保険の解約返戻金にかかる税金とは?所得区分と確定申告の必要性をFPが徹底解説

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

保有資格

AFP・2級FP技能士

専門分野・得意分野

生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

終身保険や個人年金保険の途中解約で戻ってくる「解約返戻金」。税金や確定申告の必要性について、不安を感じる方も多いでしょう。

本記事では、解約返戻金にかかる税金の種類(一時所得、贈与税など)や確定申告の要否を、シミュレーションとともにわかりやすく解説します。家計・資産形成における影響をしっかり確認できます。

さらに、解約を検討する前に知っておくべき医療保険や終身保険の重要性についても、FP監修のもと詳しく解説します。

解約返戻金とは?基本的な仕組みを理解しよう

解約返戻金は、生命保険を途中解約した際に契約者に払い戻されるお金です。積立型の保険では、払い込んだ保険料の一部が積み立てられ、解約時に返戻されます。

ただし、解約のタイミングや保険種類によって、返戻金の額は大きく変わります。まずは基本的な仕組みを理解しましょう。

1. 解約返戻金とは何か

解約返戻金は、生命保険契約を途中で解約した際に、保険会社から契約者に払い戻されるお金です。

積立型の保険では、払い込んだ保険料の一部が積み立てられており、解約時にその積立金が解約返戻金として返還されます。

2. どの保険に解約返戻金があるのか

解約返戻金があるのは、終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などの貯蓄性のある保険です。

一方、定期保険や掛け捨て型の医療保険には、基本的に解約返戻金はありません。

3. 解約返戻金の金額はどう決まるのか

解約返戻金の額は、契約期間、払込保険料総額、予定利率、保険種類などによって決まります。

契約後すぐに解約すると返戻率が低く、払込保険料より大幅に少ない金額しか戻らないことが一般的です。契約期間が長いほど返戻率は高くなります。

4. 解約のタイミングと返戻率

終身保険や養老保険では、払込期間満了後に返戻率が100%を超えることもありますが、途中解約では払込保険料を下回ることが多いです。

解約を検討する際は、必ず保険証券や保険会社に問い合わせて、現時点での解約返戻金額を確認しましょう。

5. 払済保険への変更という選択肢

保険料の支払いが困難になった場合、解約ではなく払済保険への変更を検討できます。

払済保険とは、それ以降の保険料払込を中止し、その時点での解約返戻金をもとに保障を継続する仕組みで、解約よりも有利なケースがあります。

6. 解約前に確認すべきポイント

解約を決める前に、現在の解約返戻金額、今後の返戻率の推移、払済保険への変更可能性、保障の必要性を総合的に確認しましょう。

安易な解約は将来の保障を失うリスクがあるため、FPなど専門家への相談も有効です。

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解約返戻金に税金がかかるかどうかの判別ポイント

解約返戻金に税金がかかるかどうかは、利益の有無、契約者と受取人の関係、受取方法によって変わります。

まずは、どのような場合に税金がかかるのかを理解しましょう。

1. 解約返戻金が払込額を上回る場合(一時所得)

受け取った解約返戻金が支払った保険料より多いと、差額が「一時所得」として所得税・住民税の課税対象になります。

課税額の計算式は「(解約返戻金−払込保険料−特別控除50万円)×1/2」です。利益が50万円以内なら非課税となります。

2. 契約者と受取人が異なる場合(贈与税)

契約者(保険料負担者)と解約返戻金の受取人が異なる場合、贈与とみなされ贈与税の対象になります。

贈与税には年間110万円の基礎控除があり、解約返戻金が110万円以下であれば贈与税はかかりません。

3. 利益が出ていない場合(非課税)

解約返戻金が払込保険料以下の場合は、利益が発生していないため税金はかかりません。

早期解約などで返戻率が低く、損失が出ている場合は、確定申告の必要もありません

4. 金融類似商品の源泉徴収

一時払養老保険など、契約から5年以内に解約した場合は「金融類似商品」として扱われ、20.315%の源泉徴収が行われます。

この場合、保険会社が税金を差し引いて支払うため、原則として確定申告は不要です。

5. 確定申告が不要となるケース

給与所得者で、給与以外の所得が年間20万円以下の場合は、確定申告が不要です。

一時所得の金額は「(解約返戻金−払込保険料−50万円)×1/2」で計算されるため、実際の利益が70万円以下であれば申告不要となる可能性があります。

6. シミュレーション事例を確認

例:払込保険料480万円、解約返戻金600万円の場合

一時所得:(600万円−480万円−50万円)×1/2=35万円

この35万円が他の所得と合算され、総合課税として所得税・住民税が計算されます。給与所得者で他に所得がなければ、確定申告が必要です。

7. 損しない受け取り方の工夫

契約者と受取人を同一にし、払込保険料を超えない範囲で解約すれば、税金のリスクはほぼありません。

利益が出る解約を行う場合は、他の一時所得との合算や、特別控除50万円の活用を検討しましょう。

注意ポイント

解約返戻金が利益になるか、誰が受け取るかで税の種類が変わります。しっかり契約内容を確認し、税金の影響をシミュレーションしましょう。

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一時所得の計算方法と確定申告の手順

解約返戻金で利益が出た場合、一時所得として確定申告が必要になることがあります。

ここでは、一時所得の計算方法と確定申告の具体的な手順を解説します。

1. 一時所得とは何か

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や譲渡の対価としての性質を持たない一時的な所得のことです。

解約返戻金のほか、満期保険金、懸賞金、競馬の払戻金なども一時所得に該当します。

2. 一時所得の計算式

一時所得の金額は、次の式で計算します。

一時所得=総収入金額−収入を得るために支出した金額−特別控除額(最高50万円)

解約返戻金の場合、「総収入金額」が解約返戻金、「支出した金額」が払込保険料総額となります。

3. 特別控除50万円の適用

一時所得には、年間50万円の特別控除が認められています。

つまり、解約返戻金から払込保険料を差し引いた利益が50万円以下であれば、税金はかかりません

4. 他の一時所得との合算

同じ年に複数の一時所得がある場合は、それらを合算して特別控除50万円を適用します。

例えば、解約返戻金の利益が30万円、満期保険金の利益が30万円の場合、合計60万円から50万円を控除した10万円が一時所得となります。

5. 確定申告が必要なケース

一時所得の金額(特別控除後)の2分の1が、他の所得と合算されて課税されます。

給与所得者の場合、給与以外の所得が年間20万円以下であれば確定申告は不要ですが、20万円を超える場合は確定申告が必要です。

6. 確定申告の具体的な手順

確定申告は、翌年の2月16日から3月15日までに行います。国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると、オンラインで申告書を作成できます。

解約返戻金の金額、払込保険料総額、一時所得の計算結果を入力し、他の所得と合算して税額を計算します。

7. 必要書類と提出期限

確定申告には、保険会社から送られてくる「支払調書」、源泉徴収票(給与所得者の場合)、マイナンバーカードなどが必要です。

提出期限は3月15日で、期限を過ぎると延滞税が発生する可能性があるため、早めに準備しましょう。

贈与税がかかるケースと計算方法

契約者と受取人が異なる場合、解約返戻金は贈与とみなされ、贈与税の対象となります。

ここでは、贈与税がかかるケースと計算方法を詳しく解説します。

1. 贈与税がかかるケースとは

保険料を負担した契約者と、解約返戻金を受け取る人が異なる場合、贈与税の対象となります。

例えば、夫が保険料を払い込み、妻が解約返戻金を受け取る場合などが該当します。

2. 贈与税の基礎控除110万円

贈与税には、年間110万円の基礎控除があります。

解約返戻金が110万円以下であれば、贈与税はかかりません

3. 贈与税の計算方法

贈与税の課税価格は、解約返戻金から基礎控除110万円を差し引いた金額です。

課税価格に税率を掛けて、控除額を差し引いた金額が贈与税額となります。

4. 贈与税の税率と速算表

贈与税の税率は累進課税で、課税価格に応じて10%から55%まで段階的に上がります。

例えば、課税価格が400万円の場合、税率は15%、控除額は10万円となり、贈与税額は(400万円×15%)−10万円=50万円です。

5. 贈与税の申告期限

贈与税の申告期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。

期限内に申告しないと、延滞税や加算税が発生する可能性があるため、早めに手続きを行いましょう。

6. 贈与税を回避する方法

契約者と受取人を同一にすることで、贈与税を回避できます。

また、110万円以内の金額を複数年に分けて贈与する方法もありますが、保険の解約は一括で行われるため、事前の計画が重要です。

解約返戻金と医療保険・終身保険の関係

解約を検討する前に、保険の役割と重要性を再確認しましょう。

特に医療保険や終身保険は、家計を守る重要な備えです。

1. 医療保険の役割と重要性

医療保険は、入院や手術時の経済的負担を軽減する重要な保障です。

解約すると、突然の病気やケガに対する備えがなくなり、家計に大きな打撃を与える可能性があります。

2. 終身保険の貯蓄性と保障

終身保険は、死亡保障と貯蓄性を兼ね備えた保険で、長期的な資産形成にも活用できます。

解約すると保障がなくなるだけでなく、貯蓄機能も失われるため、慎重な判断が必要です。

3. 解約による保障喪失のリスク

保険を解約すると、それまでの保障がすべて失われます。

特に年齢が高くなると、新たに保険に加入する際の保険料が高くなったり、健康状態によっては加入できないこともあります。

4. 払済保険への変更を検討

保険料の支払いが困難な場合は、解約ではなく払済保険への変更を検討しましょう。

払済保険にすれば、保障を一定程度維持しながら保険料の負担をゼロにできます。

5. 新たな保険への加入が困難なケース

一度保険を解約すると、健康状態の悪化や年齢の上昇により、同じ条件での再加入が難しくなることがあります。

解約前に、将来の保障ニーズと再加入の可能性を十分に検討しましょう。

6. FPに相談して最適な選択を

解約、払済保険、保障の見直しなど、複数の選択肢を比較検討するには、FPなど専門家への相談が有効です。

家計状況、将来の保障ニーズ、税金の影響などを総合的に判断し、最適な選択を行いましょう。

FPに聞く!解約返戻金の税金に関するリアルな疑問

実際に解約を検討している34歳女性の視点で、気になる疑問をFPにぶつけました。税金の計算方法から確定申告の必要性、保険の見直し方まで具体的に掘り下げます。

30代女性

解約返戻金が払込額より低ければ、税金はかからないのですか?

スマホdeほけん

はい、利益が出ていなければ一時所得にはならず、税金はかかりません。契約内容を確認し、現在の解約返戻金額と払込保険料総額を比較してください。

30代女性

源泉徴収された保険もあるのですか?

スマホdeほけん

「金融類似商品」に該当する一時払養老保険などでは、契約から5年以内の解約で20.315%の源泉徴収が行われ、確定申告は不要となります。

30代女性

契約者と受取人が違うとどうなりますか?

スマホdeほけん

贈与とみなされ、贈与税の対象です。110万円の基礎控除以内であれば非課税となるケースもありますが、超える場合は贈与税の申告が必要です。

30代女性

給与以外の所得が少ないサラリーマンはどうですか?

スマホdeほけん

その年の給与以外の所得合計が20万円以下なら、一時所得でも確定申告が不要になる可能性があります。一時所得の計算では、利益から50万円を控除した額の2分の1が課税対象となるため、実際の利益が70万円以下であれば申告不要となることが多いです。

30代女性

解約を検討していますが、保障がなくなるのが心配です。

スマホdeほけん

解約すると保障が完全になくなります。保険料の負担が厳しい場合は、払済保険への変更や保障額の見直しを検討しましょう。医療保険や終身保険は家計を守る重要な備えなので、安易な解約は避けるべきです。

30代女性

払済保険とはどんな仕組みですか?

スマホdeほけん

払済保険は、保険料の払込を中止し、その時点での解約返戻金をもとに保障を継続する仕組みです。保障額は減りますが、解約よりも有利なケースが多く、将来の保障を残せるメリットがあります。

30代女性

確定申告が必要かどうか、どう判断すればいいですか?

スマホdeほけん

まず解約返戻金から払込保険料を差し引き、利益を計算します。利益が50万円以下なら非課税です。50万円を超える場合は、他の一時所得と合算し、給与以外の所得が20万円を超えるかを確認しましょう。不安な場合は、税理士やFPに相談することをお勧めします。

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Q&A:よくある疑問に回答

Q1. 解約返戻金が払込額より低い場合、税金は?

A. 支払った保険料を上回らない返戻金は利益がないと判断されるため、税金はかかりません。確定申告も不要です。

Q2. 源泉徴収された返戻金は申告不要?

A. はい。金融類似商品に該当する場合、保険会社が税を差し引いて支払うため、確定申告は不要です。ただし、支払調書で確認しておくと安心です。

Q3. 一時所得の計算式は?

A. (解約返戻金−払込保険料−特別控除50万円)×1/2で計算します。利益が50万円以内なら非課税です。

Q4. 契約者と受取人が異なる場合はどうなる?

A. 贈与とみなされ、110万円を超えると贈与税の対象となります。申告期限は翌年3月15日です。

Q5. 確定申告は必須ですか?

A. 場合によります。一時所得があっても、給与以外の所得が20万円以下であれば申告不要のケースもあります。税額が発生する場合は、申告が必要です。

まとめ|解約前に税金と保障の両面から検討しよう

解約返戻金に税金がかかるかどうかは、利益の有無、契約者と受取人の関係、給与所得のほかの条件などで変わります。

確定申告不要のケースも多いため、利益の金額と控除条件をしっかりチェックし、必要に応じてFPや税理士に相談しましょう。

また、解約により保障が失われるリスクも十分に考慮し、払済保険への変更や保障の見直しなど、他の選択肢も検討することが重要です。医療保険や終身保険は家計を守る重要な備えであることを忘れずに、慎重な判断を行いましょう。

監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

解約返戻金の税金は、利益の有無や契約形態によって大きく変わります。特に一時所得の計算では、特別控除50万円と2分の1課税の仕組みを理解することが重要です。確定申告が必要かどうかは、給与以外の所得が20万円を超えるかがポイントとなります。

また、保険の解約は保障の喪失を意味するため、安易な解約は避けるべきです。医療保険や終身保険は、突然の病気やケガから家計を守る重要な役割を果たします。解約を検討する前に、払済保険への変更や保障内容の見直しなど、他の選択肢も検討し、FPなど専門家に相談しながら最適な判断を行いましょう。

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