サラリーマンのマイクロ法人とは?節税・社会保険料削減の仕組みと設立手順を完全解説

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

保有資格

AFP・2級FP技能士

専門分野・得意分野

生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。

副業や投資収入があるサラリーマンの間で、「マイクロ法人」を活用した節税・社会保険料削減の手法が注目されています。

しかし、マイクロ法人にはメリットだけでなく、運営コストや社会保険の切り替えによるリスクも存在します。本記事では、FP監修のもと、マイクロ法人の仕組み・節税効果・設立手順を詳しく解説し、民間の医療保険や就業不能保険との組み合わせ方も紹介します。

働く人のたより

マイクロ法人とは?基本の仕組みを理解する

マイクロ法人とは、最小限の規模で運営する法人のことで、サラリーマンが副業収入や投資収入を法人化することで節税や社会保険料削減を図る手法です。

ここでは、マイクロ法人の基本的な仕組みを詳しく解説します

1. マイクロ法人の定義

マイクロ法人とは、法的には通常の株式会社や合同会社と同じですが、従業員を雇わず、社長1人で最小限の規模で運営する法人を指します。

売上規模も小さく、年商数百万円〜数千万円程度で運営されることが一般的です

2. サラリーマンが法人を作る目的

サラリーマンがマイクロ法人を設立する主な目的は、(1)社会保険料の削減、(2)節税、(3)経費計上の拡大、です。

副業収入や投資収入を法人に集約し、法人から自分に最低限の役員報酬を支払うことで、社会保険料を大幅に削減できます。

3. 二刀流スキームとは

「二刀流スキーム」とは、サラリーマンとして給与をもらいながら、マイクロ法人の社長として役員報酬も受け取る手法です。

本業の給与は高額のまま維持し、副業収入はマイクロ法人に集約して最低限の役員報酬を設定することで、社会保険料の算定基礎を下げることができます

4. 個人事業主との違い

個人事業主は、自分で国民年金・国民健康保険に加入しますが、マイクロ法人は厚生年金・健康保険(社会保険)に加入します。

法人の社会保険料は、役員報酬の金額により決まるため、役員報酬を低く設定すれば社会保険料を抑えられます。

5. マイクロ法人のメリット・デメリット

メリット:社会保険料削減、所得税・住民税の節税、経費計上の拡大、厚生年金加入による年金額増加、など。

デメリット:法人設立・維持コスト、社会保険加入義務、税務・会計の複雑化、などがあります。メリット・デメリットを理解した上で検討しましょう

項目 個人事業主 マイクロ法人
社会保険 国民年金・国民健康保険 厚生年金・健康保険
税金 所得税・住民税 法人税+所得税・住民税
設立コスト 不要 約20〜30万円

マイクロ法人による節税効果の仕組み

マイクロ法人の最大のメリットは、社会保険料の削減と節税効果です。

ここでは、具体的な節税の仕組みと効果を詳しく解説します

1. 社会保険料削減の仕組み

サラリーマンの社会保険料は、本業の給与に基づいて計算されます。

マイクロ法人を設立し、副業収入を法人に集約して役員報酬を最低限(月額6〜8万円程度)に設定すると、法人での社会保険料を大幅に削減できます。年間数十万円〜100万円以上の削減効果があります

2. 役員報酬の設定方法

役員報酬は、厚生年金・健康保険の標準報酬月額の最低等級(月額6〜8万円程度)に設定するのが一般的です。

ただし、役員報酬は「定期同額給与」として毎月一定額である必要があり、期中の変更は原則できません。

3. 所得分散による節税

本業の給与と副業収入が合算されると、所得税・住民税の税率が上がります(累進課税)。

マイクロ法人を設立し、副業収入を法人所得として分散することで、個人の所得税率を下げ、全体の税負担を軽減できます

4. 経費計上の拡大

法人では、事業に関連する費用を経費として計上できる範囲が広がります。

家賃(自宅兼事務所)、通信費、交通費、接待交際費、生命保険料(一部)などを経費にできます。

5. 法人税率と所得税率の違い

法人税の実効税率は約21〜34%(資本金1億円以下の中小法人)です。

所得税の最高税率は45%(住民税含めると55%)のため、高所得者ほど法人化のメリットが大きくなります。所得が一定以上であれば、法人税率の方が有利になります

年収(給与+副業) 個人事業主の場合の社会保険料 マイクロ法人の場合の社会保険料
800万円 約120万円 約30万円(削減額約90万円)
1,000万円 約140万円 約30万円(削減額約110万円)
1,500万円 約160万円 約30万円(削減額約130万円)

削減効果の試算

社会保険料の削減効果は、副業収入の規模により異なります。専門家に相談して試算しましょう。

マイクロ法人設立の手順

マイクロ法人を設立するには、所定の手続きが必要です。

ここでは、設立の流れと必要書類を詳しく解説します

1. 会社形態の選択

株式会社または合同会社(LLC)のいずれかを選択します。

合同会社は設立費用が安く(約10万円)、株式会社は約25〜30万円かかります。マイクロ法人では合同会社が人気です

2. 定款の作成と認証

定款とは、会社の基本規則を定めた書類です。

株式会社の場合、公証役場で定款認証が必要(手数料約5万円)。合同会社は認証不要です。

3. 資本金の払込

発起人(自分)の個人口座に資本金を振り込みます。

資本金は1円から可能ですが、信用面や運転資金を考慮して100万円程度が一般的です

4. 法務局での登記

法務局に登記申請書、定款、資本金払込証明書などを提出します。

登録免許税として、株式会社は15万円(または資本金の0.7%の高い方)、合同会社は6万円(または資本金の0.7%の高い方)がかかります。

5. 税務署・自治体への届出

登記完了後、税務署に「法人設立届出書」「青色申告の承認申請書」などを提出します。

都道府県・市区町村にも法人設立届出書を提出します。

6. 社会保険の加入手続き

法人は、従業員がいなくても社長1人で社会保険(厚生年金・健康保険)に加入する義務があります。

年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」「被保険者資格取得届」などを提出します。加入手続きは設立後5日以内が原則です

手順 内容 費用目安
定款認証 公証役場(株式会社のみ) 約5万円
登録免許税 法務局への登記 株式会社15万円/合同会社6万円
その他 印鑑作成・書類作成等 約5〜10万円

マイクロ法人のランニングコスト

マイクロ法人は、設立後も維持費用がかかります。

ここでは、年間のランニングコストを詳しく解説します

1. 社会保険料

役員報酬を最低等級(月額6〜8万円程度)に設定した場合、社会保険料(厚生年金+健康保険)は月額約2〜3万円、年間約24〜36万円です。

本人負担と会社負担の合計です。

2. 法人住民税(均等割)

法人住民税の均等割は、赤字でも課税されます。

資本金1,000万円以下・従業員50人以下の場合、年間約7万円です。自治体により金額が異なります

3. 税理士報酬

マイクロ法人の税務・会計を税理士に依頼する場合、年間10〜30万円程度の報酬がかかります。

自分で会計処理する場合は不要ですが、専門知識が必要です。

4. 会計ソフト・事務用品

会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)の利用料は、年間2〜3万円程度です。

その他、印鑑・名刺・事務用品などで年間数万円かかります。

5. その他の費用

登記簿謄本の取得費用、銀行口座の維持費用、郵送費用などで年間数万円かかります。

合計すると、年間40〜70万円程度のランニングコストが目安です

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マイクロ法人の注意点とリスク

マイクロ法人にはメリットが多い一方、注意すべき点やリスクも存在します。

ここでは、主要な注意点を詳しく解説します

1. 租税回避と認定されるリスク

マイクロ法人の主目的が社会保険料削減のみで、実態のない法人と判断されると、租税回避と認定される可能性があります。

法人としての実体(事業活動、取引先、売上など)を明確にすることが重要です。形式だけの法人は認められません

2. 本業の会社の就業規則

本業の会社が副業を禁止している場合、マイクロ法人設立が就業規則違反となる可能性があります。

事前に就業規則を確認し、必要であれば会社に相談しましょう。

3. 社会保険の二重加入

本業の会社とマイクロ法人の両方で社会保険に加入する場合、「二以上事業所勤務届」を提出し、保険料を按分します。

手続きが複雑で、年金事務所への届出が必要です

4. 維持コストと収益のバランス

年間40〜70万円のランニングコストがかかるため、副業収入が少ない場合は赤字になる可能性があります。

副業収入が年間300万円以上ある場合に、マイクロ法人のメリットが出やすいと言われています。

5. 税務調査のリスク

マイクロ法人は、税務署から「実態のない法人」「過度な節税」と判断されやすい傾向があります。

適切な帳簿管理、領収書の保管、事業実態の証明が重要です。税理士に相談しながら運営しましょう

実態の重要性

マイクロ法人は、形式だけでなく実態が伴っていることが重要です。事業活動の記録を残しましょう。

社会保険切り替えによる保障の変化

マイクロ法人を設立すると、社会保険の内容が変わります。

ここでは、保障内容の変化と民間保険の必要性を解説します

1. 厚生年金への加入

マイクロ法人で厚生年金に加入すると、将来の年金額が増加します。

ただし、役員報酬を最低限に設定すると、年金額の増加も最小限になります。老後資金の準備は別途必要です

2. 健康保険の給付内容

健康保険(協会けんぽまたは健康保険組合)に加入すると、国民健康保険より給付内容が充実する場合があります。

出産手当金や傷病手当金が受けられます。

3. 傷病手当金の変化

傷病手当金は、病気やケガで働けない場合に給与の約2/3が支給される制度です。

役員報酬が低い場合、傷病手当金も少額になります。就業不能保険で不足分を補うことが重要です。

4. 出産手当金の変化

出産手当金は、産休中に給与の約2/3が支給される制度です。

役員報酬が低い場合、出産手当金も少額になります。女性の場合は、収入減少に備えた保険設計が必要です

5. 民間保険での補完

役員報酬を低く設定すると、公的保障(傷病手当金・出産手当金など)が少なくなります。

医療保険就業不能保険で、不足分を補うことをおすすめします。

民間保険との組み合わせ方

マイクロ法人設立により、公的保障が変化するため、民間保険で補完することが重要です。

ここでは、具体的な組み合わせ方とメリットを解説します

1. 就業不能保険で収入減をカバー

就業不能保険は、病気やケガで働けなくなった場合に月額給付金を受け取れます。

役員報酬が低い場合、傷病手当金も少額のため、就業不能保険で不足分を補うことが重要です

2. 医療保険で医療費をカバー

医療保険は、入院・手術時に給付金を受け取れます。

高額療養費制度と併用することで、医療費の自己負担を最小限に抑えられます。

3. 終身保険で老後資金を準備

役員報酬を低く設定すると、厚生年金の増加額も限定的です。

終身保険や個人年金保険で、老後資金を別途準備することをおすすめします。

4. 法人保険の活用

マイクロ法人で法人保険(経営者保険)に加入すると、保険料を損金算入できる場合があります。

ただし、税制改正により損金算入のルールが厳しくなっているため、税理士に相談して検討しましょう

5. 保険料と保障のバランス

マイクロ法人の運営コストと民間保険の保険料を合わせると、年間数十万円〜100万円以上の負担になります。

節税・社会保険料削減のメリットと、コスト・保障のバランスを総合的に判断しましょう。

保険の種類 カバー内容 マイクロ法人との併用メリット
就業不能保険 長期就業不能時の収入補填 傷病手当金の不足分を補填
医療保険 入院・手術給付金 医療費の自己負担をカバー
終身保険 老後資金の準備 年金額不足を補う

ケーススタディ:マイクロ法人の実際の事例

ここでは、サラリーマンが実際にマイクロ法人を設立した事例を紹介します。

これらの事例を参考に、自分のケースに当てはめて考えてみましょう

ケースA:副業収入500万円で年間100万円削減

Aさん(35歳男性・会社員)は、本業の年収700万円、副業(Web制作)の年収500万円でした。

マイクロ法人(合同会社)を設立し、副業収入を法人に集約。役員報酬を月8万円に設定し、社会保険料を年間約30万円に削減。個人事業主のままだと社会保険料は約130万円だったため、年間約100万円の削減に成功しました

ケースB:ランニングコストで赤字に

Bさん(32歳男性・会社員)は、本業の年収600万円、副業(アフィリエイト)の年収200万円でした。

マイクロ法人を設立しましたが、年間のランニングコスト(社会保険料・法人住民税・税理士報酬など)が約60万円かかり、削減効果が限定的でした。副業収入が少ない場合は、コスト倒れのリスクがあります

ケースC:就業規則違反で懲戒処分

Cさん(38歳男性・会社員)は、マイクロ法人を設立しましたが、本業の会社が副業を禁止していました。

住民税の増加により副業が発覚し、懲戒処分を受けました。事前に就業規則を確認し、必要であれば会社に相談することが重要です

ケースD:税務調査で実態を問われる

Dさん(40歳男性・会社員)は、マイクロ法人を設立しましたが、実際の事業活動がほとんどありませんでした。

税務調査で「実態のない法人」と指摘され、過去の社会保険料の追徴を求められました。事業実態を明確にすることが重要です

ケースE:傷病手当金が少額で困窮

Eさん(33歳男性・会社員)は、マイクロ法人で役員報酬を月6万円に設定していました。

病気で3ヶ月間働けなくなり、傷病手当金を受給しましたが、日額約1,333円(月6万円×2/3÷30日)と少額で生活費が不足。就業不能保険に加入していなかったため、貯蓄を取り崩す必要がありました

ケースF:法人保険で節税と保障を両立

Fさん(42歳男性・会社員)は、マイクロ法人で法人保険(経営者保険)に加入しました。

保険料を損金算入し、法人税を軽減。同時に、自分の死亡保障と老後資金の準備を両立しました。税理士と保険の専門家に相談して設計しました

ケースG:女性が出産手当金不足で困窮

Gさん(29歳女性・会社員)は、マイクロ法人で役員報酬を月8万円に設定していました。

出産時の出産手当金は、日額約1,778円(月8万円×2/3÷30日)と少額で、産休・育休中の収入が大幅に減少。事前に女性医療保険や就業不能保険で備えておくべきでした

働く人のたより

FPに聞く!マイクロ法人のリアルな疑問

実際にマイクロ法人を検討する方が、気になるポイントをFPに質問しました。

30代男性

マイクロ法人は誰でもメリットがありますか?

スマホdeほけん

いいえ、副業収入が年間300万円以上ある場合に、メリットが出やすいと言われています。収入が少ない場合、ランニングコストで赤字になる可能性があります。専門家に試算してもらいましょう。

30代男性

本業の会社にバレませんか?

スマホdeほけん

住民税の増加により副業が発覚する可能性があります。また、社会保険の二重加入により、本業の会社に通知が届く場合もあります。事前に就業規則を確認し、必要であれば会社に相談しましょう。

30代男性

役員報酬はいくらに設定すればいいですか?

スマホdeほけん

社会保険料を最小限にするため、標準報酬月額の最低等級(月額6〜8万円程度)に設定するのが一般的です。ただし、傷病手当金や出産手当金も少額になるため、民間保険での補完が必要です。

30代男性

税務調査が心配です

スマホdeほけん

マイクロ法人は、税務署から注目されやすい傾向があります。適切な帳簿管理、領収書の保管、事業実態の証明が重要です。税理士に相談しながら運営することをおすすめします。

30代男性

公的保障が減る分、どう備えればいいですか?

スマホdeほけん

役員報酬を低く設定すると、傷病手当金・出産手当金・年金額が少なくなります。就業不能保険医療保険終身保険で不足分を補うことをおすすめします。

30代男性

法人を解散する場合のコストは?

スマホdeほけん

法人を解散・清算する場合、登録免許税や官報公告費用など、約10〜20万円のコストがかかります。また、解散後の税務申告も必要です。長期的に運営できるかを慎重に検討しましょう。

マイクロ法人に向いている人・向いていない人

マイクロ法人は、すべての人に適しているわけではありません。

ここでは、マイクロ法人に向いている人・向いていない人の特徴を解説します

1. 向いている人の特徴

・副業収入が年間300万円以上ある
・本業の会社が副業を容認している
・税務・会計の基礎知識がある(または税理士に依頼できる)
・長期的に法人を運営する意思がある
民間保険で公的保障の不足分を補える

2. 向いていない人の特徴

・副業収入が年間200万円未満
・本業の会社が副業を禁止している
・税務・会計の知識がなく、税理士報酬も払えない
・短期的な節税だけが目的
・公的保障が減ることに不安がある

3. 副業収入の目安

一般的に、副業収入が年間300万円以上ある場合に、マイクロ法人のメリットが出やすいと言われています。

ただし、家族構成や本業の年収により異なるため、専門家に試算してもらいましょう

4. 家族構成による違い

配偶者や子どもがいる場合、社会保険の扶養に入れることができ、保険料を削減できます。

独身の場合と家族持ちの場合で、メリットが異なります。

5. 専門家への相談

マイクロ法人の設立は、税務・会計・社会保険の専門知識が必要です。

税理士やFPに相談し、自分の状況に合ったシミュレーションをしてもらいましょう。

マイクロ法人に関するよくある質問

Q1. マイクロ法人は違法ですか?

A. いいえ、マイクロ法人自体は合法です。ただし、実態のない法人や過度な節税は、租税回避と認定されるリスクがあります。事業実態を明確にすることが重要です

Q2. 副業収入がいくらあればメリットがありますか?

A. 一般的に、副業収入が年間300万円以上ある場合に、メリットが出やすいと言われています。ただし、家族構成や本業の年収により異なるため、専門家に試算してもらいましょう

Q3. 役員報酬はいくらに設定すればいいですか?

A. 社会保険料を最小限にするため、標準報酬月額の最低等級(月額6〜8万円程度)に設定するのが一般的です。ただし、傷病手当金や出産手当金も少額になるため、民間保険での補完が必要です

Q4. 本業の会社にバレませんか?

A. 住民税の増加や社会保険の二重加入により、本業の会社に発覚する可能性があります。事前に就業規則を確認し、必要であれば会社に相談しましょう。

Q5. 公的保障が減る分、どう備えればいいですか?

A. 役員報酬を低く設定すると、傷病手当金・出産手当金・年金額が少なくなります。就業不能保険医療保険終身保険で不足分を補うことをおすすめします。

まとめ

マイクロ法人は、副業収入があるサラリーマンにとって、社会保険料削減と節税の有効な手段です。役員報酬を最低限に設定することで、年間数十万円〜100万円以上の社会保険料を削減できます。

しかし、ランニングコスト、公的保障の減少、税務調査のリスクなど、注意すべき点も多くあります。役員報酬を低く設定すると、傷病手当金や年金額が少なくなるため、民間の就業不能保険や医療保険、終身保険で不足分を補うことが重要です。マイクロ法人の設立は、専門家に相談しながら、自分の状況に合った設計を行いましょう。

働く人のたより

監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者

ファイナンシャルプランナー

マイクロ法人は、適切に運営すれば大きな節税・社会保険料削減効果がありますが、実態のない法人や過度な節税は租税回避と認定されるリスクがあります。事業実態を明確にし、適切な帳簿管理と税務申告を行うことが重要です。また、役員報酬を低く設定すると、公的保障(傷病手当金・出産手当金・年金額)が減少するため、民間保険での補完が必須です。

特に、就業不能保険は長期就業不能時の収入を補填し、医療保険は医療費の自己負担をカバーし、終身保険は老後資金を準備します。マイクロ法人の運営コストと民間保険の保険料を合わせると、年間数十万円〜100万円以上の負担になるため、節税効果とのバランスを総合的に判断しましょう。家計の安心と老後資金の準備を両立させるために、FPや税理士に相談しながら設計してください。

監修者

外資系保険会社での営業経験を活かし、現在はお金に関するコラムの執筆を行っています。保険や家計、資産形成など、日々の暮らしに役立つ情報をわかりやすく伝えることを大切にしています。AFPおよび2級ファイナンシャル・プランニング技能士の資格を持ち、実務経験と専門知識の両面から、信頼性の高い情報提供を心がけています。

保有資格

AFP・2級FP技能士

専門分野・得意分野

生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。