

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
住宅購入は人生最大級の出費だからこそ、保証料の扱いで家計への影響は小さくありません。借り換え時の返金可否や受取時期、損益分岐の考え方を整理し、迷わず判断できるように解説します。
本記事はFP視点で、外枠・内枠の違い、戻し保証料の仕組み、諸費用の全体像までを網羅。老後資金や資産形成と両立させる実務ポイントを、初心者にも分かりやすくまとめました。
返金の基本を先取り:仕組みとチェックの流れ
まずは返金が生じやすい前提を押さえましょう。返金は外枠(一括)払いで完済や借り換えにより未経過期間が出た場合に発生するのが一般的です。
金融機関・保証会社の規定で計算式や手数料が異なります。同じ残高でも戻し保証料は銀行により差が出る点に注意してください。
保証料が返金される代表ケースを理解:ここだけは外さない
返金の成否は支払い方法と返済イベントで決まります。概要を俯瞰してから詳細の実務へ進むと判断精度が上がります。
以下の手順リンクから、あなたの状況に合う項目へジャンプして確認しましょう。
返金になるかの判定手順(外枠・完済・借り換え)
1. 外枠(一括)で支払っているか確認
外枠は契約時に保証料を一括で払う方式です。契約期間の未経過部分が残ると返金原資が生まれるのが特徴です。
まずは明細や金銭消費貸借契約書で方式を確認しましょう。内枠と誤認している例も少なくありません。
2. 全額繰上げ返済で未経過があるか
途中完済なら当初想定期間に対し未経過分が発生します。多くの金融機関で戻し保証料の計算対象になります。
ただし事務手数料が差し引かれることがあり、期待より返金が小さくなるケースもあります。
3. 借り換えで保証が不要になったか
借り換えは実質的に前ローンの完済です。保証関係が終了するため、外枠払いなら返金が発生しやすい構造です。
返金手続きは旧金融機関・保証会社のフローに従います。新ローン側では原則、返金は発生しません。
4. 内枠(分割)の場合の扱い
内枠は金利上乗せなどで按分負担する方式です。毎月発生主義のため、原則としてまとまった返金は期待できません。
完済月の端数調整などの例外を除き、大きな戻しは見込めないと考えるのが安全です。
5. 金融機関・保証会社ごとの規定確認
戻し保証料の計算式や最低手数料は各社で異なります。同条件でも受取時期や金額に差が出るのはこのためです。
約款・商品説明書・Webページの「保証料」「手数料」欄を必ず確認し、窓口で具体額の見積りを取りましょう。
注意ポイント
返金見込みだけで借り換えを決めるのは危険です。総支払額の変化と諸費用を合わせて損益分岐を判定しましょう。
外枠・内枠の違いと費用感:方式選択で総額が変わる
方式によって契約時の持ち出しと長期の総負担が変わります。家計のキャッシュフローと相談して最適解を選びましょう。
外枠は初期負担が大きい代わりに総額が抑えやすく、内枠は初期負担が軽い反面トータルは高くなりがちです。
外枠方式の考え方
外枠は借入時に数%相当を一括負担します。完済や借り換えで未経過分が返る可能性があるため、流動性に余裕があれば有力候補です。
一方で初期資金が不足する場合は他費目にしわ寄せが出ます。無理のない資金計画とセットで検討してください。
内枠方式の考え方
内枠は金利上乗せ等で分割負担します。初期持ち出しを抑えられる反面、長期の総負担は外枠より増えやすいです。
借り換え時の返金期待は持てません。金利上乗せ幅と返済期間を用いて総額シミュレーションを行いましょう。
返金時期と実務フロー:いつ戻る?どう動く?
返金時期は金融機関の事務処理に左右されます。大手は比較的早期、地銀は翌々月などやや後ろ倒しの傾向です。
完済証明の取得、保証会社での清算、登録口座への入金という流れが一般的です。手続き書類の不備が遅延要因になります。
返金タイムラインの目安
目安として、大手は完済後おおむね1か月以内、地方銀行は完済日の翌々月が一つの基準です。
ただし繁忙期は遅れやすいので、借り換え実行前に時期と口座を確認しておくと安心です。
実務メモ
旧ローンの返金は旧金融機関から支払われます。新ローン側では受け取れません。入金口座の相違に注意しましょう。
借り換え諸費用を可視化:損益分岐の押さえどころ
保証料返金だけでなく、借り換えの諸費用を合算して総支払額を比較することが重要です。費目の抜け漏れは判断を誤らせます。
次の表で代表的な費用の特徴を確認し、あなたの試算表に写経しておきましょう。
特徴 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
融資手数料 | 定額型は予算化が容易 | 定率型は高額化しやすい |
保証料 | 外枠なら返金の可能性 | 内枠は返金期待が薄い |
登記・司法書士 | 専門家依頼でスムーズ | 実費込みで高く見える |
費用合計+新ローン総返済額−(旧ローン総返済額+戻し保証料)で損益を算出します。必ずプラスになるかを確認しましょう。
借り換え前の最終チェックリスト
1. 返金見込額の事前見積り取得
旧金融機関と保証会社に連絡し、戻し保証料の概算を入手します。手数料控除の有無も併せて確認しましょう。
書面やメールで根拠を残すと、後日の照合が容易になり試算の精度が上がります。
2. 諸費用の総額見積り取得
融資手数料、印紙、登記、司法書士、火災保険の更新・切替などを一枚の見積りに集約します。
一部は実費精算のため増減します。上振れ余地を含めて家計にバッファを確保してください。
3. 金利タイプとリスク許容度
変動・固定の選択は家計の耐性に直結します。金利上昇時のストレステストを必ず行いましょう。
固定化で安心を買うか、変動で総額圧縮を狙うかは、ライフプランに沿って決めるのが王道です。
4. 返済期間短縮の効果確認
同金利でも期間短縮は利息総額を圧縮します。月額負担の増減とバランスを取りましょう。
老後資金の積立余力を損なわない範囲で、最適な期間に再設計するのがポイントです。
5. 家計・予備費の確保
実行月は諸費用の資金繰りが集中します。予備費を確保し、カード引落や生活費に支障が出ないよう備えましょう。
返金時期が後ろにずれるケースも想定し、短期的なキャッシュ不足を避ける体制を整えます。
返金計算の仕組みとよくある落とし穴
戻し保証料は単純な日割ではなく、所定の係数や最低手数料が適用されることがあります。期待値との乖離が生じやすい論点です。
清算手数料・端数処理・入金遅延は典型的な落とし穴です。事前に規定を読み、担当者へ具体計算例で確認しましょう。
実務での確認ポイント
約款の「保証料返還」条項と商品概要説明書の「手数料」欄を突き合わせます。相違がある場合は書面回答を依頼しましょう。
返金は旧ローンの完済確認後に処理されます。口座解約や住所変更の前に入金口座を固定してください。
フラット35や保証料不要商品の注意
保証料不要でも事務手数料が高額な場合があります。総支払額で比較しないと正しい結論に到達できません。
審査が厳格化する傾向もあるため、スケジュールに余裕を持って書類準備を進めましょう。
家計・資産形成の視点:住宅ローンと並行して備える
借り換えは月額を下げるだけでなく、浮いたキャッシュの使い道が重要です。老後資金と教育費の両立を設計しましょう。
長期の資産形成ではiDeCoや新NISAに加え、変額保険を活用して保険と運用を一体で設計する選択肢もあります。リスクとコストを理解し、分散の一部として検討します。
相談の活用:無料で疑問を解消し、失敗を防ぐ
戻し保証料や諸費用の見積りは単独では判断が難しい領域です。第三者の視点で比較表を作ると意思決定が早まります。
マネーキャリアの無料FP相談なら、家計の現状とライフプランに沿った借り換え可否と最適条件を具体的に提案してもらえます。
FPに聞く!傷病手当金と家計・就業不能保険のリアル
住宅ローン返済と同時に、病気やケガで働けないリスクも気になります。家計を守る制度と保険の基礎をFPに確認しました。

34歳・女性
傷病手当金はいくら、どのくらいの期間もらえますか?
スマホdeほけん
支給額は標準報酬月額の約3分の2で、通算1年6か月が上限です。復職や休職を挟んでも、その期間に含まれる点が重要です。


34歳・女性
住宅ローン返済は傷病手当金だけで賄えますか?
スマホdeほけん
手取りより少なくなるため不足が生じやすいです。必要に応じて就業不能保険や貯蓄で補完し、家計の固定費を同時に見直しましょう。


34歳・女性
就業不能保険を選ぶ際のポイントは?
スマホdeほけん
免責期間、支給期間、精神疾患の取り扱いを確認しましょう。住宅ローン残高や生活費に合わせ、給付額を過不足なく設計することが大切です。


34歳・女性
傷病手当金の申請で注意すべきことは何ですか?
スマホdeほけん
医師の意見書と事業主の証明が毎月必要です。提出期限に余裕を持ち、記載漏れを防ぐためチェックリストを作成しましょう。


34歳・女性
家計全体の備えはどの順番で整えれば良いですか?
スマホdeほけん
まず生活防衛資金を確保し、次に保障と貯蓄をバランスさせます。ローンの借り換え効果は、長期の資産形成計画とセットで評価しましょう。

Q&A:借り換え・保証料のよくある疑問にプロが回答
Q1. 借り換えで保証料は必ず返金されますか?
A. 外枠(一括)払いで未経過期間が残る場合に返金が発生します。内枠(分割)では原則まとまった返金は期待できませんので、方式の確認が第一歩です。
銀行や保証会社ごとに計算が異なるため、事前見積りで金額と手数料の有無を確認してください。
Q2. 返金はいつ口座に振り込まれますか?
A. 大手は完済後おおむね1か月以内、地銀は翌々月が目安です。繁忙期や書類不備で遅れる可能性があるため、担当者に時期と口座を必ず指定しましょう。
入金先は旧ローン側の登録口座になるのが一般的です。新ローンには入りません。
Q3. 保証料不要のローンは本当にお得ですか?
A. 事務手数料が高めに設定されている場合があります。総支払額と諸費用を合算した比較で判断し、審査条件の厳格化も考慮してください。
フラット35やネット銀行など商品特性を理解し、家計との相性で選ぶのがポイントです。
Q4. 返金見込みが小さくても借り換える価値はありますか?
A. 金利差や期間短縮で利息削減が大きければ価値はあります。返金は副次効果と捉え、損益分岐を総合で判定しましょう。
返済比率の改善や固定化による安心感など、数値化しにくいメリットも意思決定材料です。
Q5. 返金額は自分で計算できますか?
A. 近似は可能ですが、各社固有の係数や最低手数料で差が出ます。正式額は金融機関・保証会社の試算が前提です。
電話や窓口で概算を取り、書面で根拠を保存する運用をおすすめします。
まとめ:借り換えの損益は“総額”で判断し、返金はボーナスと考える
借り換えでの保証料返金は外枠払いと未経過期間が鍵です。とはいえ、意思決定は返金・諸費用・金利差・期間短縮を合算した総額で行いましょう。
家計の安定と老後資金の確保を同時に達成するには、返金時期のズレや事務手数料も織り込むことが重要です。迷う場合は第三者のプロに相談し、定量比較で最適解を選びましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保証料の返金は「方式」と「未経過」が条件で、銀行や保証会社の規定差も結果を左右します。試算では費用の抜け漏れが起きやすく、特に登記関連の実費や清算手数料の扱いは注意が必要です。借り換え判断は返金を主因にせず、総支払額と家計キャッシュフローの改善幅で評価しましょう。
金利タイプや返済期間はライフプランと連動させるのが肝要です。返金はプラス材料ですが、入金時期が後ろになる前提で予備費を確保してください。自信が持てない場合は、第三者の視点で比較表を整えるだけでも精度が一段上がります。