医療保険はいらない?本当に不要か徹底検証|必要な人と不要な人の見極め方

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

保有資格

AFP・2級FP技能士

専門分野・得意分野

生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

「医療保険は本当に必要なのか」という疑問を持つ方が増えています。金融庁の調査によると、日本人の約88%が何らかの生命保険に加入していますが、実際に保険金を受け取る機会は限られており、保険料の総額と給付金を比較すると損をしているケースも少なくありません

この記事では、医療保険が不要と言われる理由と、逆に必要性が高いケースについて、ファイナンシャルプランナーの視点から公平に解説します。公的医療保険制度の充実度、貯蓄との比較、医療保険のメリット・デメリットを理解することで、あなたにとって本当に必要な保障が何かを判断できるようになります。

この記事を読んでわかること

  • 医療保険が不要と言われる3つの根拠(高額療養費制度と年間医療費の実態)

  • 医療保険が必要な人の5つの条件(貯蓄額・家族構成・職業別の判断基準)

  • 保険料と貯蓄のどちらが有利か?具体的なシミュレーション比較

医療保険が不要と言われる3つの根拠

医療保険不要論の背景には、日本の公的医療保険制度の充実度があります。国民皆保険制度により、誰でも医療費の3割負担で医療を受けられるだけでなく、高額療養費制度により月額の自己負担額に上限が設定されています。

さらに、一般的な入院では数十万円程度の費用で済むケースが多く、貯蓄がある程度あれば民間の医療保険に頼らずとも対応できるという考え方が広まっています。

1. 高額療養費制度で医療費負担は限定的

日本の公的医療保険には高額療養費制度があり、月ごとの医療費自己負担額に上限が設定されています。年収約370万円から770万円の方の場合、自己負担限度額は月額約80,100円(医療費が267,000円を超えた場合はその1%を加算)です。

つまり、どれだけ高額な治療を受けても、1ヶ月の医療費自己負担は10万円程度に抑えられる仕組みになっており、民間の医療保険がなくても経済的に対応できる範囲と言えます。

2. 平均入院日数の短期化と医療費実態

厚生労働省の調査によると、日本の平均入院日数は約32日で、年々短縮傾向にあります。特に手術を伴う急性期入院では、1週間から2週間程度で退院するケースが増えています。

短期入院の場合、医療費総額は30万円から50万円程度で、3割負担で10万円から15万円、高額療養費制度を利用すればさらに負担は軽減されます。この程度の金額であれば、貯蓄で対応できる方も多いでしょう。

3. 保険料総額と給付金の損益分岐点

30歳で医療保険に加入し、月額保険料3,000円を65歳まで35年間支払い続けた場合、総額は126万円になります。この間に入院給付金を受け取る機会がなければ、保険料は全額掛け捨てとなります。

統計的に見ると、多くの方は加入期間中に大きな病気をすることなく過ごすため、保険料総額が給付金を上回るケースが大半という現実があります。

4. 貯蓄で対応できる金額範囲の検証

一般的な入院で必要となる自己負担額は、高額療養費制度を利用した場合で1回あたり10万円から30万円程度です。差額ベッド代を含めても、50万円程度の貯蓄があれば対応可能なケースがほとんどです。

毎月3,000円の保険料を支払う代わりに、同額を貯蓄に回せば年間36,000円、10年で36万円の蓄えとなり、医療保険よりも確実に資産を形成できるという考え方もあります。

5. 保険会社の利益構造と顧客負担

保険会社は給付金の支払い以外に、営業コスト、人件費、利益などを保険料から賄っています。このため、加入者全体で見ると、支払った保険料総額よりも受け取る給付金総額の方が少なくなる構造になっています。

金融商品としての効率性を考えると、医療保険は必ずしも有利な選択肢とは言えず、自己責任で貯蓄運用した方が合理的という意見も一理あります。

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それでも医療保険が必要な人の5つの条件

医療保険不要論には説得力がある一方で、すべての人に当てはまるわけではありません。貯蓄が十分でない方、家族を養っている方、自営業で収入が不安定な方などは、医療保険が重要な家計防衛手段となります。

ここでは、医療保険の加入を検討すべき具体的な条件について解説します。自分の状況と照らし合わせて、必要性を判断してください。

注意ポイント

医療保険の必要性は、年齢、貯蓄額、家族構成、職業などによって大きく変わります。一般論だけでなく、自分自身のライフステージと家計状況を基準に判断することが重要です。

1. 貯蓄が100万円未満で緊急資金がない

貯蓄が100万円未満の場合、突発的な入院や手術で家計が大きく圧迫されるリスクがあります。高額療養費制度があっても、月額8万円から10万円の自己負担は決して小さくありません。

特に若い世代や子育て世代で貯蓄形成が進んでいない場合、月額数千円の保険料で数十万円の保障を得られる医療保険は合理的な選択となります。

2. 扶養家族がいて収入が途絶えると困る

配偶者や子どもを扶養している方が長期入院した場合、医療費だけでなく生活費の確保も問題になります。入院中は働けないため収入が減少し、同時に医療費が発生する二重の負担が家計を直撃します。

医療保険の入院給付金があれば、医療費だけでなく生活費の一部としても活用でき、家族の生活を守ることができます。

3. 自営業で傷病手当金がない

会社員や公務員の方は、病気で働けなくなった場合に傷病手当金として標準報酬月額の約3分の2が最長1年6ヶ月支給されます。しかし、自営業やフリーランスの方が加入する国民健康保険には傷病手当金制度がありません。

このため、自営業の方は医療保険に加えて就業不能保険も検討し、収入減少リスクに備える必要性が高くなります。

4. 持病や家族歴でリスクが高い

家族にがんや心疾患、脳卒中などの病歴がある方、自身に持病や健康リスクがある方は、将来的に医療費負担が大きくなる可能性が高いと言えます。特に、がんなどの三大疾病は治療が長期化し、医療費が高額になりがちです。

健康なうちに医療保険がん保険に加入しておけば、将来のリスクに備えることができます。一度病気になると加入が難しくなるため、早めの検討が重要です。

5. 心理的安心を重視したい

経済的合理性だけでなく、心理的な安心感も保険の重要な価値です。「もしものときに備えている」という安心感があることで、日常生活を前向きに送れるという方も少なくありません。

貯蓄があっても、それを取り崩すことに抵抗がある方、家計管理が苦手で貯蓄を続ける自信がない方にとっては、強制的に保障を確保できる医療保険が適している場合もあります。

医療保険と貯蓄、どちらが有利?シミュレーション比較

医療保険に加入するか、同額を貯蓄に回すか、長期的にどちらが有利なのかを具体的な数字でシミュレーションしてみましょう。年齢、保険料、入院リスクなどの条件によって結果は大きく変わります。

ここでは、3つの異なるケースで、保険と貯蓄の損益分岐点を比較していきます。

ケース1:30歳で加入、月額3,000円を20年間継続

30歳で医療保険に加入し、月額3,000円を50歳まで20年間支払った場合、保険料総額は72万円になります。この間に入院給付金日額5,000円の保険で10日間入院した場合、給付金は5万円です。

一方、同じ月額3,000円を貯蓄に回した場合、20年で72万円の貯蓄ができます。医療費として10万円を使っても62万円が手元に残るため、貯蓄の方が経済的に有利という結果になります。

ケース2:40歳で加入、入院2回で給付金を受け取った場合

40歳で医療保険に加入し、月額4,000円を60歳まで20年間支払った場合、保険料総額は96万円です。この間に2回入院し、合計10.5万円の給付金を受け取りました。

実際の医療費負担が計20万円だった場合、保険があっても自己負担は9.5万円残ります。貯蓄で対応した場合は20万円の支出ですが、96万円の貯蓄があるため、残り76万円が手元に残ります。

ケース3:50歳で加入、がんで長期入院した場合

50歳で医療保険に加入し、月額6,000円を65歳まで15年間支払った場合、保険料総額は108万円です。60歳でがんと診断され、入院・通院で合計25万円の給付金を受け取りました。

実際の医療費負担が高額療養費制度を利用して20万円だった場合、保険給付により自己負担はゼロとなり、さらに5万円のプラスとなります。この場合は、医療保険に加入していたことが経済的にプラスに働いたと言えます。

加入年齢 保険料総額(20年) 損益分岐点
30歳 72万円 入院14回以上で有利
40歳 96万円 入院19回以上で有利
50歳 108万円 長期入院1回で元が取れる

医療保険の見直しポイント|今の保険は本当に必要?

すでに医療保険に加入している方も、定期的に保障内容を見直すことが重要です。加入時と現在では、家計状況、貯蓄額、家族構成などが変化しているケースが多く、不要な保障に保険料を払い続けている可能性があります。

ここでは、医療保険を見直す際の具体的なチェックポイントについて解説します。

FPからのアドバイス

医療保険の見直しは、貯蓄が増えたタイミング、子どもが独立したタイミング、定年退職のタイミングなど、ライフステージの変化に合わせて行うことをおすすめします。

1. 現在の貯蓄額と必要保障額の確認

医療保険に加入した当時は貯蓄が少なかったが、現在は300万円以上の貯蓄がある場合、医療保険の優先度は下がります。一般的な入院であれば貯蓄で対応できる範囲となるため、保険料を削減して貯蓄や投資に回す選択肢も検討できます。

ただし、家族構成や収入状況によっては、貯蓄があっても保険を維持した方が安心という場合もあるため、総合的に判断することが大切です。

2. 保障内容と保険料のコスパ分析

入院給付金日額5,000円の保障に対して月額5,000円以上の保険料を支払っている場合、コストパフォーマンスが悪い可能性があります。医療技術の進歩により平均入院日数は短縮化しており、入院給付金を受け取る機会は減少傾向にあります。

保険料と給付金のバランスを確認し、保険料が高すぎる場合は保障内容の見直しや他社への乗り換えを検討しましょう。

3. 古い保険の保障範囲と最新保険の比較

10年以上前に加入した医療保険は、保障範囲が限定的な場合があります。例えば、日帰り手術が給付対象外、先進医療特約がない、通院給付がないなど、現在の医療事情に合わない内容になっている可能性があります。

最新の医療保険は、短期入院や日帰り手術にも対応し、保険料も競争により割安になっているケースが多いため、乗り換えを検討する価値があります。

4. 解約返戻金と継続コストの損益判断

終身医療保険の中には、解約時に解約返戻金が受け取れるタイプもあります。加入期間が長い場合、ある程度の返戻金が貯まっている可能性があるため、保険会社に確認してみましょう。

解約返戻金と今後支払う保険料総額を比較し、継続するよりも解約して貯蓄や他の金融商品に切り替えた方が有利な場合もあります。

5. 特約の必要性と重複保障の整理

医療保険には、がん特約、三大疾病特約、先進医療特約など、さまざまな特約が付加されていることがあります。これらの特約が本当に必要か、他の保険と重複していないかを確認しましょう。

例えば、がん保険に別途加入している場合、医療保険のがん特約は不要です。特約を外すことで保険料を削減できるケースも多くあります。

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医療保険いらない論に関するよくある質問

Q1. 高額療養費制度があれば医療保険は本当に不要ですか?

A. 高額療養費制度により医療費の自己負担は月額10万円程度に抑えられますが、差額ベッド代や食事代、通院交通費などは対象外です。また、入院中の収入減少リスクもカバーされないため、貯蓄が十分でない方や自営業の方には医療保険が必要なケースもあります。

Q2. 貯蓄がいくらあれば医療保険は不要ですか?

A. 一般的には、緊急資金として100万円から200万円の貯蓄があれば、通常の入院や手術には対応できます。ただし、家族構成や収入状況、職業によって必要額は変わります。扶養家族がいる方や自営業の方はより多めの備えが必要です。

Q3. 医療保険を解約するタイミングはいつが良いですか?

A. 貯蓄が十分に貯まったタイミング、子どもが独立したタイミング、定年退職後など、ライフステージの変化に合わせて見直すのが良いでしょう。ただし、年齢が上がると再加入が難しくなるため、慎重に判断することが重要です。解約前にファイナンシャルプランナーに相談することをおすすめします。

Q4. 医療保険とがん保険はどちらを優先すべきですか?

A. がんは治療が長期化し医療費が高額になりやすいため、予算が限られている場合はがん保険を優先する選択肢もあります。一方、入院リスク全般に備えたい場合は医療保険が適しています。家族歴や健康状態に応じて判断しましょう。

Q5. 若いうちから医療保険に入るメリットはありますか?

A. 若いうちに加入すると保険料が安く、健康状態による加入制限もほとんどありません。終身型であれば一生涯保険料が変わらないため、長期的にはコスト面でメリットがあります。ただし、若い世代は入院リスクが低いため、貯蓄優先という考え方も合理的です。

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FPに聞く!医療保険の必要性に関するリアルな疑問

医療保険が本当に必要かどうか迷っている方が、実際にFPに質問した内容をまとめました。

30代女性

医療保険は本当に必要ないのでしょうか?

スマホdeほけん

一概には言えません。貯蓄が十分にある方、会社員で傷病手当金がある方は優先度が低いですが、貯蓄が少ない方や自営業の方には重要な保障です。

30代女性

保険料がもったいないと感じてしまいます。

スマホdeほけん

保険は損得で考えるよりも、リスクヘッジの手段として捉えることが大切です。保険料を払い続けても病気にならなければ、それは幸運なことです。ただし、貯蓄で対応できる範囲であれば、保険に頼りすぎない選択肢もあります。

30代女性

どれくらい貯蓄があれば医療保険は不要ですか?

スマホdeほけん

目安として100万円から200万円の緊急資金があれば、一般的な入院には対応できます。ただし、家族構成や収入状況によって必要額は変わるため、個別に判断することが重要です。

30代女性

医療保険を解約しようか迷っています。

スマホdeほけん

解約前に、現在の保障内容と保険料を確認しましょう。古い保険は保障範囲が狭い場合があるため、最新の保険に乗り換える選択肢も検討してください。また、年齢が上がると再加入が難しくなる点にも注意が必要です。

30代女性

医療保険とがん保険、どちらを優先すべきですか?

スマホdeほけん

予算が限られている場合、がんは治療費が高額になりやすいためがん保険を優先する方法もあります。一方、幅広い病気に備えたい場合は医療保険が適しています。

30代女性

自営業ですが、医療保険は必要ですか?

スマホdeほけん

自営業の方は傷病手当金がないため、入院中の収入減少リスクが高くなります。医療保険だけでなく就業不能保険も検討し、収入と医療費の両方に備えることをおすすめします。

30代女性

若いうちから医療保険に入るべきですか?

スマホdeほけん

若いうちは保険料が安く、健康状態による制限もほとんどありません。ただし、若い世代は入院リスクが低いため、保険料を貯蓄に回す選択肢も合理的です。ライフステージに応じて柔軟に判断しましょう。

まとめ:医療保険の必要性は個人の状況で判断すべき

医療保険が不要と言われる理由には、高額療養費制度の充実、平均入院日数の短期化、保険料と給付金の損益バランスなど、説得力のある根拠があります。貯蓄が十分にある方、会社員で傷病手当金がある方は、医療保険の優先度は相対的に低いと言えるでしょう。

一方で、貯蓄が少ない方、扶養家族がいる方、自営業で収入が不安定な方にとっては、医療保険は重要な家計防衛手段となります。保険は損得だけでなく、心理的安心感や家族を守るという側面もあるため、個人の価値観やライフステージに応じて判断することが大切です。医療保険に加入する場合も、保障内容と保険料のバランスを慎重に検討し、自分に本当に必要な保障だけを選ぶことで、無駄のない保険設計が可能になります。

監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

医療保険の必要性については、賛否両論があるのが現実です。ファイナンシャルプランナーとして多くの相談を受けてきた経験から言えるのは、医療保険が必要かどうかは個人の状況によって大きく異なるということです。貯蓄が十分にある方や、リスク許容度が高い方は、保険に頼らず自己資金で対応する選択も合理的です。

しかし、若い世代や子育て世代で貯蓄形成が進んでいない方、自営業で収入が不安定な方にとっては、医療保険は重要なセーフティネットとなります。保険は使わないことが最も幸せな結果ですが、万が一のときに家族や自分の生活を守る手段として、適切な保障を持つことは決して無駄ではありません。大切なのは、保険に過度に依存せず、貯蓄とのバランスを取りながら、自分のライフステージに合った備え方を選択することです。定期的に見直しを行い、必要な保障を必要な期間だけ持つという柔軟な姿勢が、賢い保険活用の鍵と言えるでしょう。

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