

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「喘息だと保険に入れない?」と不安な方へ。結論、症状や治療歴次第で加入の余地はあります。とくに部位不担保や引受基準緩和型を活用すれば現実解が見つかります。
本記事は、加入可否の考え方、正しい告知、給付金の対象、助成制度、選び方の手順をFP視点で整理。家計負担を最小化しつつ必要な保障だけを残すコツをまとめました。
結論と前提:喘息でも加入は可能性あり。まずは時系列と条件整理
発症・受診・投薬・入退院の時系列を整理し、加入時期と約款を照合しましょう。発症前加入は給付対象になり得ますが、責任開始期前の発症や不担保には注意が必要です。
発症後の新規加入は通常厳格ですが、部位不担保での通常加入/引受基準緩和型/無告知型など道は残ります。無理なく払える保険料かも同時に確認します。
1. 加入日・責任開始日と発症日の関係
発症前加入で約款に適合すれば給付対象の可能性があります。責任開始期前の発症は不支給の典型要件です。
証拠書類(診断書・領収書・保険証券)を時系列で揃えると、審査・請求がスムーズです。
2. 入院・通院の有無と回数/限度到達
通院は入院前後のみ対象など商品差が大きいです。上限日数・通算回数に達していないか確認しましょう。
入院短期化に合わせて、通院・在宅への給付をチェックします。
3. 投薬内容・発作頻度・救急受診歴
吸入薬の種類、救急受診や夜間発作の頻度は審査の重要情報です。安定性を示せるほど条件は良化しやすくなります。
自己申告で曖昧にせず、診療明細で裏付けましょう。
4. 部位不担保・特別条件の有無
呼吸器など特定部位を対象外にする代わりに加入できる場合があります。割増保険料・支払削減期間の有無も併せて把握します。
将来の見直し前提で許容できる条件範囲を決めておきます。
5. 公的制度で埋まる費用と残る費用
高額療養費で標準治療の自己負担は抑えられますが、差額ベッド・食事・交通等は残ります。民間保険の役割はここをカバーすることです。
家計のキャッシュフローを軸に必要保障額を逆算しましょう。
喘息の基礎知識:症状・合併・家計への影響
喘息は気道の慢性炎症により、咳・喘鳴・呼吸困難を反復します。小児はアトピー型が多く、成人は非アトピー型や喫煙・感染誘因が関与します。
合併しやすい鼻炎・副鼻腔炎や胃食道逆流は受診頻度を増やし、通院コストの累積につながります。重症化で入院費用が跳ね上がる点も留意です。
喘息でも生命保険・医療保険は入れる?可否の目安
結論、加入の可能性はあります。寛解状況・入院歴・救急受診・投薬の種類で判断され、部位不担保での通常加入や緩和型・無告知型が候補になります。
無告知型は入りやすい一方で保険料や支払条件が重くなりがちです。割高期間を短くする設計が鍵です。
注意ポイント
告知義務違反は不支給・解除のリスクがあります。通院の経過観察も告知対象になり得るため、自己判断で省略せず正確に申告しましょう。
加入しやすい保険タイプと役割(通常/緩和型/無告知)
商品名より「役割」で比較すると重複やムダ払いを避けやすくなります。ここではタイプ別に実務上の見どころを整理します。
家計に合わせて、医療一時金・通院給付・先進医療の有無も確認しましょう。
加入タイプの比較ポイント
1. 通常の生命・医療:部位不担保で現実解
2〜5年以内の呼吸器入院がない等の条件で、部位不担保なしの可能性もあります。入院回数・夜間発作・救急歴は判断材料です。
部位不担保の範囲と期間、支払削減期間の有無を確認します。
2. 引受基準緩和型:告知少・加入しやすい
告知項目が限定され加入しやすい反面、保険料は割高。加入後の見直し前提で設計し、家計の持続性を確保します。
最近の受診・投薬状況を整理し、適正な保障額で無理なく備えます。
3. 無告知・無選択型:加入容易・割高
健康告知不要で入りやすいが、支払条件の制限や保険料が重くなりがちです。入院中・入院予定は不可が一般的です。
一時的な受け皿として使い、寛解後は通常商品へ移行を検討します。
4. 就業不能・収入保障:長期の収入減に備える
入院よりも収入減が家計に直撃します。医師の就労不可証明、在宅療養可否、待機期間、給付回数上限を事前確認しましょう。
住宅ローン期は優先度が高く、毎月のキャッシュフロー安定に直結します。
5. 変額保険:保障+資産形成の選択肢
保障と積立を一体管理したい人向け。市場変動リスクはあるものの、長期・分散で老後資金の持続性を高められます。
NISA等と役割分担すると、流動性と保障のバランスが整います。
特徴 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
終身保険 | 生涯保障と貯蓄性 | 保険料が割高 |
変額保険 | 資産形成と保障の両立 | 運用リスクあり |
養老保険 | 満期時に資金受取 | 返戻率が低め |
はじめてでも迷わない:加入手順とチェックリスト
制度で埋まる部分と残る費用、収入減の影響を見える化して、差額だけを民間で補うのがコスパの良い設計です。
数字で把握すれば、過不足のない加入額に収まりやすくなります。
1. 家計棚卸し:固定費・予備費・不足額
手取り・固定費・教育費・ローンを可視化し、療養時の不足額を算出します。必要保障額が明確になります。
現金クッションの厚みと、継続保険料の許容範囲を合わせて検討します。
2. 対象外コスト:差額ベッド・交通・食事
高額療養費の対象外領域は体感負担が大きい項目です。一時金や通院特約でカバーする設計が有効です。
領収書の保管・請求動線の整備で、申請漏れを防ぎます。
3. 商品選定:通常/緩和型/無告知
各タイプの保険料・支払条件・不担保範囲を比較します。家計と症状の安定度に合う最小限の上乗せを選びます。
重複保障は避け、役割分担で構成しましょう。
4. 長期対策:就業不能・収入保障を併用
入院費より長期の収入減が致命的です。待機期間・在宅可否・回数上限をチェックし、住宅ローン期は厚めに。
復職支援サービスとの相性も、実務上の満足度に影響します。
5. 見直し計画:寛解後の移行を前提に
緩和型・無告知は割高なため、寛解後に通常商品へ移行する前提でスケジュール化します。保険料の最適化が図れます。
家計と健康の変化に合わせ、年1回の棚卸しを習慣化します。
実務メモ
比較は月額だけでなく、対象外費用の埋まり方と、退職後までの持続性で評価しましょう。見直しやすい設計かも重要です。
FPに聞く!喘息×保険のリアル
実際の使い勝手や家計インパクトを把握するため、読者代表(34歳・女性)がFPに質問しました。

34歳・女性
喘息でも保険に入れますか?最初に確認するポイントは?
スマホdeほけん
加入時期・入退院歴・投薬・発作頻度です。証拠書類と約款をそろえ、部位不担保や特別条件の有無を確認しましょう。


34歳・女性
通院でも給付は出ますか?
スマホdeほけん
商品により入院前後の通院のみ対象など差があります。限度日数と通算回数、対象外費用をチェックしてください。


34歳・女性
緩和型と無告知、どちらが良いですか?
スマホdeほけん
加入しやすさは無告知が上ですが割高です。緩和型→寛解後に通常へ移行する二段構えが家計に優しいです。


34歳・女性
就業不能保険は必要ですか?
スマホdeほけん
長期の収入減に備える意味で有効です。在宅療養可否・待機期間・給付上限を先に確認しましょう。


34歳・女性
資産形成はどう組み合わせますか?
スマホdeほけん
流動性重視はNISA、保障一体は変額保険。役割分担で家計のバランスを整えます。

よくある質問(喘息×生命保険)
個別条件で可否は変わるため、以下は一般的な目安です。最終判断はご自身の契約・約款でご確認ください。
加入前・請求前に不明点は保険会社や専門家へ必ず照会しましょう。
Q1. 喘息でも生命保険に加入できますか?
A. 症状が安定し入院歴が限定的なら、通常加入や部位不担保での加入の可能性があります。難しい場合は緩和型・無告知型が候補です。
告知は正確に行い、支払削減期間や対象外条件を必ず確認しましょう。
Q2. 県民共済など共済は加入できますか?
A. 条件により加入不可・制限ありのケースがあります。加入できても条件違反の未告知は不支給のリスクが高いです。
約款と窓口での確認が近道です。無理に隠さず申告しましょう。
Q3. 通院だけでも給付は受けられますか?
A. 入院前後のみ対象など商品差が大きいです。通院特約や一時金の有無、限度日数を事前に確認してください。
領収書・診療明細の保管と、請求の時系列整理が重要です。
Q4. 特別条件付き契約で注意する点は?
A. 割増保険料、部位不担保、支払削減期間の3点です。許容できる範囲を決め、将来の見直し計画を同時に作りましょう。
家計の持続性を最優先に、過不足のない保障を心がけます。
Q5. 変額保険は喘息の人にも向きますか?
A. 保障と積立を一体管理したい人に向きます。市場変動リスクはあるため、長期・分散で運用しましょう。
NISAと併用すると、流動性と保障の両立が可能です。
まとめ:公的保障+最小限の上乗せでムダなく守る
喘息でも加入の道はあり、時系列整理と約款確認が出発点です。高額療養費などの制度を土台に、差額費用と収入減だけを民間で補えば、コスパ良く家計を防衛できます。
緩和型・無告知は割高ゆえ、見直し前提で。変額保険の活用や就業不能の併用で、保障と資産形成のバランスを整えましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
加入の可否は「安定度」と「証跡」で決まります。発作頻度や救急歴、投薬の種類などの客観情報を揃え、部位不担保・割増など特別条件の妥当性を見極めてください。緩和型・無告知はあくまでブリッジ。寛解後の通常移行計画まで設計してこそ、支払いの持続性が確保できます。
また、公的制度を前提に不足領域を一時金や通院給付で補い、長期の収入減には就業不能・収入保障を組み合わせると過不足が少なくなります。資産形成はNISAと変額保険の役割を明確にし、家計全体で最適化しましょう。