スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
インデックス投資を始めようと考えたとき、「危ないって本当?」「やめたほうがいいのかな」といった不安が頭をよぎり、なかなか一歩を踏み出しにくいものです。
とくに新NISAの導入により長期投資が身近になった一方で、運用結果が家計や老後資金に直結するからこそ、慎重に判断したいという思いも自然な感情だと言えるでしょう。
結論から言うと、インデックス投資そのものが特別に危険な手法というわけではありませんが、商品選びや続け方を誤ると、結果として損失を抱えやすくなるリスクは確かに存在します。
そこで本記事では、インデックス投資が「危ない」と言われる背景を整理したうえで、初心者が損をしないための考え方と具体的な実践ポイントを、専門的な視点からわかりやすく徹底ガイドしていきます。
インデックス投資とは?まずは仕組みと特徴をざっくり確認
インデックス投資とは、日経平均株価やS&P500など、代表的な株価指数の値動きに連動する投資信託やETFにまとめて投資し、市場全体の成長を取り込みにいく運用スタイルを指します。
個別銘柄を一つずつ選ぶのとは異なり、多数の銘柄に自動的に分散された状態で投資できるため、一社の業績悪化に資産全体が大きく左右されにくく、個別株投資に比べて値動きのブレを抑えやすいという特徴があります。
また、指数に機械的に連動させる運用手法であるため、ファンドマネージャーによる銘柄選定コストが小さく、信託報酬などのランニングコストが比較的低く抑えられる商品が多い点も、長期の資産形成との相性を高めているポイントです。
新NISAでは非課税で保有できる期間が恒久化され、インデックス投資のように時間を味方につける手法にとって、税金面でも長期保有のメリットを活かしやすい制度設計になっています。
インデックス投資が「危ない」「やめたほうがいい」と言われる理由
インデックス投資は、投資の教科書にも登場するほど基本に忠実な王道の手法ですが、現場では誤った期待や情報の断片だけが広まり、「危ない」「やめたほうがいい」とネガティブに語られる場面も少なくありません。
まずは、そうした評価が生まれる代表的な理由を整理し、不安の正体を客観的に把握することで、自分にとって本当に適した手段なのかを冷静に見極めていきましょう。
1. 元本割れのリスクがある
インデックス投資もれっきとした投資商品である以上、預貯金とは異なり元本保証は一切なく、市場環境によっては運用元本を下回る評価額になるリスクを常に抱えています。
とくにリーマンショック級の大きな下落局面では、株式市場全体が急落するため、資産残高が一時的に大きく目減りし、心理的な負担が非常に大きくなる点は理解しておく必要があります。
そのような場面で恐怖心から慌てて売却してしまうと、含み損が実際の損失として確定してしまい、その後の回復の波に乗れないまま運用を終えてしまうという、典型的な失敗パターンに陥りがちです。
あらかじめ余裕資金の範囲で投資額を決め、暴落局面でも売らずに保有を続けられる資金設計とメンタルの準備を整えておくことが、インデックス投資におけるリスク管理の土台となります。
2. 短期で大きく増えにくい
インデックス投資は指数と同じような値動きを目指すため、狙うリターンはあくまで「市場平均」であり、一部の個別株のように短期間で資産を何倍にも増やすといった劇的な値上がりを期待する手法ではありません。
その性質上、数ヶ月から数年といった短期スパンで結果を求めると、「思ったほど増えない」「時間ばかりかかる」と感じやすく、投機的な感覚で始めた人ほど相性の悪さを意識しやすくなります。
短期で大きな利益を狙う人のなかには、期待していたスピード感と実際の値動きのギャップから「効率が悪い」「このまま続けるのは危ないかも」と判断してしまうケースも少なくありません。
インデックス投資を選ぶ際は、まず目的と投資期間を明確に言語化し、「10年〜20年単位でじっくり育てる資産なのか」を自問したうえで始めることで、期待とのズレを減らし、途中で投げ出すリスクを下げることができます。
3. 投資の勉強をしなくなる
「ほったらかしでOK」と紹介されることも多いインデックス投資は、自動積立との組み合わせにより、日々の売買判断をほとんど必要としない手軽さが大きな魅力です。
しかし裏を返せば、その手軽さゆえに投資やマネーリテラシーの学びを止めてしまいがちで、結果として価格変動への理解が浅いまま暴落を迎え、パニック的な行動を取りやすくなるという側面もあります。
知識が十分でない状態だと、下落局面での一時的な含み損を過度に恐れたり、周囲の噂話や高リスク商品に流されたりするなど、冷静な判断から遠ざかってしまう危険性が高まります。
少なくとも指数の仕組みや新NISAなどの制度概要といった基礎知識だけでも継続的にアップデートしていくことで、情報の取捨選択がしやすくなり、日々のニュースを通じた学びが判断ミスを減らす有効な手段となります。
4. 指数の偏りに気づきにくい
「インデックス=広く分散されていて安心」というイメージを持たれがちですが、実際には指数ごとに採用銘柄や国・業種・通貨の構成が大きく異なり、特定のセクターや地域に偏りがあるケースも少なくありません。
たとえば米国株指数に一本集中している場合、米国経済やハイテク企業の業績に資産全体が強く連動し、特定市場の不調がそのまま家計の資産残高に影響しやすい構造になってしまいます。
本人は「複数のインデックスファンドを持っているから十分に分散できている」と思っていても、実際には同じ地域や同じ業種が重複しており、分散したつもりが結果的に偏ったポートフォリオになっていることが、「危ない」と指摘される一因です。
定期的に保有資産の内訳を確認し、国別・通貨別・資産クラス別のバランスをチェックしたうえで、必要に応じて配分を調整することで、特定のリスクに偏りすぎないポートフォリオへと整えていくことが重要です。
5. 為替や金利の影響を受ける
海外の株価指数に連動する商品へ投資する場合、株価そのものの値動きだけでなく、円とドルなどの為替レートの変動によって、円建ての評価額が上下する点にも注意が必要です。
さらに、世界的な金利上昇局面では将来の利益の価値が下がると見なされるため、株式市場全体が調整しやすく、インデックス投資であっても一時的に大きな含み損を抱える可能性があります。
こうした値動きの波を「危険な変動」と捉えて過度に怖がるのか、それとも長期投資における自然な通過点と理解して冷静に付き合うのかによって、最終的な成果は大きく変わります。
あらかじめ変動を前提としたうえで、生活に支障が出ない範囲の「続けられる金額」を設定し、相場環境に一喜一憂しすぎない運用スタンスを持つことが、長く付き合うための前提条件です。
注意ポイント
インデックス投資のリスクは「商品そのものが危険」なのではなく、資金計画やメンタル面を含めた扱い方次第で大きく変わることを理解しておきましょう。
これだと失敗しやすい!初心者がやりがちなNG行動
インデックス投資は、正しく使えば堅実に資産形成を進めやすい手法ですが、基本的なルールを外したまま始めてしまうと、せっかくのメリットを活かせず、損失だけを抱えて終わってしまうケースも見られます。
ここでは初心者が無意識のうちにやってしまいがちなNG行動を整理し、事前に押さえておくことで、家計や老後資金に悪影響を与える失敗パターンを回避していきましょう。
インデックス投資のNG行動
1. リスク許容度を確認しない
どの程度の値下がり幅までなら精神的に耐えられるのかという「リスク許容度」を確認しないまま投資額を決めてしまうと、大きな下落局面で不安に押しつぶされ、途中で投げ出してしまう可能性が高くなります。
夜眠れなくなるほど不安を感じる投資額は、それ自体がストレスの原因となり、長期で続けるどころか、短期間で損失を確定させる行動を引き起こしやすい点に注意が必要です。
リスク許容度は、年齢や収入水準、家族構成、今後のライフプランによって大きく変わるため、一度決めたら終わりではなく、ライフイベントのタイミングごとに見直すことが望ましいと言えます。
自分に合ったリスク水準にポートフォリオを合わせることで、長期で無理なく続けやすくなり、結果的に資産形成の効率とコスパを高めることにつながります。
2. 目的や目標額が曖昧
「なんとなく増やしたほうがよさそうだから」という理由だけで始めると、相場が荒れたときに判断の軸を持てず、ちょっとした値動きにも振り回されてしまいがちです。
老後資金、教育資金、住宅購入の頭金など、何のためにいくら必要なのかという目的を明確にすると、必要な投資期間や毎月いくら積み立てるべきかを逆算しやすくなります。
具体的なゴールが設定されていれば、「まだ目標まで時間がある」「今は一時的な下落局面」といった捉え方ができるため、短期的な価格変動だけを見て焦る場面が減ります。
インデックス投資を始める前に、いつまでにいくら貯めたいのかを言葉にして書き出し、家計全体の中での位置づけをはっきりさせておくことが、継続のモチベーションにもつながります。
3. 生活費まで投資に回す
生活費や急な支出に備えるお金まで運用に回してしまうと、不測の出費が発生した際に、相場が不利なタイミングでも資産を取り崩さざるを得なくなり、結果として損失を拡大させてしまうリスクがあります。
まずは数ヶ月分〜半年分程度の生活防衛資金を預貯金で確保したうえで、その残りの余裕資金をインデックス投資の積立に充てるという「優先順位」を守ることが鉄則です。
家計が安定しているほど、相場が上下しても慌てて売却する必要がなくなり、時間をかけて複利効果を活かすことができるため、精神的な安心感と運用成果の両方を得やすくなります。
投資額は見栄や他人との比較ではなく、自分の家計のキャッシュフローから無理のない金額を算出し、必要に応じて増減できる柔軟性を持たせておくと安心です。
4. 下落で積立を止める
株価が下がり始めたタイミングで積立を止めてしまうと、安く買えるチャンスを自ら手放すことになり、その後の回復局面でリターンを取り逃がしてしまう可能性が高くなります。
インデックス投資においては、相場の下落局面こそ将来の回復を見据えて安く買い増しを続けることで、平均購入単価を下げられるという、長期投資ならではのメリットが生まれます。
そのためには、あらかじめ家計に負担のない金額に積立額を設定し、価格変動に過度に反応しないよう相場と距離を置く姿勢を持つことが重要で、日々の株価チェックを減らすのも有効な工夫です。
積立投資は、感情に左右されずに「続けること」自体に意味がある仕組みであると理解し、仕組み化や自動化を活用して習慣として定着させていきましょう。
5. 放置しすぎて見直さない
インデックス投資は手間がかからない点が魅力ですが、「ほったらかし」を都合よく解釈して完全放置してしまうと、気づかないうちに資産配分が偏り、当初想定していたリスク水準を大きく超えてしまう場合があります。
定期的にポートフォリオを点検し、株式と債券、国内と海外といったバランスが崩れていないかを年に一度程度確認することで、リスクの取りすぎや取りなさすぎを防ぎやすくなります。
必要に応じて一部を売却し、別の資産クラスを買い増す「リバランス」を行うことで、当初想定したリスクとリターンのバランスにポートフォリオを戻し、長期運用の安定性を高めることができます。
見直しは売買回数を増やすことが目的ではなく、資産全体の健康状態をチェックする「定期健診」と捉えると、負担感が少なく、継続しやすい習慣として取り入れやすくなります。
インデックス投資を成功させる4つの実践ポイント
ここまで見てきたように、インデックス投資が「危ない」と言われるのは、手法そのものよりも、準備不足や誤った付き合い方に原因があるケースが大半です。
リスクの中身を理解し、いくつかのポイントを押さえておくことで、インデックス投資は家計と老後資金づくりを支える心強い味方になり得るため、初心者でもすぐ実践できるコツを整理しておきましょう。
1. 資産配分を分散し、偏りを減らす
国内株式・海外株式・債券・現金など、値動きの性質が異なる資産クラスを組み合わせて保有することで、どれか一つの資産が大きく下がっても、ポートフォリオ全体の下落を和らげる効果が期待できます。
特定の指数や地域に集中するのではなく、複数の指数や資産クラスに分散させることが、家計全体の安定性を高めつつ、長期的なリターンを狙ううえでの基本戦略となります。
2. 長期で続ける前提を作る
インデックス投資の本質的な強みは、短期的な値動きではなく、経済成長と企業活動の積み重ねを長期的に取り込んでいく点にあるため、10年〜20年単位の時間軸で考えることが欠かせません。
新NISAの非課税メリットも、長期的に積み立てと運用を続けることで最大限活かしやすい仕組みになっているため、「長く続ける前提」で生活防衛資金や家計の余裕度をあらかじめ整えておくことが重要です。
3. 家計のキャッシュフローを整える
どれだけ優れた投資手法でも、日々の生活費や教育費の支払いで手一杯の状態では、値動きに耐えられず途中で売却せざるを得なくなり、思うような成果につながりません。
固定費の見直しや先取り貯蓄の仕組みづくりを通じて家計のキャッシュフローを整え、「生活費・貯蓄・投資」のバランスを明確に分けることで、無理なく続けられる資産形成の土台ができます。
4. 学びを続け、制度変更に対応する
インデックス投資はシンプルな仕組みですが、税制や社会保障制度、金融商品のラインナップは定期的に変化するため、一度学んで終わりではなく、最低限の情報収集を続ける姿勢が求められます。
投資の基本原則と新NISA・iDeCoなどの制度を押さえておけば、相場の揺れに直面したときも、慌てて売買せずに済み、長期でのリターンと安心感の双方を高める土台となります。
| 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| インデックス投資 | 低コストで分散しやすく長期運用に適している | 元本割れや為替変動など市場リスクの影響を受ける |
| アクティブ投資 | 銘柄選定がはまれば市場平均を上回る可能性がある | 手数料が高めで成果が読みにくく、運用者の力量に左右される |
| 保障を兼ねる資産形成 | 死亡保障などを備えながら貯蓄や資産形成を同時に進められる | 商品ごとにコストや仕組みが異なるため内容理解と比較検討が不可欠 |
資産形成に不安があるなら、インデックス以外の選択肢も知る
インデックス投資は多くの人にとって有力な選択肢ですが、リスクへの感じ方や家計の状況は家庭ごとに異なるため、「どうしても価格変動が怖い」「保障も同時に確保したい」と感じる人もいます。
たとえば、万一の保障も一緒に持ちながら資産形成をしたい人は、保険の機能と運用を組み合わせた商品として、資産形成の手段に変額保険を選ぶケースもあり、保険と投資を連携させる発想が役立つ場面もあります。
変額保険も市場の値動きに連動するため運用リスクはありますが、死亡保障や医療保障などを確保しながら、将来の老後資金を積み立てることができる点は、インデックス投資単体とは異なる特徴と言えます。
投資信託と保険商品のどちらが有利かは一概には言えず、家計の安定度や家族構成、必要な保障額によって最適解が変わるため、コスパだけでなく「全体設計」として比較検討する姿勢が大切です。
注意ポイント
価格変動への不安が強く、インデックス投資だけでは継続が難しい場合は、保障を組み合わせた資産形成を検討することで、心理的に続けやすい仕組みを整えられる場合もあります。
FPに聞く!インデックス投資の不安をほどくリアル相談
インデックス投資はシンプルに見える一方で、実際には家計の状況や老後資金の準備ペースとのバランスに悩む人が多く、「自分に合っているのか」が分かりにくいテーマでもあります。
ここでは、34歳会社員の女性という設定で、インデックス投資に関する率直な疑問をFPにぶつけてもらい、実務的な視点から不安をほぐしていきます。
34歳・女性
インデックス投資は危ないからやめたほうがいいですか?
スマホdeほけん
インデックス投資そのものが特別に危ない方法というわけではなく、市場全体の成長を取り込む王道の長期投資手法です。
ただし生活費まで投資に回したり、短期で結果を求めたりすると途中で損失を確定させやすくなるため、余裕資金と長期前提を整えることが前提条件になります。
34歳・女性
暴落が来たら怖くて売ってしまいそうです。
スマホdeほけん
暴落局面で不安になるのは自然な反応ですが、長期で見れば大きな下落は何度か訪れる前提で設計することが大切です。
あらかじめ耐えられる金額に抑え、資産配分も分散しておくことで、暴落時の心理的負担を軽くし、「売らなくて済む状態」をつくることができます。
34歳・女性
新NISAで始めるなら、何を優先すればいいですか?
スマホdeほけん
新NISAでは非課税メリットを活かすために、まずは長期・積立・分散という基本を守り、無理のない金額でコツコツ続けることが重要です。
そのうえで、どの指数に連動している商品なのか、中身が特定の国や業種に偏りすぎていないかを確認し、資産配分全体を設計する視点を持つと安心です。
34歳・女性
家計に余裕がないときでも投資は続けるべきですか?
スマホdeほけん
家計が苦しい状態で無理に投資を続けると、急な支出のたびに取り崩すことになり、投資のメリットを活かせませんので、まずは生活防衛資金の確保と支出の見直しを優先しましょう。
そのうえで、家計に余裕が出てきたタイミングから少額で再開するほうが、メンタル面でも継続しやすく、結果的に資産形成の効率も良くなります。
34歳・女性
投資が怖い場合、他の資産形成はありますか?
スマホdeほけん
値動きへの不安が強い場合は、預貯金での積立をベースにしつつ、一部だけインデックス投資に回す、あるいは変額保険など保障と資産形成を組み合わせられる商品を活用する方法もあります。
自分のリスク許容度や家族の状況を整理し、「どの程度なら値動きを受け入れられるか」をもとに手段を選ぶことが、長く続けられる資産形成には欠かせません。
インデックス投資に関するよくある質問
最後に、インデックス投資を検討する人から寄せられやすい疑問をQ&A形式で整理し、不安を一つずつ解消しながら、自分に合う運用スタイルかどうかを確認していきましょう。
疑問点を曖昧なままにせず、納得したうえでスタートすることが、長期で続けるための大切な第一歩になります。
Q1. インデックス投資は本当に初心者向けですか?
A. インデックス投資は、一つの商品で多くの銘柄に分散投資でき、かつ信託報酬が低い商品も多いため、初心者でも比較的取り組みやすい投資法といえます。
ただし預貯金とは異なり元本割れの可能性は常にあるため、生活費とは切り分けた余裕資金を用意し、10年以上の長期で運用する前提を持つことが前提条件となります。
Q2. どの指数を選べばいいかわかりません。
A. 迷う場合は、特定の国に偏らない世界株や、複数の先進国に広く分散された指数など、幅広く分散されているものから検討するとリスクが抑えやすくなります。
一つの指数に集中させるのではなく、複数の指数を組み合わせて保有することで、特定の国や業種に偏りすぎないポートフォリオを作ることができます。
Q3. 暴落時はどうすればいいですか?
A. 生活費に影響が出ない範囲で投資しているのであれば、暴落時に慌てて売らず、むしろ予定どおり積立を続けることが、長期投資の基本的なスタンスになります。
価格が下がっている局面で淡々と買い続けることで、平均購入単価を下げる効果が期待でき、その後の回復局面でリターンを得やすくなる仕組みを理解しておきましょう。
Q4. インデックス投資と個別株は併用できますか?
A. インデックス投資で資産形成の土台をつくり、そのうえで一部を個別株に回して上乗せリターンを狙うといった併用も可能で、自分の興味や経験に合わせた設計ができます。
ただし個別株の比率が高くなりすぎると値動きが大きくなるため、ポートフォリオ全体でどの程度のリスクを許容するかを決め、配分ルールを事前に設定しておくことが重要です。
Q5. 投資が怖い人はどう資産形成すればいいですか?
A. まずは家計簿の見直しや預貯金での積立など、リスクの低い方法から土台を作り、慣れてきたタイミングで少額からインデックス投資を組み合わせるステップを踏むと安心です。
また、保障も重視したい場合は、インデックス投資だけでなく変額保険などの選択肢も比較し、自分のライフプランや心理的な安心感に合った手段をバランスよく選ぶことが大切です。
まとめ:危ない理由を理解すれば、インデックス投資は老後資金づくりの強い味方
インデックス投資が「危ない」と言われる背景には、元本割れや短期的な値動きへの過度な期待、そしてリスク許容度や目的を明確にせずに始めたことによる失敗例が少なからず存在します。
しかし、本質的なリスクは投資法そのものの危険性ではなく、家計に合わない金額や行動でリスクが膨らむことにあり、適切な設計と運用ルールを整えれば、コントロール可能な範囲に収めることができます。
生活防衛資金を確保したうえで、余裕資金を使って長期・積立・分散を徹底すれば、インデックス投資は老後資金をコツコツ育てる現実的で再現性の高い方法となり、将来の不安を和らげる一助にもなります。
自分一人で判断するのが不安な場合は、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談し、目的やリスク許容度、保険との組み合わせまで含めて全体設計を一緒に考えてもらうのも有効な選択肢です。
監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
インデックス投資は、長期的な資産形成において重要な役割を果たし得る手法であり、新NISAなどの制度と組み合わせることで、税制面のメリットも享受しやすくなっています。
一方で、「ほったらかしにしておけば自然に増える」といったイメージだけが先行し、家計の状況や目的を整理しないまま始めてしまうと、想定外の値動きに耐えられず、途中で解約してしまうリスクが高まります。
まずは生活防衛資金を確保し、将来必要となる資金の目的と時期を洗い出したうえで、自分のリスク許容度に合った金額と資産配分を決め、淡々と積み立てていく姿勢が成功の近道と言えるでしょう。
また、不安が強い方や家族の保障も同時に考えたい方は、投資と保険を切り離して考えるのではなく、家計全体のバランスを踏まえて「どの手段をどの割合で使うか」を設計することで、納得感の高い資産形成プランを描きやすくなります。