スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
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生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
病気やケガで仕事を休んだ時に頼りになる傷病手当金ですが、実はすべての人が受け取れるわけではありません。全国健康保険協会のデータによると、申請件数の約15%が不支給となっており、知らずに申請して受け取れないケースが後を絶ちません。給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される重要な制度だからこそ、受給条件を正確に理解することが不可欠です。
この記事では、傷病手当金がもらえないケースを具体的に解説し、申請前に確認すべきポイントから、受給できなかった場合の代替手段まで、プロの視点で徹底ガイドします。働けなくなった時の収入保障として、就業不能保険との併用も視野に入れながら、確実に受給するための知識を身につけましょう。
この記事を読んでわかること
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傷病手当金がもらえない10の具体的なケースと受給条件の詳細
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申請時に不支給となる典型的な失敗パターンと回避方法
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傷病手当金を受け取れない場合の代替手段と家計を守る実践策
傷病手当金がもらえない10の具体的なケース
傷病手当金は便利な制度ですが、受給には厳格な条件があります。条件を満たさなければ、どれだけ困窮していても支給されません。
ここでは、傷病手当金がもらえない代表的な10のケースを詳しく解説します。事前に受給条件を正確に把握することで、不支給のリスクを回避できます。
傷病手当金がもらえないケース
1. 自営業者やフリーランスの人
傷病手当金は健康保険制度の給付であり、会社員や公務員など被用者保険に加入している人が対象です。自営業者やフリーランスは国民健康保険に加入しているため、傷病手当金の対象外となります。
厚生労働省の統計では、自営業者は約700万人おり、この層は傷病手当金を一切受け取れません。収入が途絶えるリスクが高いため、就業不能保険などの民間保険でカバーする必要があります。
2. 国民健康保険に加入している人
国民健康保険には傷病手当金の制度が基本的に存在しません。会社を退職して国民健康保険に切り替えた人も、新たに発症した病気については傷病手当金を受け取れません。
ただし、新型コロナウイルス感染症の特例として、一部の市区町村で国民健康保険加入者にも傷病手当金が支給されたケースがあります。通常は対象外であることを理解し、退職前に制度を活用することが重要です。
3. 仕事を休んでも給与が全額支給される人
傷病手当金は「報酬が支払われないこと」が受給条件の一つです。病気で休んでも会社から給与が全額支給される場合、傷病手当金は支給されません。
給与が一部支給される場合は、傷病手当金との差額が支給されます。例えば、給与が50%支給されるなら、傷病手当金は約17%分が支給される計算です。給与支給状況を正確に把握することが、受給判断の鍵となります。
給与支給と傷病手当金の関係
給与が傷病手当金の額を下回る場合は、差額分が支給されます。給与が上回る場合は、傷病手当金は不支給となります。
4. 業務上の病気やケガの場合
業務中や通勤中の病気・ケガは労災保険の対象となり、傷病手当金は支給されません。労災保険からは休業補償給付が支給され、給与の約80%が保障されます。
業務外のケガで休んでいるのに、業務起因性があると判断されると、傷病手当金が不支給となる恐れがあります。業務上か業務外かの区別を明確にし、適切な制度を利用することが重要です。
5. 待機期間3日間を満たしていない
傷病手当金の支給には、連続して3日間仕事を休む「待機期間」が必要です。この3日間は有給休暇や土日祝日も含まれますが、連続している必要があります。
例えば、2日休んで1日出勤し、また休むというパターンでは待機期間が成立しません。待機期間を正しく理解せずに申請すると、不支給となるケースが頻発します。連続3日間の休業を確実に記録しましょう。
6. 医師の証明が得られない場合
傷病手当金の申請には、医師による「労務不能」の証明が必須です。医師が労務可能と判断した場合、傷病手当金は支給されません。
また、診察を受けずに自己判断で休んだ場合も、医師の証明が得られず不支給となります。必ず医療機関を受診し、医師の診断書や意見書を取得することが受給の前提条件です。
7. 美容整形など保険適用外の治療
美容整形や歯列矯正など、健康保険の適用外となる治療のための休業は、傷病手当金の対象外です。保険診療に該当しない治療は、労務不能と認められません。
ただし、事故による顔面の修復手術など、保険適用となる治療であれば対象となります。治療が保険適用かどうかを事前に確認し、適用外なら傷病手当金は期待できないと理解しましょう。
8. 退職後に新たに発症した病気
退職後も傷病手当金を継続受給できますが、それは在職中に発症し、受給を開始していた場合に限られます。退職後に新たに発症した病気については、傷病手当金は支給されません。
退職日の翌日に労務不能であることが条件であり、退職日に出勤してしまうと、退職後の継続受給ができなくなるため注意が必要です。退職を予定している場合は、事前に制度を理解しておきましょう。
9. 通算1年6ヶ月の支給期間を超過
傷病手当金の支給期間は、支給開始日から通算して1年6ヶ月が上限です。途中で復職しても、その期間は通算されます。
2022年1月の法改正により、「暦日で1年6ヶ月」から「通算1年6ヶ月」に変更されました。支給期間を超過すると、どれだけ労務不能でも一切支給されません。長期療養が必要な場合は、支給期間を意識した計画が必要です。
10. 出勤や軽作業をした日がある
傷病手当金は「労務不能」が条件であり、出勤した日や在宅で軽作業をした日は支給されません。たとえ数時間の勤務でも、その日は労務可能と判断されます。
リモートワークで簡単な業務をこなした場合も、労務可能とみなされる恐れがあります。完全に休業している日のみが支給対象であることを理解し、中途半端な出勤は避けましょう。
傷病手当金の受給条件を完全理解する
傷病手当金を確実に受け取るには、受給条件を正確に理解することが不可欠です。4つの基本条件をすべて満たさなければ、一円も支給されません。
ここでは、傷病手当金の受給条件を詳しく解説し、不支給を防ぐための実践的な知識を提供します。
1. 業務外の病気やケガで療養中であること
業務外の病気やケガが対象であり、業務上や通勤中の災害は労災保険の対象となります。業務外かどうかの判断は、勤務状況や発症経緯から総合的に判断されます。
療養中であることの証明として、医療機関での受診記録や診断書が必要です。自己判断での休業は認められず、必ず医師の診断を受けることが条件です。
2. 労務不能であること
労務不能とは、本来の仕事ができない状態を指します。医師が「労務不能」と判断し、意見書に記載することが必須です。
軽い症状でも医師が労務不能と判断すれば支給され、重症でも医師が労務可能と判断すれば不支給となります。医師の判断が絶対的な基準となるため、診察時に労務状況を正確に伝えましょう。
3. 連続3日間の待機期間を満たすこと
傷病手当金の支給開始には、連続して3日間仕事を休む待機期間が必要です。この3日間には有給休暇、土日祝日、公休日も含まれますが、連続している必要があります。
4日目以降の休業日から傷病手当金が支給されます。待機期間の計算ミスが不支給の原因となるケースが多いため、休業開始日を正確に記録しましょう。
待機期間の計算例
金曜日に休業開始した場合、金土日の3日間が待機期間となり、月曜日から傷病手当金が支給されます。
4. 給与が支払われていないこと
休業中に給与が支払われないことが条件です。給与が一部支給される場合は、傷病手当金との差額が支給されます。
有給休暇を使用した日は給与が支払われるため、傷病手当金は支給されません。給与支給の有無を正確に把握し、申請書に正しく記載することが重要です。勤務先の給与担当者と連携しましょう。
5. 健康保険の被保険者であること
傷病手当金は健康保険制度の給付であり、被用者保険に加入していることが前提です。会社員や公務員が対象で、国民健康保険加入者は対象外です。
被保険者期間が1年以上あれば、退職後も継続受給が可能です。健康保険の加入状況を確認し、対象かどうかを事前に把握することが受給の第一歩です。
申請時によくある失敗パターンと回避方法
傷病手当金の申請では、書類の不備や手続きミスによって不支給となるケースが頻発しています。事前に典型的な失敗パターンを知ることで、確実な受給が可能になります。
ここでは、申請時によくある失敗パターンを5つ挙げ、不支給を防ぐための実践的な回避方法を解説します。
申請時の失敗パターンと回避方法
1. 申請書の記入漏れや誤記
傷病手当金支給申請書は、被保険者本人、事業主、医師の3者が記入する必要があります。一箇所でも記入漏れや誤記があると、審査が保留されたり不支給となったりします。
特に、休業期間や給与支給状況の記載ミスが多発しています。提出前に全項目を入念にチェックし、勤務先や医療機関と連携して正確に記入しましょう。不明点は健康保険組合に確認することが大切です。
2. 医師の証明が不十分
医師が「労務不能」の期間を正確に記載していない、または労務可能と判断しているケースでは、傷病手当金は支給されません。診察を受けずに申請書を提出しても、証明欄が空欄で不支給となります。
定期的に医療機関を受診し、医師に労務不能の状況を正確に伝えて証明を得ることが不可欠です。証明書の内容を提出前に確認し、不備があれば再発行を依頼しましょう。
3. 待機期間の計算ミス
待機期間を正しく理解せず、連続3日間の休業を満たしていないまま申請するケースが多発しています。中途半端に出勤してしまい、待機期間がリセットされることもあります。
待機期間は有給休暇や公休日も含めて連続3日間です。休業開始日から連続して3日間を確実に確保し、記録を残すことで、計算ミスを防げます。不安な場合は健康保険組合に相談しましょう。
4. 給与支給状況の記載誤り
休業中に一部給与が支払われているのに「給与なし」と記載したり、有給休暇の使用を申告しなかったりすると、不正受給と見なされて不支給や返還請求の対象となります。
給与支給の有無は事業主が記入しますが、本人も正確に把握しておく必要があります。勤務先の給与明細を確認し、支給状況を正確に申請書に反映させることが重要です。
給与支給の確認方法
給与明細や勤怠記録を確認し、有給休暇の使用や一部給与の支給があれば、必ず申請書に正確に記載しましょう。
5. 申請期限の超過
傷病手当金の申請には時効があり、支給対象となる日から2年以内に申請しなければ、受給権が消滅します。長期療養で申請を後回しにすると、古い期間分が時効で受け取れなくなります。
申請は月単位で行うのが一般的ですが、休業が長期化する場合は定期的に申請し、時効を防ぐことが重要です。申請漏れがないよう、カレンダーやリマインダーを活用しましょう。
傷病手当金を受け取れない場合の代替手段
傷病手当金がもらえないケースに該当した場合でも、他の方法で収入減少リスクに備えることができます。公的制度や民間保険、貯蓄など、複数の手段を組み合わせることが重要です。
ここでは、傷病手当金を受け取れない場合の代替手段を5つ紹介し、家計を守るための実践的な対策を提供します。
1. 就業不能保険に加入する
傷病手当金がもらえない自営業者やフリーランス、国民健康保険加入者は、就業不能保険で収入減少リスクをカバーできます。就業不能保険は、病気やケガで働けなくなった時に毎月一定額が支給される民間保険です。
保険料は年齢や保障額によって異なりますが、月数千円から加入可能です。公的保障が薄い自営業者にとって、就業不能保険は必須の備えとなります。早めの加入が保険料を抑えるポイントです。
2. 労災保険を活用する
業務上の病気やケガであれば、労災保険から休業補償給付が支給されます。給与の約80%が保障され、傷病手当金よりも手厚い内容です。
通勤中の事故も労災の対象となります。業務起因性が疑われる場合は、労災申請を優先し、適切な給付を受けましょう。会社が協力しない場合は、労働基準監督署に直接相談できます。
3. 障害年金を申請する
病気やケガが重度で長期的に働けない場合、障害年金の受給資格がある可能性があります。障害年金は、初診日から1年6ヶ月経過した「障害認定日」に一定の障害状態にあれば支給されます。
国民年金加入者は障害基礎年金、厚生年金加入者は障害厚生年金が対象です。重度の障害が残る場合は、障害年金の申請を検討し、長期的な収入保障を確保しましょう。
4. 生活福祉資金貸付制度を利用する
低所得世帯や高齢者世帯、障害者世帯が対象の公的貸付制度です。病気やケガで生活が困窮した場合、緊急小口資金や総合支援資金を借りることができます。
無利子または低利子で借りられ、返済計画も柔軟に対応されます。傷病手当金を受け取れず生活が困窮した場合の緊急手段として、市区町村の社会福祉協議会に相談しましょう。
生活福祉資金貸付制度
緊急小口資金は最大10万円、総合支援資金は最大60万円まで借りられます。返済期限や条件は自治体によって異なります。
5. 緊急予備資金を確保する
傷病手当金がもらえない場合に備えて、生活費の6ヶ月分以上の緊急予備資金を貯蓄しておくことが理想です。病気やケガで働けなくなっても、貯蓄があれば当面の生活を維持できます。
自営業者やフリーランスは、公的保障が薄いため、より多くの緊急予備資金が必要です。計画的に貯蓄を積み立て、収入減少リスクに備えることが、家計の安定につながります。
| 代替手段 | 対象者 | 特徴 |
|---|---|---|
| 就業不能保険 | 自営業者、会社員 | 民間保険で収入減少をカバー |
| 労災保険 | 業務上の災害被災者 | 給与の約80%を保障 |
| 障害年金 | 重度の障害がある人 | 長期的な収入保障 |
| 生活福祉資金貸付 | 低所得世帯 | 無利子または低利子で借入 |
| 緊急予備資金 | 全員 | 貯蓄で生活費を維持 |
退職後も傷病手当金を受け取る条件と注意点
退職後も傷病手当金を継続受給できる制度がありますが、条件を満たさなければ一切支給されません。退職を予定している人は、事前に制度を理解し、確実に受給できるよう準備することが重要です。
ここでは、退職後も傷病手当金を受け取るための条件と、不支給を防ぐための注意点を詳しく解説します。
退職後も傷病手当金を受け取るには、次の条件をすべて満たす必要があります。第一に、被保険者期間が継続して1年以上あることです。短期間の勤務では、退職後の継続受給はできません。
第二に、退職日の前日までに傷病手当金の受給を開始していることです。在職中に待機期間を満たし、支給開始されていることが条件です。退職後に新たに発症した病気は対象外となります。
第三に、退職日当日に労務不能であることです。退職日に出勤してしまうと、継続受給の権利を失うため、絶対に出勤しないよう注意しましょう。退職の挨拶や引継ぎは、退職日前に済ませることが重要です。
退職後は健康保険の任意継続または国民健康保険に加入する必要があります。任意継続でも国民健康保険でも、継続受給は可能です。ただし、再就職して新たに健康保険に加入すると、傷病手当金は打ち切られます。
傷病手当金の申請手順と必要書類
傷病手当金を確実に受け取るには、正しい申請手順と必要書類を理解することが不可欠です。書類の不備や手順の誤りが、不支給の原因となります。
ここでは、傷病手当金の申請手順を段階的に解説し、スムーズな受給を実現するための実践知識を提供します。申請は複雑に見えますが、手順を踏めば確実に受給できます。
まず、病気やケガで仕事を休んだら、速やかに医療機関を受診し、診断を受けます。医師に労務不能の状況を正確に伝え、診断書や意見書を依頼しましょう。
次に、連続3日間の待機期間を満たします。有給休暇や公休日も含めて、連続して3日間休業することが条件です。待機期間の計算を正確に行い、記録を残すことが重要です。
4日目以降の休業日から、傷病手当金の支給対象となります。勤務先から傷病手当金支給申請書を入手し、本人記入欄に必要事項を記入します。休業期間や給与支給状況を正確に記載しましょう。
申請書を勤務先に提出し、事業主記入欄に必要事項を記入してもらいます。給与支給の有無や勤怠状況が記載されます。勤務先との連携がスムーズな受給の鍵です。
医療機関に申請書を持参し、医師に意見書欄を記入してもらいます。労務不能の期間や病状が記載されます。医師の証明が得られなければ、傷病手当金は支給されません。
すべての記入が完了したら、申請書を健康保険組合または協会けんぽに郵送します。審査には通常2〜3週間かかり、承認されれば指定口座に振り込まれます。不備があれば、補正や追加書類の提出が求められます。
FPに聞く!傷病手当金に関するリアルな疑問
実際に傷病手当金の申請を検討している方が、よくお持ちになる疑問をFPに質問しました。現場のリアルな声から、確実な受給のヒントが見つかります。
30代男性
傷病手当金はいくらもらえるのでしょうか?
スマホdeほけん
支給額は標準報酬月額の約3分の2です。月収30万円なら日額は約6,700円となります。計算式は複雑ですが、給与明細の総支給額から大まかな目安を把握できます。
30代男性
どれくらいの期間、もらえますか?
スマホdeほけん
支給期間は通算1年6ヶ月です。途中で復職しても、その期間は通算に含まれます。2022年の法改正により、暦日ではなく通算で計算されるようになりました。
30代男性
退職後でも傷病手当金は受け取れますか?
スマホdeほけん
条件を満たせば可能です。被保険者期間が1年以上、在職中に受給開始、退職日の翌日も労務不能であることがポイントです。退職日に出勤すると受給権を失うため注意が必要です。
30代男性
自営業ですが、傷病手当金は受け取れますか?
スマホdeほけん
残念ながら、自営業者やフリーランスは国民健康保険に加入しているため、傷病手当金は受け取れません。就業不能保険など民間保険で備える必要があります。
30代男性
申請の注意点は何ですか?
スマホdeほけん
待機期間の計算ミス、医師の証明不足、給与支給状況の記載誤りが不支給の三大原因です。連続3日間の休業を確保し、医師に労務不能を証明してもらい、給与支給の有無を正確に記載しましょう。
30代男性
有給休暇を使った日は、傷病手当金はもらえますか?
スマホdeほけん
有給休暇を使った日は給与が支払われるため、傷病手当金は支給されません。ただし、待機期間には有給休暇も含まれます。待機期間後は、有給を使わず欠勤扱いにする方が傷病手当金を受け取れます。
30代男性
業務上のケガでも傷病手当金はもらえますか?
スマホdeほけん
業務上の災害は労災保険の対象となり、傷病手当金は支給されません。労災保険からは休業補償給付が支給され、給与の約80%が保障されます。業務外かどうかの区別を明確にしましょう。
傷病手当金に関する体験談から学ぶ成功と失敗
実際に傷病手当金を申請した人の体験談から、成功事例と失敗事例を紹介します。リアルな経験から、確実な受給のための教訓を学びましょう。
成功事例:事前準備で確実に受給した38歳会社員Aさん
Aさんはうつ病により3ヶ月間休職しました。休職前に傷病手当金の制度を調べ、待機期間や申請手順を理解していました。連続3日間の休業を確保し、医療機関で労務不能の診断を受け、申請書を正確に記入しました。
勤務先と医療機関との連携もスムーズで、申請から3週間で給付金が振り込まれました。事前準備と正確な申請が、確実な受給を実現した成功例です。Aさんは傷病手当金により生活を維持し、安心して療養できました。
失敗事例:待機期間のミスで不支給となった32歳会社員Bさん
Bさんは急性胃腸炎で2日間休んだ後、症状が軽くなったため1日出勤し、再び2日間休みました。待機期間が連続3日間を満たしていなかったため、傷病手当金は不支給となりました。
Bさんは制度を理解しておらず、中途半端に出勤したことで待機期間がリセットされました。待機期間の正確な理解が欠けていたことが不支給の原因です。その後、Bさんは制度を学び、次回の休業時に備えています。
失敗事例:退職日に出勤して継続受給を失った45歳会社員Cさん
Cさんはがん治療のため休職し、傷病手当金を受給していました。退職を予定していましたが、退職日に挨拶のため出勤してしまいました。その結果、退職後の継続受給の権利を失いました。
退職日に労務不能であることが継続受給の条件であり、出勤したことで条件を満たさなくなった典型的な失敗例です。Cさんは大きな経済的打撃を受け、後悔しています。退職を予定している人は、絶対に退職日に出勤しないよう注意しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. 自営業でも傷病手当金はもらえますか?
A. 自営業者やフリーランスは国民健康保険に加入しているため、傷病手当金は原則として受け取れません。公的保障が薄いため、就業不能保険など民間保険で備えることが重要です。一部の市区町村では特例措置がある場合もあるため、確認しましょう。
Q2. 有給休暇を使った日でも傷病手当金はもらえますか?
A. 有給休暇を使った日は給与が支払われるため、傷病手当金は支給されません。ただし、待機期間には有給休暇も含まれます。待機期間後は、有給を使わず欠勤扱いにする方が傷病手当金を受け取れます。給与との併給はできないことを理解しましょう。
Q3. 退職後も傷病手当金は受け取れますか?
A. 条件を満たせば可能です。被保険者期間が1年以上、在職中に受給開始、退職日の翌日も労務不能であることが条件です。退職日に出勤すると受給権を失うため、絶対に出勤しないよう注意が必要です。退職の挨拶は前日までに済ませましょう。
Q4. 業務上のケガでも傷病手当金はもらえますか?
A. 業務上の災害は労災保険の対象となり、傷病手当金は支給されません。労災保険からは休業補償給付が支給され、給与の約80%が保障されます。業務外かどうかの区別を明確にし、適切な制度を利用することが重要です。
Q5. 傷病手当金の申請期限はいつまでですか?
A. 傷病手当金の申請には時効があり、支給対象となる日から2年以内に申請する必要があります。長期療養で申請を後回しにすると、古い期間分が時効で受け取れなくなるため、定期的に申請することが重要です。申請漏れがないよう、計画的に手続きしましょう。
まとめ
傷病手当金は病気やケガで働けなくなった時の重要な収入保障制度ですが、すべての人が受け取れるわけではありません。自営業者や国民健康保険加入者は対象外であり、会社員でも待機期間や給与支給状況、医師の証明など、複数の条件を満たさなければ不支給となります。受給条件を正確に理解し、申請手順を守ることが確実な受給の鍵です。
傷病手当金を受け取れない場合でも、就業不能保険や労災保険、障害年金、緊急予備資金など、複数の代替手段があります。特に自営業者やフリーランスは、公的保障が薄いため、就業不能保険への加入が不可欠です。家計を守るためには、複数の保障手段を組み合わせ、リスクに備える総合的な戦略が重要です。専門家に相談し、自分に合った保障設計を実現しましょう。
監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
傷病手当金は多くの会社員にとって重要なセーフティネットですが、制度の複雑さから不支給となるケースが後を絶ちません。特に、待機期間の計算ミスや医師の証明不足、給与支給状況の記載誤りが典型的な失敗パターンです。事前に制度を正確に理解し、勤務先や医療機関と連携して申請書を正確に記入することが、確実な受給の前提条件となります。
また、傷病手当金がもらえない自営業者やフリーランスは、民間の就業不能保険で備えることが不可欠です。公的保障と民間保険を組み合わせ、働けなくなった時のリスクを総合的にカバーする視点が重要です。ライフステージや職業に応じて、最適な保障設計を行い、家計の安定と安心を確保しましょう。迷った場合は、ファイナンシャルプランナーなど専門家への相談をおすすめします。