スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
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AFP・2級FP技能士
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生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
自営業として働く中で、「非課税世帯」という言葉を耳にしたことはありませんか。
非課税世帯とは、住民税が課税されない世帯のことで、収入が一定以下の場合に認定されます。自営業者の場合、経費計上により所得を抑えることで非課税世帯となるケースもありますが、メリットだけでなくデメリットも存在します。この記事では、非課税世帯の基準、メリット・デメリット、保険との関係について、FP監修のもと詳しく解説します。
非課税世帯とは?自営業における基本的な仕組み
非課税世帯とは、世帯全員の住民税が非課税となる世帯のことを指します。
住民税は所得に応じて課税されるため、所得が一定以下の場合に非課税となります。自営業の場合、収入から経費を差し引いた「所得」が基準となるため、経費計上により所得を抑えることが可能です。
1. 非課税世帯の定義と条件
非課税世帯とは、世帯全員の住民税が非課税となる世帯のことです。
住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、前年の所得が一定以下であれば非課税となります。
2. 自営業者の所得計算方法
自営業者の所得は、「収入−経費」で計算されます。
経費には、仕入れ費用、交通費、通信費、家賃の一部などが含まれ、適正な経費計上により所得を抑えることが可能です。
3. 住民税非課税の基準額
住民税非課税の基準額は、自治体により異なりますが、単身世帯で所得45万円以下、扶養家族がいる場合はさらに高くなります。
例えば、扶養家族が1人いる場合、所得101万円以下で非課税となります。
4. 世帯全員が非課税の条件
非課税世帯となるには、世帯全員の所得が非課税基準以下である必要があります。
配偶者や子どもが働いている場合、その所得も考慮されます。
5. 非課税世帯の判定時期
非課税世帯の判定は、毎年6月に前年の所得に基づいて行われます。
確定申告の内容が反映されるため、経費計上の正確性が重要です。
非課税世帯のポイント
非課税世帯は住民税が免除され、公的支援を受けやすくなります。ただし、所得が低いことで融資や保険加入に影響が出る場合もあるため、総合的な判断が必要です。
自営業者が非課税世帯になる年収の目安
自営業者が非課税世帯となる年収の目安は、経費計上額によって大きく変わります。
ここでは、家族構成別の年収目安と所得計算を詳しく解説します。
1. 単身世帯の年収目安
単身世帯の場合、所得45万円以下で住民税が非課税となります。
経費率を50%と仮定すると、年収90万円以下で非課税となります。
2. 夫婦世帯の年収目安
夫婦世帯(配偶者が専業主婦・主夫)の場合、所得101万円以下で非課税となります。
経費率を50%と仮定すると、年収202万円以下で非課税となります。
3. 子ども1人の世帯の年収目安
夫婦+子ども1人の世帯の場合、所得136万円以下で非課税となります。
経費率を50%と仮定すると、年収272万円以下で非課税となります。
4. 子ども2人の世帯の年収目安
夫婦+子ども2人の世帯の場合、所得171万円以下で非課税となります。
経費率を50%と仮定すると、年収342万円以下で非課税となります。
5. 経費率と所得の関係
経費率が高いほど、同じ年収でも所得を抑えられます。
ただし、経費計上は税務署の調査対象となるため、適正な範囲での計上が求められます。
| 世帯構成 | 所得基準 | 年収目安(経費率50%) |
|---|---|---|
| 単身世帯 | 45万円以下 | 90万円以下 |
| 夫婦世帯 | 101万円以下 | 202万円以下 |
| 夫婦+子ども1人 | 136万円以下 | 272万円以下 |
| 夫婦+子ども2人 | 171万円以下 | 342万円以下 |
非課税世帯のメリット:受けられる公的支援
非課税世帯には、住民税の免除だけでなく、さまざまな公的支援が受けられます。
ここでは、非課税世帯が受けられる主な支援制度を解説します。
1. 住民税の免除
非課税世帯は、住民税(所得割・均等割)が全額免除されます。
年間数千円から数万円の負担が軽減され、家計への影響が大きいメリットです。
2. 国民健康保険料の減免
非課税世帯は、国民健康保険料が最大7割減免されます。
自営業者にとって大きな負担となる健康保険料が軽減され、家計の圧迫を防ぐことができます。
3. 国民年金保険料の免除・猶予
非課税世帯は、国民年金保険料の全額免除または一部免除が受けられます。
ただし、免除期間は将来の年金受給額が減少するため、老後資金の形成には注意が必要です。
4. 高額療養費制度の自己負担軽減
非課税世帯は、高額療養費制度の自己負担上限額が通常よりも低く設定されます。
例えば、70歳未満の場合、月額35,400円が上限となり、医療費負担が大幅に軽減されます。
5. 子育て支援・教育費の給付
非課税世帯は、保育料の減免や高等教育の修学支援制度(授業料減免・給付型奨学金)が受けられます。
子育て世帯にとって、教育費の負担を大幅に軽減できるメリットがあります。
非課税世帯のメリット
住民税の免除や国民健康保険料の減免、国民年金保険料の免除など、さまざまな公的支援が受けられます。医療費や教育費の負担も軽減されるため、家計への影響は大きいです。
非課税世帯のデメリット:注意すべきリスク
非課税世帯にはメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここでは、非課税世帯が抱えるリスクと注意点を解説します。
1. 将来の年金受給額が減少
国民年金保険料の免除を受けると、将来の年金受給額が減少します。
全額免除の場合、受給額は通常の半額程度となるため、老後資金の確保が課題となります。
2. 融資審査が通りにくい
非課税世帯は所得が低いため、住宅ローンや事業融資の審査が通りにくくなります。
銀行は返済能力を重視するため、融資を受けられないリスクがあります。
3. 保険加入が制限される
生命保険や医療保険の加入時、所得が低いと加入が制限されることがあります。
特に高額な保障を希望する場合、審査が厳しくなる可能性があります。
4. 所得証明が不利になる
賃貸契約やクレジットカードの審査で、所得証明が求められる場合、非課税世帯は不利になります。
保証人や保証会社の利用が必要になることが多く、契約が難しくなるケースもあります。
5. 老後資金の形成が困難
非課税世帯は所得が低いため、貯蓄や資産形成が困難になります。
老後資金を確保するには、終身保険や就業不能保険などの民間保険を活用し、計画的な資産形成が必要です。
非課税世帯と民間保険の活用
非課税世帯は公的支援を受けられる一方で、老後資金やリスク管理には民間保険の活用が有効です。
ここでは、非課税世帯が検討すべき保険を解説します。
1. 医療保険で医療費リスクをカバー
高額療養費制度で自己負担は軽減されますが、差額ベッド代や先進医療費はカバーされません。
医療保険に加入することで、入院時の経済的負担を軽減できます。
2. 就業不能保険で収入減少に備える
自営業者は病気やケガで働けなくなると、収入がゼロになるリスクがあります。
就業不能保険に加入することで、収入減少リスクをカバーできます。
3. 終身保険で老後資金を形成
国民年金の免除により将来の年金受給額が減少するため、終身保険で老後資金を形成することが重要です。
貯蓄性と保障を両立でき、老後の生活を支える手段となります。
4. 引受緩和型保険の活用
持病がある方や健康に不安がある方は、引受緩和型医療保険を検討しましょう。
告知項目が少なく、加入しやすい設計になっています。
5. 保険料と家計のバランス
非課税世帯は所得が低いため、保険料の負担も考慮する必要があります。
最低限の保障を優先し、家計とのバランスを保ちましょう。
ケーススタディ:非課税世帯の実例
ここでは、実際に非課税世帯として生活している自営業者の事例を紹介します。
ケースA:単身世帯・フリーランスデザイナー
35歳のAさんは、フリーランスデザイナーとして年収150万円を得ています。経費率60%で所得は60万円となり、住民税は課税されます。
Aさんは医療保険と就業不能保険に加入し、リスク管理を強化しています。
ケースB:夫婦+子ども1人・個人事業主
42歳のBさんは、個人事業主として年収250万円を得ています。経費率50%で所得は125万円となり、住民税が課税されます。
Bさんは非課税世帯を目指し、経費計上を見直しましたが、税務調査のリスクを考慮し、適正な範囲での計上にとどめました。
ケースC:夫婦+子ども2人・飲食店経営
48歳のCさんは、飲食店を経営し、年収300万円を得ています。経費率60%で所得は120万円となり、住民税が課税されます。
Cさんは終身保険に加入し、老後資金の形成を進めています。
FPに聞く!非課税世帯のリアルな疑問
実際に非課税世帯を検討している方や、その家族が気になるポイントをFPに質問しました。

30代男性
自営業者が非課税世帯になる年収の目安は?
スマホdeほけん
単身世帯で所得45万円以下、夫婦世帯で所得101万円以下が目安です。経費率を50%と仮定すると、単身で年収90万円以下、夫婦で年収202万円以下が目安となります。

30代男性
非課税世帯のメリットは?
スマホdeほけん
住民税の免除、国民健康保険料の減免、国民年金保険料の免除、高額療養費制度の自己負担軽減、子育て支援などが受けられます。家計への負担が大幅に軽減されます。

30代男性
非課税世帯のデメリットは?
スマホdeほけん
将来の年金受給額が減少し、融資審査が通りにくくなります。また、保険加入が制限されることもあるため、老後資金の形成には民間保険の活用が重要です。

30代男性
非課税世帯でも保険に加入できますか?

30代男性
経費計上で所得を抑える際の注意点は?
スマホdeほけん
経費計上は税務署の調査対象となるため、適正な範囲での計上が求められます。領収書や記録を保管し、不適切な計上は避けましょう。

30代男性
非課税世帯から抜け出す方法は?
スマホdeほけん
収入を増やすか、経費計上を見直すことで所得を増やせます。ただし、公的支援が受けられなくなるため、総合的な判断が必要です。
まとめ:非課税世帯のメリット・デメリットを理解し総合的に判断
非課税世帯は、住民税の免除や公的支援を受けられるメリットがある一方で、将来の年金受給額の減少や融資審査の難しさなどのデメリットも存在します。
自営業者として非課税世帯を目指す場合、経費計上の適正性と老後資金の形成を総合的に判断することが重要です。医療保険や就業不能保険、終身保険を活用し、家計全体のリスク管理を強化しましょう。
監修者からひとこと
外資系保険会社での営業経験を活かし、現在はお金に関するコラムの執筆を行っています。保険や家計、資産形成など、日々の暮らしに役立つ情報をわかりやすく伝えることを大切にしています。AFPおよび2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持ち、実務経験と専門知識の両面から、信頼性の高い情報提供を心がけています。
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
非課税世帯は公的支援を受けられる反面、将来の年金受給額が減少し、老後資金の形成が困難になるリスクがあります。特に自営業者は厚生年金がないため、国民年金の免除により受給額が大幅に減少します。非課税世帯を目指す場合は、民間保険を活用し、老後資金を計画的に形成することが不可欠です。
また、経費計上により所得を抑える場合、税務調査のリスクも考慮し、適正な範囲での計上を心がけましょう。家計全体のバランスを考え、公的支援と民間保険を組み合わせることで、安心して生活できる環境を整えてください。