スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「先進医療特約は本当に必要なのか」という疑問を持つ方が増えています。厚生労働省の統計によると、先進医療を受ける患者数は年間約3万人程度で、全国民の0.02%程度に過ぎません。多くの人が保険料を払い続けても使う機会がないというのが現実です。
この記事では、先進医療保険が不要と言われる理由と、逆に必要性が高いケースについて、ファイナンシャルプランナーの視点から公平に解説します。先進医療の実施件数、技術料の実態、医療保険における特約の必要性を理解することで、あなたにとって本当に必要な保障かどうかを判断できるようになります。
この記事を読んでわかること
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先進医療保険が不要と言われる4つの根拠(利用率0.02%・高額な保険料負担)
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先進医療を受ける可能性が高い人の条件(がん・眼科疾患・家族歴)
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特約の保険料と給付実績から見る費用対効果の検証結果
先進医療保険とは?基本的な仕組みを理解する
先進医療特約は、公的医療保険が適用されない先進医療の技術料を保障する保険です。先進医療とは、厚生労働省が承認した高度な医療技術で、一般的な治療では対応できない症例に対して実施されます。
技術料は全額自己負担となり、数十万円から数百万円かかることもあります。先進医療特約に加入していれば、この技術料を保険でカバーできるというのが基本的な仕組みです。
先進医療保険が不要と言われる4つの根拠
先進医療保険不要論の背景には、実際に先進医療を受ける確率の低さと、保険料と給付のバランスの問題があります。統計データに基づいて、先進医療特約が本当に必要なのかを冷静に検証していきます。
ここでは、先進医療保険が不要と言われる具体的な理由について、データを交えながら解説します。
1. 先進医療を受ける確率は0.02%と極めて低い
厚生労働省の統計によると、先進医療を受けた患者数は年間約3万人程度です。日本の人口約1億2,500万人に対して、先進医療を受ける確率は年間0.02%程度に過ぎません。
一生のうちで先進医療を受ける確率を考えると、ほとんどの人が保険料を払い続けても使う機会がないというのが現実です。この確率を考えると、特約は不要という意見にも説得力があります。
2. 実施件数の多い技術は比較的低額
先進医療の中で実施件数が多いのは、多焦点眼内レンズを用いた白内障手術で、年間約2万件以上実施されています。この技術料は片眼あたり30万円から60万円程度で、両眼でも100万円前後です。
一方、重粒子線治療や陽子線治療など高額な先進医療(300万円程度)の実施件数は年間数千件程度と少なく、実際に高額な先進医療を受ける確率はさらに低くなります。貯蓄で対応できる範囲という考え方もあります。
3. 保険料総額と給付金の損益分岐点
先進医療特約の保険料は月額100円から200円程度と安価ですが、30歳から65歳まで35年間加入した場合、総額は42,000円から84,000円になります。この間に先進医療を受ける機会がなければ、保険料は全額掛け捨てとなります。
統計的に見ると、加入者の99.98%は先進医療を受けないため、保険会社が利益を得る構造になっています。金融商品としての効率性を考えると、特約は不要という意見も理解できます。
4. 保険適用になる技術は随時変更される
先進医療に指定されている技術は、定期的に見直されます。有効性が認められた技術は保険適用となり、逆に効果が不十分と判断された技術は先進医療から除外されます。
つまり、加入時に想定していた先進医療が、実際に病気になったときには保険適用になっていたり、逆に先進医療から外れていたりする可能性があります。この不確実性も、特約不要論の根拠の一つです。
それでも先進医療保険が必要な人の条件
先進医療保険不要論には説得力がある一方で、特定の条件に当てはまる方には加入する価値があります。がんのリスクが高い方、家族歴がある方、最新の治療を受けたいと考える方などは、先進医療特約が重要な選択肢となります。
ここでは、先進医療保険の加入を検討すべき具体的な条件について解説します。
注意ポイント
先進医療特約の保険料は月額100円から200円程度と安価なため、迷ったら付けておくという選択も合理的です。ただし、不要な保障に長期間お金を払い続けることにもなります。
先進医療保険が必要な人の条件
1. がんの家族歴があり重粒子線治療の可能性がある
家族にがんの病歴がある方、喫煙習慣がある方など、がんのリスクが高い方は、重粒子線治療や陽子線治療などの先進医療を受ける可能性が相対的に高くなります。これらの治療費は約300万円と高額です。
がん保険に先進医療特約を付加しておけば、万が一のときに治療の選択肢が広がり、経済的理由で最新の治療を諦める必要がなくなります。
2. 最新の治療を受けたいという強い希望がある
「もし病気になったら、最新の治療を受けたい」という価値観を持っている方にとって、先進医療特約は心理的な安心感を提供します。治療の選択肢を経済的理由で制限されたくないという考え方です。
この場合、確率論よりも「選択の自由」を重視するため、月額100円から200円程度の保険料は十分に価値があると言えるでしょう。
3. 貯蓄が少なく高額な自己負担に耐えられない
貯蓄が100万円未満の方や、急な出費に対応できない家計状況の方は、数十万円から数百万円の先進医療技術料を自己負担することが困難です。このような場合、先進医療特約があれば経済的な不安を軽減できます。
特に若い世代や子育て世代で貯蓄形成が進んでいない場合、少額の保険料で高額な保障を得られる先進医療特約は合理的な選択となります。
4. 眼科疾患のリスクが高い
白内障は加齢とともに発症リスクが高まる病気で、50代以降で罹患率が急上昇します。多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は先進医療の中で最も実施件数が多く、年間約2万件以上実施されています。
将来的に白内障になる可能性を考えると、先進医療特約があれば、遠近両用の多焦点レンズを選択できる経済的な余裕が生まれます。
5. 保険料が安価で家計負担が小さい
先進医療特約の保険料は月額100円から200円程度と非常に安価です。年間でも1,200円から2,400円程度の負担で、数百万円の保障を得られるため、コストパフォーマンスは決して悪くありません。
「使う確率は低いが、万が一に備えたい」という保険本来の目的を考えれば、この程度の保険料負担は許容範囲という考え方もあります。
先進医療の実施状況と費用の実態
先進医療保険の必要性を判断するためには、実際にどのような先進医療がどれくらいの頻度で実施され、費用がいくらかかるのかを知ることが重要です。ここでは、実施件数が多い先進医療技術と費用について具体的に解説します。
データに基づいて、先進医療の現実を理解していきましょう。
1. 多焦点眼内レンズを用いた白内障手術
最も実施件数が多い先進医療で、年間約2万件以上実施されています。白内障手術の際に、遠近両用の多焦点眼内レンズを使用する技術です。片眼あたり30万円から60万円程度、両眼で60万円から120万円が相場です。
通常の単焦点レンズを使った白内障手術は保険適用ですが、多焦点レンズは先進医療扱いとなり、技術料が全額自己負担となります。
2. 陽子線治療(がん治療)
がん細胞にピンポイントで放射線を照射する治療法で、周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えられます。年間約2,000件程度実施されており、前立腺がん、肺がん、肝臓がんなどが対象です。
治療費は約280万円から300万円で、全額自己負担となります。先進医療特約があれば、この費用をカバーできます。
3. 重粒子線治療(がん治療)
陽子線よりもさらに強力な粒子線を使った治療法で、年間約1,500件程度実施されています。骨軟部腫瘍、頭頸部がん、前立腺がんなどが主な対象です。
治療費は約300万円から320万円で、陽子線治療と同様に高額です。実施できる医療機関が限られているため、居住地によっては受けられない可能性もあります。
4. 前眼部三次元画像解析
眼科領域の診断技術で、年間数千件実施されています。費用は数万円程度と比較的低額で、貯蓄で対応できる範囲です。
このように、先進医療の中には比較的低額な技術も多く含まれており、必ずしも数百万円の保障が必要とは限りません。
5. 先進医療の費用相場と自己負担額
先進医療全体の平均費用は約140万円程度ですが、技術によって大きく異なります。数万円で済むものから300万円を超えるものまで幅広く、実施件数が多い白内障手術は比較的低額です。
高額な重粒子線治療や陽子線治療を受ける確率は非常に低いため、平均的な家計では貯蓄で対応できる可能性もあります。
| 先進医療技術 | 年間実施件数 | 費用目安 |
|---|---|---|
| 多焦点眼内レンズ | 約20,000件 | 30万円~120万円 |
| 陽子線治療 | 約2,000件 | 約280万円 |
| 重粒子線治療 | 約1,500件 | 約300万円 |
先進医療特約の保険料と給付実績から見る費用対効果
先進医療特約の必要性を判断するには、保険料と給付金のバランス、そして実際の給付実績を知ることが重要です。ここでは、長期的な視点で費用対効果を検証していきます。
保険料総額と給付を受ける確率から、合理的な判断をするための情報を提供します。
FPからのアドバイス
先進医療特約は月額100円から200円と安価なため、迷ったら付けておくという選択も一つの方法です。ただし、不要な保障を長期間持ち続けることにもなります。
30年間加入した場合の保険料総額
月額150円の先進医療特約に30歳から60歳まで30年間加入した場合、保険料総額は54,000円となります。この間に先進医療を受ける確率は約0.6%(0.02%×30年)程度です。
99.4%の確率で給付を受けないことを考えると、この54,000円を貯蓄に回した方が合理的という意見もあります。
給付金を受け取れる確率と期待値
先進医療を受ける確率を年間0.02%、平均給付金額を140万円とすると、年間の期待値は280円(140万円×0.0002)となります。月額150円の保険料(年間1,800円)と比較すると、期待値の方が低くなります。
これは保険会社が利益を得る構造であり、経済合理性だけで判断すると特約は不要という結論になります。
特約なしで先進医療を受けた場合の負担
もし特約に加入せず、実際に重粒子線治療(300万円)が必要になった場合、全額自己負担となります。30年間の保険料総額54,000円を考えると、1回でも先進医療を受ければ大きく元が取れる計算です。
ただし、この「1回」を経験する確率が極めて低いという点が、特約不要論の核心です。
先進医療特約を見直すべきタイミング
すでに先進医療特約に加入している方も、定期的に必要性を見直すことが重要です。年齢、貯蓄額、健康状態などの変化によって、特約の優先度は変わっていきます。
ここでは、先進医療特約を見直すべきタイミングと判断基準について解説します。
1. 貯蓄が十分に貯まったタイミング
貯蓄が500万円以上貯まった段階では、先進医療の技術料を自己負担できる経済力があると言えます。このタイミングで特約を外し、保険料を削減することも選択肢です。
ただし、月額100円から200円程度の保険料であれば、心理的安心感のために継続するという判断もあります。
2. 高齢になり先進医療の対象外になった時
先進医療の中には、年齢制限がある技術もあります。高齢になると、実施できる先進医療の種類が限られてくるため、特約の必要性が下がる可能性があります。
60歳以降は、先進医療特約よりも医療保険本体の入院給付金や三大疾病保険などの保障を充実させる方が合理的です。
3. 保険料が値上がりしたタイミング
保険会社によっては、更新時に先進医療特約の保険料が値上がりするケースがあります。月額100円から200円程度であれば許容範囲ですが、500円以上になる場合は費用対効果を再検討する価値があります。
他社の医療保険に乗り換えることで、より安い保険料で同等の保障を得られる可能性もあります。
4. 先進医療の内容が大きく変わった時
先進医療に指定されている技術は定期的に見直されます。有効性が認められた技術は保険適用となり、先進医療から外れます。加入時に想定していた技術が保険適用になった場合、特約の価値が下がります。
厚生労働省のウェブサイトで最新の先進医療リストを確認し、現在の技術内容と自分のニーズが合っているかを定期的にチェックしましょう。
5. 他の保障を充実させたい時
限られた保険料予算の中で、先進医療特約よりも優先すべき保障があるかを考えることも重要です。例えば、がん保険の診断一時金を増額したり、就業不能保険に加入したりする方が、家計防衛に有効な場合もあります。
保障の優先順位を見直し、本当に必要な保障にお金をかける選択をしましょう。
先進医療保険に関するよくある質問
Q1. 先進医療特約は本当に不要ですか?
A. 一概には言えません。先進医療を受ける確率は年間0.02%と低く、多くの人は使う機会がありません。しかし、保険料が月額100円から200円と安価なため、心理的安心感を重視するなら付けておくという選択も合理的です。貯蓄額や価値観によって判断が分かれます。
Q2. 先進医療の中で最も受ける可能性が高い治療は何ですか?
A. 多焦点眼内レンズを用いた白内障手術です。年間約2万件以上実施されており、50代以降で罹患率が高まります。費用は片眼30万円から60万円程度で、比較的貯蓄で対応できる範囲です。高額な重粒子線治療や陽子線治療を受ける確率はさらに低くなります。
Q3. 先進医療特約の保険料はいくらですか?
A. 一般的に月額100円から200円程度です。年間で1,200円から2,400円、30年間で36,000円から72,000円の負担となります。保険料は安価ですが、給付を受ける確率が極めて低いため、費用対効果については慎重に検討する必要があります。
Q4. がん保険にも先進医療特約は必要ですか?
A. がん保険の先進医療特約は、がんに関連する先進医療(重粒子線治療など)をカバーします。がんの家族歴がある方や、最新のがん治療を受けたいと考える方には価値があります。ただし、医療保険の先進医療特約と重複する場合もあるため、保障内容を確認しましょう。
Q5. 先進医療特約を外すタイミングはいつが良いですか?
A. 貯蓄が500万円以上貯まったタイミング、保険料が大幅に値上がりしたタイミング、または60歳以降で先進医療を受ける可能性が低くなったタイミングが見直しのチャンスです。ただし、月額100円から200円程度であれば、継続しても家計への影響は小さいため、心理的安心感を重視して継続する選択もあります。
FPに聞く!先進医療保険の必要性に関するリアルな疑問
先進医療特約が本当に必要かどうか迷っている方が、実際にFPに質問した内容をまとめました。

30代男性
先進医療特約は本当に必要ですか?
スマホdeほけん
必要性は個人の価値観によります。利用確率は年間0.02%と低いですが、保険料も月額100円から200円と安価です。心理的安心感を重視するなら付けておく選択も合理的です。

30代男性
保険料がもったいないと感じてしまいます。
スマホdeほけん
その感覚は正しいです。統計的には99.98%の人が使わないため、保険会社が利益を得る構造です。ただし、万が一重粒子線治療が必要になった場合、300万円の自己負担を避けられるという価値もあります。

30代男性
貯蓄がいくらあれば特約は不要ですか?
スマホdeほけん
目安として300万円から500万円の貯蓄があれば、先進医療の技術料を自己負担できる範囲です。貯蓄が十分にある場合は、特約を外して保険料を削減する選択もあります。

30代男性
がんの家族歴があるのですが、特約は必要ですか?
スマホdeほけん
がんの家族歴がある場合、重粒子線治療や陽子線治療を受ける可能性が相対的に高くなります。がん保険に先進医療特約を付けておく価値はあると言えます。

30代男性
医療保険とがん保険、どちらに先進医療特約を付けるべきですか?
スマホdeほけん
医療保険の先進医療特約は幅広い疾患をカバーし、がん保険の特約はがんに特化しています。予算に余裕があれば両方、節約したい場合は医療保険に付ける方が汎用性が高いです。

30代男性
白内障の手術で先進医療を使う予定ですが、今から加入しても間に合いますか?
スマホdeほけん
加入後すぐに給付を受けられる商品もありますが、一部の保険には待機期間がある場合もあります。できるだけ早めに加入することをおすすめします。ただし、白内障手術の費用は片眼30万円から60万円程度なので、貯蓄で対応することも検討してください。

30代男性
先進医療の内容は変わると聞きましたが、特約は無駄になりませんか?
スマホdeほけん
先進医療リストは定期的に見直されます。有効性が認められた技術は保険適用になり、先進医療から外れます。加入時に想定していた技術が将来保険適用になる可能性はありますが、それは医療の進歩として歓迎すべきことです。
まとめ:先進医療保険の必要性は確率と価値観で判断
先進医療保険が不要と言われる理由には、利用確率の低さ(年間0.02%)、実施件数の多い技術が比較的低額、保険料総額と給付金の損益バランスなど、データに基づいた説得力のある根拠があります。統計的には、ほとんどの人が保険料を払い続けても使う機会がないというのが現実です。
一方で、保険料が月額100円から200円と安価なため、心理的安心感や「もしも」への備えとして特約を持つことも合理的な選択です。がんの家族歴がある方、最新の治療を受けたいと考える方、貯蓄が少ない方にとっては、先進医療特約が重要な選択肢となります。大切なのは、確率論だけでなく、自分の価値観や家計状況を考慮して判断することです。医療保険全体の保障内容とのバランスを見ながら、本当に必要な保障を選ぶことで、無駄のない保険設計が可能になります。
監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルプランナーとして多くの相談を受けてきた経験から言えるのは、先進医療特約の必要性は個人の価値観によって大きく異なるということです。統計的には利用確率が極めて低く、経済合理性だけで判断すれば不要という結論になります。しかし、保険の本質は「低確率だが高額な損失」に備えることであり、その意味では先進医療特約は保険の原則に忠実な商品とも言えます。
重要なのは、保険料が月額100円から200円と安価な点です。この程度の負担であれば、心理的安心感を得るために加入しておくという選択も十分に合理的です。一方で、貯蓄が十分にある方や、確率論を重視する方にとっては、不要な保障に長期間お金を払い続けることになります。迷った場合は、まず基本的な医療保険の保障(入院給付金、手術給付金)を優先し、予算に余裕があれば先進医療特約を追加するという順序で検討することをおすすめします。定期的に見直しを行い、自分のライフステージに合った保障を持つことが大切です。