マンションの固定資産税はいくら?計算方法と節税対策を徹底解説

スマホdeほけん編集部監修者

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マンションを購入すると毎年支払う必要がある固定資産税について、不安を感じている方は多いでしょう。国土交通省の調査によると、分譲マンションの平均固定資産税額は年間約10万円から15万円程度とされており、購入後の家計負担として無視できない金額です。

この記事では、マンションの固定資産税の計算方法、戸建てとの違い、軽減措置の活用法について、ファイナンシャルプランナーの視点から詳しく解説します。固定資産税評価額の仕組み、新築・中古による税額の違い、そして実際に支払う税額を抑えるための節税対策まで、マンション購入後の家計管理に役立つ実践的な知識を得ることができます。

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この記事を読んでわかること

  • マンション固定資産税の計算方法(評価額×1.4%の基本と軽減特例の適用)

  • 新築マンションは5年間税額が2分の1になる軽減措置の詳細条件

  • 築年数別の固定資産税推移と長期的な家計負担のシミュレーション

固定資産税とは?マンション所有者が知るべき基礎知識

固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している人が毎年支払う地方税です。マンションの場合、土地と建物の両方に課税され、毎年1月1日時点の所有者に納税義務が生じます。

税額は固定資産税評価額をもとに計算され、標準税率は1.4%です。この評価額は市区町村が決定し、3年ごとに見直される仕組みになっています。

マンションの固定資産税の計算方法を分かりやすく解説

マンションの固定資産税は、土地部分と建物部分でそれぞれ計算されます。基本的な計算式は「固定資産税評価額×税率1.4%」ですが、実際には様々な軽減措置が適用されるため、計算式を理解することで正確な税額を把握できます。

ここでは、固定資産税の具体的な計算方法と、評価額の決まり方について詳しく解説します。

1. 固定資産税評価額の決まり方

固定資産税評価額は、市区町村が決定する評価額で、一般的に購入価格の60%から70%程度とされています。新築マンションを4,000万円で購入した場合、固定資産税評価額は約2,400万円から2,800万円程度になります。

この評価額は総務大臣が定める固定資産評価基準に基づいて算定され、土地と建物で別々に評価されます。

2. 土地部分の計算方法と軽減措置

マンションの土地部分は、敷地全体の評価額を各住戸の持分割合で按分して計算します。住宅用地には軽減措置があり、200平米以下の小規模住宅用地は評価額が6分の1に、200平米を超える部分は3分の1に軽減されます。

例えば、土地の持分評価額が1,000万円の場合、小規模住宅用地の特例により約167万円に減額され、税額は約2.3万円(167万円×1.4%)となります。

3. 建物部分の計算方法と減価償却

建物部分の評価額は、新築時の評価額から経年劣化による減価を考慮して決定されます。木造は評価額の減少が早く、鉄筋コンクリート造のマンションは減少が緩やかです。

新築マンションの場合、建物評価額が2,000万円であれば、税額は約28万円(2,000万円×1.4%)ですが、新築の軽減措置により5年間は半額の14万円になります。

4. 都市計画税も加算される

都市計画区域内のマンションには、固定資産税に加えて都市計画税(税率0.3%が上限)が課税されます。都市計画税も固定資産税評価額をもとに計算され、土地部分には軽減措置があります。

固定資産税と都市計画税を合わせた実効税率は、軽減措置適用後で約1.7%程度となるケースが多くなります。

5. 実際の税額シミュレーション例

購入価格4,000万円のマンション(土地1,000万円、建物3,000万円相当)の場合、固定資産税評価額は土地700万円、建物2,100万円程度と想定されます。軽減措置適用後の土地評価額は約117万円、建物は新築軽減で半額の1,050万円となり、初年度の固定資産税は約16万円程度です。

6年目以降は建物の軽減がなくなり、年間約25万円から30万円程度に増加する見込みです。

新築マンションの固定資産税軽減措置を最大限活用する

新築マンションには、建物部分の固定資産税が5年間(一定条件を満たすと7年間)半額になる軽減措置があります。この制度を理解し活用することで、購入初期の家計負担を大幅に軽減できます。

ここでは、新築マンションの軽減措置の条件と適用方法について詳しく解説します。

注意ポイント

新築マンションの軽減措置は自動的に適用されますが、条件を満たしているか確認することが重要です。床面積や取得時期によって適用条件が異なります。

1. 5年間(または7年間)半額になる条件

新築マンションの固定資産税軽減措置は、2024年3月31日までに新築された住宅が対象です。一般のマンションは5年間、3階建て以上の耐火・準耐火建築物(ほぼすべてのマンション)は5年間、建物部分の固定資産税が2分の1に軽減されます。

認定長期優良住宅の場合は、さらに2年間延長され7年間の軽減が受けられます。

2. 床面積の要件と計算方法

軽減措置を受けるには、床面積が50平米以上280平米以下である必要があります。この床面積は専有部分の登記簿面積で判断され、共用部分は含みません。

例えば、3LDKで専有面積70平米のマンションであれば、軽減措置の対象となります。ただし、床面積120平米までの部分が軽減対象です。

3. 認定長期優良住宅の特例

認定長期優良住宅の認定を受けたマンションは、軽減期間が7年間に延長されます。長期優良住宅とは、耐震性、省エネルギー性、維持管理のしやすさなど一定基準を満たした住宅です。

新築マンションを購入する際は、長期優良住宅認定の有無を確認することで、2年間分の軽減メリットを得られます。

4. 軽減期間終了後の税額変化

新築マンションの軽減措置は5年間(または7年間)で終了し、6年目(または8年目)から建物部分の固定資産税が倍増します。例えば、軽減期間中に年間15万円だった固定資産税が、終了後は25万円程度に増加します。

この税額変化を見越して、長期的な家計計画を立てることが重要です。

5. 軽減措置の申請手続き

新築マンションの軽減措置は、基本的に自動的に適用されます。ただし、市区町村によっては申請が必要な場合もあるため、不動産取得後に税務課に確認することをおすすめします。

必要な書類は、売買契約書、登記事項証明書、長期優良住宅認定通知書(該当する場合)などです。

中古マンションと新築マンションの固定資産税の違い

中古マンションと新築マンションでは、固定資産税の金額が大きく異なります。新築の軽減措置の有無、建物評価額の減価、築年数による変化など、購入時期によって税負担が変わるポイントを理解しましょう。

ここでは、中古マンション購入時の固定資産税について解説します。

FPからのアドバイス

中古マンションは新築の軽減措置がない分、初年度から固定資産税が高くなりますが、建物評価額の減価により新築時よりは低くなっているケースが多いです。

築10年の中古マンションの固定資産税

築10年の中古マンションの場合、建物評価額は新築時の約70%から80%程度に減価しています。新築時に評価額2,000万円だった建物は、築10年で約1,400万円から1,600万円程度になります。

新築の軽減措置はありませんが、評価額の減価により固定資産税は年間20万円程度となり、新築6年目以降とほぼ同水準となります。

築20年以上の中古マンションの固定資産税

築20年以上のマンションでは、建物評価額は新築時の50%から60%程度まで減価します。土地部分の評価額は変わりませんが、建物部分が大幅に下がるため、固定資産税は年間15万円程度まで低下します。

ただし、土地の評価額が上昇している場合は、築年数に関わらず固定資産税が高止まりすることもあります。

中古マンション購入時の固定資産税の確認方法

中古マンションを購入する際は、売主に前年度の固定資産税納税通知書を見せてもらうことで、実際の税額を確認できます。購入後の固定資産税は、前年とほぼ同額か、評価替えによりやや増減する程度です。

固定資産税は年度途中の売買でも日割り計算されるため、購入時に売主と精算する必要があります。

築年数 建物評価額(新築比) 年間税額目安
新築~5年 100%(軽減あり) 15万円~20万円
6年~10年 80%~90% 20万円~25万円
11年~20年 60%~80% 18万円~22万円
21年以上 50%~60% 15万円~18万円

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マンションの固定資産税を節税する方法

固定資産税は法律で定められた税金ですが、適切な知識と対策により負担を軽減できる方法があります。ここでは、合法的に固定資産税を抑えるための実践的な節税対策について解説します。

評価額の見直し請求、軽減措置の確実な適用など、知っておくべきポイントを紹介します。

1. 固定資産税評価額の見直し請求

固定資産税評価額が適正でないと感じる場合、市区町村に審査申出を行うことができます。納税通知書が届いてから3ヶ月以内に、固定資産評価審査委員会に申し出ます。

特に新築マンションの場合、建物の評価額が高すぎる、土地の持分計算が誤っているなどのケースがあります。評価額が正当かどうかを確認することが重要です。

2. 住宅用地の特例を確実に適用する

マンションの土地部分には、住宅用地の特例(小規模住宅用地は評価額6分の1)が適用されますが、まれに適用漏れがあります。納税通知書を確認し、土地部分の課税標準額が評価額の6分の1になっているかチェックしましょう。

適用漏れが判明した場合は、市区町村に連絡すれば遡って修正してもらえます。

3. 長期優良住宅認定でさらに軽減

新築マンション購入時に、長期優良住宅認定を受けることで、固定資産税の軽減期間が5年から7年に延長されます。2年間の延長により、約20万円から30万円の節税効果があります。

すでに建築済みのマンションでも、一定の基準を満たせば認定を受けられる場合があるため、デベロッパーに確認してみましょう。

4. 共有名義による分散効果

マンションを夫婦共有名義にすることで、固定資産税の負担を分散できます。税額自体は変わりませんが、それぞれの収入から支払うことで、家計管理がしやすくなります。

また、将来的な相続対策としても、共有名義には一定のメリットがあります。

5. 耐震改修やバリアフリー改修の減額

一定の耐震改修工事を行った場合、翌年度の固定資産税が2分の1に減額される制度があります。また、バリアフリー改修工事を行った場合も、3分の1の減額が受けられます。

中古マンションを購入してリノベーションする場合は、これらの減額制度を活用することで税負担を軽減できます。

固定資産税の支払い時期と支払い方法

固定資産税は年4回に分けて納付するのが一般的ですが、一括払いも選択できます。支払い方法によっては、ポイント還元などのメリットを得ることもできます。

ここでは、固定資産税の納付スケジュールと、お得な支払い方法について解説します。

固定資産税の納付時期

固定資産税は毎年4月から6月頃に納税通知書が届き、年4回(6月、9月、12月、2月など)に分けて納付します。自治体によって納付月は異なりますが、多くは6月、9月、12月、翌年2月の4回払いです。

第1期の納期限までに全額を一括納付することも可能で、自治体によっては若干の割引がある場合もあります。

クレジットカード払いでポイント還元

多くの自治体では、固定資産税をクレジットカードで支払うことができます。年間20万円の固定資産税を還元率1%のカードで支払えば、2,000円相当のポイントが貯まります。

ただし、決済手数料がかかる自治体もあるため、手数料とポイント還元を比較して判断しましょう。

スマホ決済やコンビニ払いの活用

PayPayや楽天ペイなどのスマホ決済アプリでも固定資産税を支払えます。キャンペーン時期にはポイント還元率が高くなることもあり、お得に納税できます。

コンビニ払いは24時間支払い可能で便利ですが、金額が30万円を超える場合は利用できないことがあります。

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マンションの固定資産税に関するよくある質問

Q1. マンションの固定資産税はいくらが相場ですか?

A. 分譲マンションの固定資産税は年間約10万円から20万円が一般的です。新築の場合は軽減措置により初期5年間は約10万円から15万円、6年目以降は約15万円から25万円程度になります。購入価格や立地、築年数によって大きく異なります

Q2. 固定資産税はいつから支払うのですか?

A. 毎年1月1日時点の所有者に課税されます。年の途中でマンションを購入した場合、その年の固定資産税は売主が納税義務者となりますが、通常は売買契約時に日割り計算で精算します。購入翌年から自分宛てに納税通知書が届きます。

Q3. 新築マンションの軽減措置はいつまで続きますか?

A. 一般的なマンション(3階建て以上の耐火建築物)は5年間、認定長期優良住宅は7年間、建物部分の固定資産税が2分の1に軽減されます。軽減期間終了後は税額が約1.5倍から2倍に増加するため、家計計画に織り込んでおくことが重要です。

Q4. 中古マンションの固定資産税はどう確認すればいいですか?

A. 中古マンション購入時は、売主に前年度の固定資産税納税通知書を見せてもらうのが確実です。また、市区町村の税務課で固定資産税評価額を閲覧できる制度もあります。購入後の税額は前年とほぼ同額になることが多いです。

Q5. タワーマンションの固定資産税は高いですか?

A. タワーマンションは2017年から、高層階ほど固定資産税が高くなる補正制度が導入されました。1階を基準として、1階上がるごとに約0.25%ずつ増加します。50階のタワーマンション最上階では、1階と比べて約10%高い固定資産税となります。

FPに聞く!マンション固定資産税に関するリアルな疑問

マンション購入を検討している方や、固定資産税の負担について不安を感じている方が、実際にFPに質問した内容をまとめました。

30代男性

マンションの固定資産税は年間いくらくらいかかりますか?

スマホdeほけん

購入価格4,000万円のマンションで、年間10万円から20万円程度が目安です。新築の場合、初期5年間は軽減措置により年間約12万円から15万円、6年目以降は約20万円から25万円に増加します。

30代男性

固定資産税は住宅ローンに含まれますか?

スマホdeほけん

いいえ、固定資産税は住宅ローンとは別に毎年支払う税金です。住宅ローンの返済額とは別に、固定資産税分の予算を家計に組み込んでおく必要があります。

30代男性

新築マンションの軽減措置が終わると、税額はどれくらい上がりますか?

スマホdeほけん

軽減期間終了後は、建物部分の固定資産税が約2倍になります。年間15万円だった固定資産税が25万円程度に増加するイメージです。この変化を見越して、長期的な家計計画を立てることが重要です。

30代男性

中古マンションと新築マンション、どちらが固定資産税は安いですか?

スマホdeほけん

一概には言えませんが、築10年以上の中古マンションは建物評価額が減価しているため、固定資産税は新築より低い傾向にあります。ただし、新築は初期5年間の軽減措置があるため、その期間は新築の方が安くなります。

30代男性

固定資産税を安くする方法はありますか?

スマホdeほけん

住宅用地の特例が確実に適用されているか確認する、長期優良住宅認定を受ける、耐震改修やバリアフリー改修で減額制度を活用するなどの方法があります。また、評価額が適正かどうかをチェックすることも重要です。

30代男性

タワーマンションの高層階は固定資産税が高いと聞きましたが本当ですか?

スマホdeほけん

はい、2017年から高層階補正制度が導入され、高層階ほど固定資産税が高くなります。1階上がるごとに約0.25%ずつ増加し、50階建ての最上階では1階と比べて約10%高くなります。

30代男性

固定資産税はクレジットカードで払えますか?

スマホdeほけん

多くの自治体でクレジットカード払いが可能です。還元率1%のカードで年間20万円を支払えば、2,000円相当のポイントが貯まります。ただし、決済手数料がかかる場合もあるため、手数料とポイント還元を比較して判断しましょう。

まとめ:マンション固定資産税は長期的な家計計画に組み込むべき

マンションの固定資産税は、土地と建物の評価額をもとに計算され、標準税率1.4%で年間10万円から20万円程度が一般的です。新築マンションには5年間(認定長期優良住宅は7年間)の軽減措置があり、初期の税負担は抑えられますが、軽減期間終了後は税額が1.5倍から2倍に増加するため注意が必要です。

中古マンションは新築の軽減措置がない代わりに、建物評価額の減価により固定資産税は比較的低く抑えられます。固定資産税は住宅ローンとは別に毎年支払う継続的な費用であり、マンション購入時には住宅ローン返済額だけでなく、固定資産税や管理費・修繕積立金も含めた総合的な家計負担を考慮することが重要です。長期的な視点で家計計画を立て、無理のないマンション購入を実現しましょう。

働く人のたより

監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

ファイナンシャルプランナーとして多くのマンション購入相談を受けてきましたが、固定資産税を軽視している方が非常に多いと感じています。住宅ローンの返済額だけに注目し、固定資産税や管理費・修繕積立金などのランニングコストを十分に考慮していないケースが少なくありません。特に新築マンションの場合、軽減措置が終了する6年目以降に税額が急増し、家計を圧迫するリスクがあります。

マンション購入時には、住宅ローン返済額に加えて、固定資産税年間20万円程度、管理費・修繕積立金月額2万円から3万円程度を見込んだ上で、無理のない資金計画を立てることが重要です。また、固定資産税は3年ごとに評価替えがあり、地価上昇により増額される可能性もあります。長期的な視点で家計を管理し、軽減措置終了後の税額増加や、将来的な管理費・修繕積立金の値上げにも備えておくことをおすすめします。適切な知識と計画により、安心してマンションライフを楽しむことができます。