給35万円・賞与年24万円→総報酬=37万円。

3. 基準47万円と比較

基本月額+総報酬が47万円以下なら減額なし。超過した分だけが対象です。

例:10万円+37万円=47万円→減額なし。

4. 減額額を計算

減額額=(合計−47万円)÷2。合計が57万円なら(57−47)÷2=5万円が減額。

停止の判断は、減額後の年金額がゼロ以下となるかで見極めましょう。

5. 手取り額を確認・家計反映

年金(調整後)+給与(手取り)で家計の実収入を把握します。

税・社会保険も考慮し、家計のキャッシュフローに反映してください。

実務メモ

勤務先の人事・給与担当と日本年金機構の通知を突合し、等級変更や賞与反映のタイミングを確認しましょう。

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制度の背景と対象範囲:誤解しやすいポイントを整理

特別支給は支給開始年齢引上げの経過措置であり、該当生年月日の人のみ対象です。

個人事業主のみで厚生年金1年以上の加入がない場合は、原則として特別支給の対象外です。

特徴 メリット 注意点
特別支給の老齢厚生年金 60歳台前半からの受給が可能(経過措置) 生年月日・加入条件の充足が必須
在職老齢年金(調整) 収入に応じた調整で働き方の自由度を担保 基準47万円超で減額、等級・賞与で変動
手続き・請求 請求完了で受給開始・遡及が可能 放置は時効や未受給のリスク

FPに聞く!在職と年金の賢い付き合い方(インタビュー)

在職老齢年金と家計の関係、就労ペース配分の考え方を、読者目線の疑問に沿ってQ&A形式で整理します。

34歳・女性

基準の47万円を越えないように働くべきでしょうか?家計とのバランスが難しいです。

スマホdeほけん

越境を過度に恐れる必要はありません。減額は超過分の半分です。年金の手取り・税・社会保険を合わせた実収入で判断しましょう。

34歳・女性

60代前半は病気やケガも不安です。就業不能保険は考えた方が良いですか?

スマホdeほけん

公的年金や傷病手当金の有無、貯蓄額で必要性が変わります。家計を守る観点で、民間で不足分のみを補う発想が有効です。

34歳・女性

減額を避ける働き方のコツはありますか?

スマホdeほけん

賞与の扱いで総報酬が動きます。就労時間・配分、月給と賞与の設計を会社と相談できる場合は検討の余地があります。

34歳・女性

請求を忘れたらどうなりますか?

スマホdeほけん

未請求のままでは受け取れません。時効で消える期間も生じ得ます。到達前に請求書類を準備しましょう。

34歳・女性

家計の見直しは何から着手すべきでしょう?

スマホdeほけん

固定費(通信・保険・サブスク)と税・社会保険の確認が先です。収入調整だけでなく支出最適化の方が効果的なこともあります。

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Q&A:特別支給の老齢厚生年金の収入制限

Q&A

Q1. 個人事業主にも収入制限は適用されますか?

A. 厚生年金1年以上の加入がない場合、そもそも特別支給の対象外です。会社員・公務員歴があり要件を満たすなら、在職老齢年金の調整が適用されます。

自分の加入歴を確認し、該当する場合のみ計算に進みましょう。

Q2. 厚生年金をやめた後、比例報酬部分は自動で出ますか?

A. 自動では出ません。年金請求(裁定請求)が必要です。請求遅れは受給遅延や時効の恐れがあります。

対象年齢の数か月前から準備を始め、漏れを防ぎましょう。

Q3. 「収入制限が廃止」と聞きましたが本当ですか?

A. 廃止ではなく、基準額が統一され“47万円ルール”となりました。基準超過分のみ調整されます。

全額停止と誤解しないよう、式で具体額を確認しましょう。

Q4. いくらから全額停止になりますか?

A. 調整後の年金額がゼロ以下となると停止です。例:基本月額10万円なら、合計が57万円で全額相当が相殺されます。

境目を把握し、働き方や受給タイミングを検討してください。

Q5. 計算は年の途中で見直す必要がありますか?

A. はい。標準報酬や賞与が変わるたびに総報酬が動き、翌年の判定に影響します。

年1回以上の点検と、通知書類の保管・突合を習慣化しましょう。

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まとめ:47万円ルールを押さえ、数字で判断すれば迷わない

特別支給の老齢厚生年金は、対象者に限り60歳台前半から受給できます。働きながらでも、基本月額+総報酬=47万円を超えない限り減額はありません。

超えた場合も超過分の半分が調整されるだけ。式に当てはめて実収入で判断し、家計と就労の最適点を探りましょう。

監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

在職老齢年金は「働くほど損」という制度ではありません。調整は超過部分に対する半分の控除であり、家計の実収入で合理的に判断する姿勢が重要です。特別支給の対象か、請求の準備は済んでいるか、標準報酬・賞与の見通しを含めて、年次で点検しましょう。

個人事業主のみの方は原則対象外など、適用範囲の線引きも誤解が多い論点です。就労と受給の最適化は、税・社会保険・家計の三位一体で検討するのが実務的。必要に応じて専門家のセカンドオピニオンを活用してください。