住宅ローンの収入合算はやめた方がいい?3つのデメリットと後悔しない判断ポイントを徹底解説

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

保有資格

AFP・2級FP技能士

専門分野・得意分野

生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

「単独の年収だと住宅ローン審査が通らないかも」「収入合算で借りるとリスクはある?」――共働き世帯が増える今、収入合算(夫婦の年収を合算してローンを組む方法)を検討する人はとても多いです。

収入合算は借入可能額を増やせる反面、団信の保障や離婚・収入減リスクなど、知っておくべき注意点もあります。「やめた方がいい?」の答えは家庭の状況次第。この記事では、収入合算の仕組み、デメリット・メリット、実際の体験談傾向、そして後悔しないためのポイントをわかりやすくまとめます。

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収入合算とは?まず仕組みをサクッと理解

収入合算は、主な稼ぎ手(主債務者)の年収に、配偶者などの収入を足して住宅ローン審査を受ける方法です。銀行は返済比率(年収に対する年間返済額)で貸せる金額を判断するため、合算によって審査が通りやすくなり、借入可能額も増えやすい特徴があります。

収入合算には主に2タイプあります。

タイプ 特徴
連帯保証型 主債務者が借入、合算者は保証人。ローン控除は原則主債務者のみ。
連帯債務型 夫婦が同じローンで債務を負担。条件を満たせば夫婦それぞれ住宅ローン控除が可能。

収入合算はやめた方が良い?まず結論

結論から言うと、収入合算は一概に「やめた方が良い」とは言えません。借入額を増やせるメリットは大きい一方で、次のようなデメリットが現実的に存在します。

「自分の家庭に当てはまるか」を一つずつ確認することが大切です。

デメリット1:団信の保障がない側が亡くなるとローンが残る

収入合算は1本のローンを2人で返す形なので、一般的には団信(団体信用生命保険)の対象は主債務者のみです。

主債務者が亡くなれば団信で完済されることが多い一方、合算者(連帯債務者)が亡くなってもローンが減らないケースがあります。

一方、ペアローンは夫婦が別々に団信に入るため、どちらかに万一があればその人のローン分が完済されます。

比較項目 収入合算 ペアローン
ローン契約 1本 2本
審査 合算で1回 各自で審査
諸費用 1契約分 2人分
団信 主債務者のみが中心 夫婦それぞれ加入

理想は、夫婦どちらに万一があっても完済される「連生団信」のあるローン。取り扱い銀行は限られるため、選べない場合は合算者が生命保険でカバーするのも現実的な対策です。

デメリット2:片方の収入減で返済計画が崩れる

収入合算は、夫婦2人の収入が前提の返済計画です。出産・育休・病気・転職・介護などで片方の収入が落ちると、一気に家計が苦しくなるリスクがあります。

特に「共働きを続ける想定で借入額を最大まで伸ばした」場合、収入が減った瞬間に返済比率が跳ね上がり、貯蓄を削る生活になりやすい点に注意が必要です。

押さえておきたい視点

借りられる額ではなく、「片方の収入でも返せる水準か」を基準に借入額を決めると、収入変動に強い家計になります。

デメリット3:離婚時の手続きが複雑になりやすい

収入合算のローンは、離婚しても返済義務が自動で消えません。家を出る側が返済をやめると、残る側が単独返済できず破綻する恐れがあります。

また名義・債務の扱いが複雑化しやすいため、契約前から次の点を話し合っておくと安心です。

・債務責任(連帯保証/連帯債務)を明確にする
・持分割合と返済割合を一致させる
・売却・住み継ぎなど、残債処理のルールを作る

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収入合算のメリット|共働き世帯が選ぶ理由

デメリットがある一方、収入合算には明確なメリットもあります。特に審査・税制・手続きの3点が重要です。

メリット1:借入可能額が増える

住宅ローン審査では返済負担率(返済比率)をもとに借入上限が決まります。

単独年収だと希望額に届かない場合でも、合算によって希望物件に手が届く可能性が高まります

メリット2:連帯債務なら夫婦それぞれ住宅ローン控除が可能

連帯債務型で持分を持つ場合、条件を満たせば夫婦それぞれが住宅ローン控除の対象になります。共働きで双方が所得税を納めている世帯では、節税メリットを最大化できる点が魅力です。

メリット3:ペアローンより手続きがシンプル

収入合算はローン契約が1本なので、審査書類や諸費用が1契約分で済みます。ペアローンのように2本契約する場合と比べ、手続きの手間や費用を抑えやすいのがメリットです。

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【体験談の傾向】収入合算で「よかった」「後悔した」理由

収入合算利用者の声では、「借入額を増やして理想の家を買えた」という満足が多数派です。

一方で後悔パターンもはっきりしています。

満足しやすい理由 後悔しやすい理由
借入額が増え希望物件を購入できた 収入減や転職で返済が厳しくなった
手続きが一本化でき管理が楽 持分・返済割合のズレで不安やトラブル
購入時期を早められた 離婚など家族環境の変化を想定していなかった

つまり、「買えるか」より「変化が起きても返せるか」を中心に考えた家庭ほど、満足度が高い傾向があります。

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後悔しない!収入合算で押さえるべき3つのポイント

収入合算を選ぶなら、次の3点をセットで確認すると失敗リスクをグッと減らせます。

ポイント1:返済比率は25%以下を目安に

審査上は35%まで通る銀行もありますが、家計の安全圏は25%以下が目安です。

さらに注意したいのは、返済は手取り収入から行う点。将来の育休・時短なども織り込んで、片方の収入でも回る水準に抑えると安心です。

ポイント2:団信の保障範囲を必ず確認する

合算者が団信の対象外なら、万一の際にローンが残ります。連生団信が選べるか、選べない場合は生命保険でどう補うかを決めておきましょう。

ポイント3:持分割合と返済割合を一致させる

登記上の持分と実際の返済負担がズレると、贈与税リスクや住宅ローン控除の損、離婚時の清算トラブルにつながります。頭金+返済額の負担割合に合わせて持分を決めるのが基本です。

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収入合算が向いている夫婦・向いていない夫婦

最後に、収入合算の相性を整理します。あくまで目安ですが、判断の軸にしてください。

向きやすいケース 注意が必要なケース
単独では希望額に届かないが将来も共働き予定 近い将来、育休・転職で収入減が濃厚
貯蓄があり返済比率を低く抑えられる 借入額を上限まで伸ばさないと買えない
持分や家計ルールを事前に話し合える 持分・返済の話し合いが曖昧なまま進む

Q5. 収入合算とペアローンのどちらが家計に有利ですか?

A. 収入合算は手続きが簡単で借入可能額も増えますが、保障範囲や返済責任が偏りやすい点に注意が必要です。ペアローンは双方が団信加入できる安心感があり、税制メリットも得やすい特徴があります。

A. 家計全体で無理のない返済計画を立てられるかが最重要であり、将来の収入変化やリスク許容度によって最適な選択は異なります。

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FPに聞く!収入合算と住宅ローンのリアルな疑問

収入合算を検討する共働き夫婦が感じやすい疑問について、実際の家計リスクや住宅ローンのポイントをFPが分かりやすく解説します。

34歳・女性

収入合算とペアローンはどちらが安全なのでしょうか?

スマホdeほけん

どちらも仕組みは異なりますが、重要なのは家計への影響です。ペアローンは双方が団信加入できるため保障面は強く、収入合算は手続きの簡便さが特徴です。

34歳・女性

収入合算で審査に通りやすくなるのは本当ですか?

スマホdeほけん

はい、審査では返済比率が基準になるため、収入を合算すると有利になるケースがあります。ただし借入額が増えるため、返済の見通しを慎重に立てる必要があります。

34歳・女性

出産や育休で収入が下がった場合はどうなりますか?

スマホdeほけん

収入合算は共働き前提の返済計画になりがちです。片方が働けなくなると返済が厳しくなるため、事前に家計の余力を確認し、無理のない返済額を設定することが重要です。

34歳・女性

団信が片方だけの保障なのは不安です。どう備えるべきですか?

スマホdeほけん

連生団信を選べる金融機関を検討するか、代わりに生命保険や収入保障保険で補う方法があります。ローン残高に合わせた保障額を設定すれば、安心して返済を続けられます。

34歳・女性

収入合算で後悔しないための最重要ポイントは何ですか?

スマホdeほけん

「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」を基準に判断することです。長期の家計シミュレーションを行い、リスクに備えた返済設計を行うことが後悔を防ぎます。

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【まとめ】収入合算は「返せる額」と「万一の備え」で決めよう

収入合算は、共働き夫婦にとって住宅購入の選択肢を広げる強い武器です。ただし、

・団信の保障が片方だけになりやすい
・収入減や離婚など変化に弱い
・持分と返済のズレで税務・清算リスク

といったデメリットも現実にあります。

だからこそ、「いくら借りられるか」ではなく「変化が起きても返せるか」を最優先で判断し、連生団信や保険、貯蓄ルールまで含めて設計するのが後悔しないコツです。

もし少しでも迷いがあるなら、家計全体を踏まえた返済シミュレーションをプロと一緒に作ると、最適な選択がぐっと見えやすくなります。

収入合算の住宅ローンに関するQ&A

Q1. 収入合算とペアローンの違いは?

A. 収入合算はローン1本を夫婦で返す方法、ペアローンは夫婦が別々に2本のローンを組む方法です。ペアローンは双方が団信に入れる一方、諸費用や手続きは増えます。

Q2. 収入合算はどのくらいまで借りていい?

A. 審査上限より、返済比率25%以下を目安に「片方の収入でも返せるか」で考えるのが安全です。

Q3. 連生団信がない場合はどう備える?

A. 合算者が生命保険(定期保険・収入保障保険など)でローン残高相当をカバーする方法が現実的です。保障額と期間をローン残高に合わせて設計します。

Q4. 持分割合がズレると何が起きる?

A. 贈与税リスク、住宅ローン控除の損、離婚・売却時の清算トラブルが起きやすくなります。頭金+返済負担の割合に合わせて持分を決めましょう。

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【まとめ】収入合算は「やめた方がいい」とは限らない|リスクと家計のバランスで判断

収入合算は借入可能額を増やせる一方で、団信の保障範囲や収入減少、離婚時の手続きなどのリスクも抱えます。特に共働き前提の返済計画になるため、「借りられる額」より「返せる額」を基準に、返済比率や持分割合まで含めて慎重に設計することが大切です。

世帯のライフイベントや家計の余力を踏まえてシミュレーションし、必要なら連生団信や民間保険で備えることで、収入合算でも後悔しにくい選択ができます。迷う場合は、住宅ローンと家計の両面に強いFPと一緒に、老後資金まで見据えた返済計画を作ると安心です。

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監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

収入合算は「審査に通すための手段」として使われがちですが、本当に重要なのは返済期間を通して家計が崩れないかという一点です。共働きが続く前提で借入額を最大化すると、出産や転職、病気などで収入が落ちた瞬間に返済負担が重くなり、教育費や老後資金の確保まで難しくなるケースがあります。

また、団信が主債務者のみの契約では、配偶者側の万一に備えが薄くなるため、連生団信の有無や代替保険を必ず確認してください。持分割合と返済割合の不一致は贈与税や財産分与の火種にもなるので、契約前に夫婦で数字をすり合わせ、長期のキャッシュフロー表で無理のない水準を決めることが、後悔しない住宅購入につながります。