病院の駐車場代は医療費控除の対象?通院交通費の可否と対処法をFPがやさしく解説【保存版】

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

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AFP・2級FP技能士

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生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

「病院の駐車場代も医療費控除に入るの?」そんな疑問を持つ人は少なくありません。実は、医療費控除には明確なルールがあり、対象外の費用を誤って申告すると修正が必要になることもあります。

この記事では、駐車場代が医療費控除の対象になるか・ならないか、その理由や正しい対処法まで分かりやすく解説します。確定申告を安心して行いたい方は、ぜひ最後までチェックしてください。

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病院の駐車場代は医療費控除の対象?

結論から言うと、病院の駐車場代は医療費控除の対象外です。医療費控除の対象は「人的役務の提供」に該当するものと法律で定められています。

自家用車を運転して病院へ行く場合、ガソリン代や駐車場代は自分で負担する個人の交通費にあたるため、控除の対象には含まれません。

なぜ駐車場代が対象外になるのか

医療費控除の対象範囲は、所得税法施行令第207条で定義されています。そこでは「医師による診療」「治療に必要な医薬品」「病院へ収容されるための人的役務の提供」などが含まれます。

この中の「人的役務の提供」とは、バスや電車など他人の運転・サービスを利用する場合を指し、自家用車の運転は該当しません。したがって、駐車場代やガソリン代は医療費控除の対象外となります。

医療費控除の対象となる交通費とは?

対象となる交通費は「公共交通機関の運賃」や「やむを得ない事情でのタクシー代」などです。以下で詳しく見ていきましょう。

1. 通院にかかったバス・電車代

通院時に利用したバス代や電車代は対象になります。領収書が出ない場合でも、利用日・医療機関名・金額をメモしておけば問題ありません。

ただし、定期券区間内での通院は控除対象外です。

2. 緊急時のタクシー利用

陣痛や急な発作など、公共交通機関の利用が難しい場合に限り、タクシー代も対象となります。高速料金を含む場合も認められることがあります。

「遅れそうだからタクシーを使った」など、やむを得ない事情でない場合は対象外です。

3. 付き添い人の交通費

小さな子どもや高齢者など、本人が一人で通院できない場合の付き添い人の交通費も対象に含まれます。

ただし、「心配だから一緒に行った」というケースは対象外となるため注意が必要です。

4. 遠方治療での特例

難病や専門治療のために遠方の病院を利用する場合は、紹介状など医学的必要性があれば新幹線・飛行機代も対象となることがあります。

自己都合で遠方へ行く場合は対象外です。宿泊費も含まれません。

5. 領収書・記録のポイント

交通費はエクセルなどに一覧化しておきましょう。日付、医療機関、区間、金額を記録すれば、領収書がなくても申告できます。

タクシーを利用した場合は、必ず領収書を受け取り、利用理由をメモしておくと安心です。

注意ポイント

駐車場代・ガソリン代・定期券代はすべて医療費控除の対象外です。やむを得ない事情のないタクシー利用も認められません。

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FPに聞く!医療費控除のリアルな疑問

ここでは、実際に確定申告や医療費控除で悩む人のリアルな質問に、FPが回答します。

34歳・女性

医療費控除って、いくらから申請できるんですか?

スマホdeほけん

年間10万円を超える医療費を支払った場合、控除の対象になります。ただし、所得金額が200万円未満の方は「所得の5%」を超えた部分が対象です。

34歳・女性

家族の医療費もまとめて申告できますか?

スマホdeほけん

はい、同一生計の家族分をまとめて申告できます。家族の誰の名義で支払ったかよりも、「家計として負担したか」がポイントです。

34歳・女性

医療費控除の明細書にはどこまで記入が必要ですか?

スマホdeほけん

医療機関ごとの支払額をまとめて記載すればOKです。細かく日付ごとに分ける必要はありません。交通費は別枠で記入します。

34歳・女性

通院の付き添いをした場合の交通費はどう扱えばいいですか?

スマホdeほけん

本人が一人で通院できない事情があれば付き添い人の交通費も対象になります。領収書と理由を記録しておくと安心です。

34歳・女性

誤って対象外の費用を申告してしまった場合は?

スマホdeほけん

期限内なら訂正申告、期限後でも修正申告で対応できます。早めに修正すれば延滞税の負担も軽くなります。

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駐車場代を誤って申告した場合の対処法

誤って駐車場代を申告した場合は、期限内なら「訂正申告」、期限後なら「修正申告」で対応できます。

修正申告を放置すると延滞税が発生するため、気づいたら早めに修正することが重要です。

よくある質問Q&A

Q&A

Q1. 病院の駐車場代は全額対象外ですか?

A. はい、全額対象外です。ガソリン代や高速代など自家用車関連の費用も医療費控除には含まれません。

Q2. タクシー代はどんな場合に認められますか?

A. 緊急時や公共交通機関が利用できない場合のみ認められます。やむを得ない事情があれば領収書を必ず保管しましょう。

Q3. 定期券を使って病院に行った場合は?

A. 定期券区間内での通院は対象外です。定期外の区間を利用した分のみ計上可能です。

Q4. 医療費控除で交通費を申請する際、領収書は必要?

A. バスや電車などの公共交通機関は領収書不要です。日付・経路・金額をメモしておけば問題ありません。

Q5. 駐車場代を間違って入れてしまったら?

A. すぐに訂正申告または修正申告を行いましょう。放置すると延滞税のリスクがあります。

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まとめ:駐車場代は医療費控除の対象外

病院の駐車場代や自家用車のガソリン代は、医療費控除の対象にはなりません。対象になるのは、公共交通機関の運賃や、やむを得ない事情によるタクシー代などです。

誤って申告しても早めの修正で解決できます。確定申告の正しい知識を持って、安心して申告を行いましょう。

監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

医療費控除は一見シンプルに見えて、実際には「対象・対象外」の判断が複雑です。特に駐車場代やガソリン代など、自家用車を利用した通院費用は誤って申告されやすい項目です。

控除を正しく活用するためには、「誰の支出で」「どの交通手段を使ったか」を明確にすることが大切です。また、日々の通院費を家計簿アプリやExcelなどで記録しておくことで、確定申告時の整理もスムーズになります。