スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「変額保険で本当に学費を準備して大丈夫なのか」「値動きが怖くて一歩踏み出せない」と感じている方は少なくありません。価格変動や手数料、家計への影響を理解しないまま選んでしまうと、いざというときに教育資金が足りないリスクもあります。
本記事では、学資保険との本質的な違いから、設計のコツ・リスク管理・実務的な進め方までをプロ視点で整理。教育費だけでなく老後資金まで見据えた「家計全体の最適化」という観点で、変額保険の使い方をわかりやすく解説します。
まず結論:変額保険は「設計次第」で学資代替は十分に可能
変額保険は、運用成果によって将来の受取額が増減する保険です。その分ブレはありますが、保険料の払込満了を学費のピークより前に設定し、払込後は据置期間や段階解約を活用すれば、「学資目的の積立」として十分に機能させることができます。
一方で、短期での解約や予定より早い引き出しは不利になりやすく、元本割れリスクもあります。変額保険を学資代替として使うなら、リスク許容度と家計全体の耐性(生活防衛資金・他の積立状況)を見極め、現預金や円建て保険と分散することで価格変動のブレを抑える発想が欠かせません。
学資保険と変額保険の違いを要点整理
学資保険と変額保険の違いは、一言でいえば「確定性」か「成長取り込み」かのバランスです。それぞれの特徴を押さえておくと、自分の家庭にどちらが向いているか判断しやすくなります。
代表的な観点を3列表で比較し、判断の軸をコンパクトに整理しておきましょう。
| 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 学資保険(円建て) | 受取時期と金額の見通しが立てやすく、教育費の土台づくりに向く | 低金利やインフレ局面では返戻率が伸びにくく、将来の物価上昇に弱い |
| 変額保険(有期/終身) | 運用次第で解約返戻金が増える可能性があり、成長取り込みが期待できる | 価格変動により元本割れリスクがあり、手数料水準にも注意が必要 |
| 就業不能時の備え | 収入減少時の家計の落ち込みを緩和でき、積立の中断リスクを下げられる | 保障と積立の配分を設計しないと、保障不足・保険料過多のどちらかになりやすい |
学資代替で使うときのメリット・デメリット
変額保険を教育資金づくりに活用する場合、インフレにある程度強く、経済成長の恩恵を取り込みやすい点は大きなメリットです。一方で、相場変動や費用の影響を受けるため、「いくら必要なときに、最低いくらは確保しておきたいのか」を数字で決めておくことが不可欠です。
また、多くの変額保険には死亡保険金の最低保証があり、親に万一のことがあったときの家族の生活防衛という意味でも、学資保険にはない安心材料になる場合があります。
注意ポイント
教育資金の全額を変額保険に任せるのではなく、「基礎部分は確定性の高い手段(現預金・円建て保険など)」「上乗せ部分で変額」と分けて考えることで、必要時資金の確実性を高められます。
設計の基本:失敗しないための王道パターン
変額保険をうまく活用できるかどうかは、商品選びそのものよりも「設計の順番」で決まります。パンフレットの利回り比較から入るのではなく、教育費の山・月額負担の上限・許容できるリスクを先に決めることが近道です。
次のポイントを押さえて設計しておくと、途中解約や相場変動による後悔を減らせます。
学資代替で失敗しない設計ポイント
1. 払込満了を学費前に設定
高校・大学入学の数年前には保険料払込を終えておくと、「いつでも解約して学費に充てられる状態」が作れます。
払込期間中の中途解約は返戻率が低く、元本割れしやすいゾーンです。払込満了→据置→必要なタイミングで解約、という流れを前提にしておくと、相場の振れに振り回されにくくなります。
2. 据置・段階解約でタイミング分散
一度に全額を解約・受取するのではなく、複数回に分けて解約・円転することで、「たまたま悪いタイミングで全額売ってしまう」リスクを平準化できます。
入学金・授業料・自宅外通学費など、学費の支出スケジュールに合わせて受取を複数回に分けていくイメージです。
3. 一部円建て・現金の併用
教育資金のすべてをマーケットリスクに晒さず、学資保険や定期預金・積立預金など円建ての手段も併用することで、必要時資金の確実性がぐっと高まります。
あわせて、万が一に備えた生活防衛資金として、生活費の6〜12か月分を目安に現金・普通預金で確保しておくと、相場下落時でも保険を解約せずに済みやすくなります。
4. 費用(手数料)の総額把握
変額保険には、「保険関係費」「運用関連費」「契約管理費」など複数の費用が商品内で差し引かれます。これらを合算した実質的なコストがどのくらいの年率に相当するかを把握しておくことが重要です。
同じ運用成果でも、費用水準が高いと最終的な受取額が目減りしてしまうため、「期待リターンと費用のバランス」を意識して比較しましょう。
5. 死亡保障と学費の整合性
変額保険には最低死亡保障があるため、親に万一のことがあった際に教育費を含めた生活費をカバーできる点が強みです。
ただし、必要以上に大きな死亡保障を付けると保険料が膨らみ、肝心の積立余力が削られてしまいます。教育費目的で必要なレベルにとどめ、それ以上の就業不能リスクや長期の収入減に備える部分は、収入保障保険や就業不能保険で補完するのが現実的です。
リスク管理と家計運営:インフレ・市況・家計の3点を見る
インフレが進む局面では、変額保険のような運用型商品は追い風になり得ます。一方で、家計のキャッシュフローが苦しくなると積立を途中で止めざるを得なくなり、長期運用のメリットを活かしきれません。
そのため、インフレや市況だけでなく「家計の固定費と積立比率」を定期的に点検し、収入と支出のバランスに合わせて保険料や積立配分を見直していくことが重要です。
実務ヒント
年に1回は「家計決算」を行い、固定費・積立額・受取戦略を見直しましょう。家計と相場環境の変化に合わせて微調整を続けることで、無理なく長く運用を続けやすくなります。
商品タイプ・費用・実績:比較のチェックリスト
パンフレットに記載された「期待利回り」だけで商品を選ぶと、想定外のコストや値動きに後から気づくことになりかねません。変額保険を比較する際は、返戻率のカーブや費用水準、投資先の分散・運用実績まで含めてチェックしましょう。
次のチェック項目をベースに、どこに重点を置くか優先順位を決めると、候補を絞り込みやすくなります。
1. 返戻率が100%超になる時期
いつ「元本割れゾーン」を抜けるのかを確認しておくと、学費ピークとのズレを把握できます。教育費の支出タイミングより十分前に100%を超える設計だと、相場が不安定でも選択肢が増えます。
払込満了後、据置期間中に返戻率がどの程度伸びる予定かも併せて確認しましょう。
2. 費用の内訳と年率影響
保険関係費・運用関連費・管理費などの合計コストが、実質的に何%程度なのかを年率ベースでイメージしておくと、他の運用手段との比較がしやすくなります。
長期になればなるほど、費用水準の差は最終的な受取額に大きなインパクトを与えます。
3. 一部解約の可否と条件
学費は複数年にわたり分割して発生するため、一部解約の柔軟性は非常に重要です。最低解約単位・解約回数の制限・解約の申込から入金までのタイムラグなどを確認しておきましょう。
「必要なお金が必要なタイミングで引き出せるか」を、具体的なスケジュールでイメージすることがポイントです。
4. 投資先の分散と運用実績
株式・債券・REITなど、どの程度分散されているかによって値動きの性質が変わります。リスクを取りすぎていないか、逆に保守的すぎて期待値が低くなりすぎていないかを確認しましょう。
直近だけでなく長期の運用実績や、相場が下落した局面でどの程度のドローダウンがあったかもチェックしておくと安心です。
5. 受取通貨と円転コスト
受取通貨を円にするか外貨にするかで、将来の為替コストやタイミングの自由度が変わります。円受取特約の有無や条件、円転時のスプレッドなどを事前に確認しておきましょう。
段階的に円転していく前提で、コストと使い勝手のバランスを見極めることが大切です。
申込から受取までの基本的な進め方
実際に変額保険を学費目的で使う場合は、「申込前 → 契約中 → 受取前後」でやるべきことを整理しておくと迷いにくくなります。
申込前には家計のキャッシュフローと学費の山を見える化し、契約中は年1回程度の点検と積立ペースの調整、受取前後は相場や家計状況を見ながら受取タイミングを微調整していくイメージです。
オンライン面談などでプロと一緒にシミュレーションを作り、申込後も定期的にモニタリングしてもらうと、感情に振り回されない運用がしやすくなります。
FPに聞く!教育費×家計のリアルな疑問(インタビュー)
学費準備と日々の家計運営、もしものときの制度活用まで、気になるポイントをFPに聞きました。キーワードは「傷病手当金」「家計管理」「就業不能保険」です。
34歳・女性
変額保険で学費を準備する際、最初に決めておくべき家計のルールは何ですか?
スマホdeほけん
まずは教育費の総額と年ごとの支出予定、それに対して毎月いくらまで積み立てられるかという上限を決めることです。運用成果はコントロールできないため、受取のタイミングに幅を持たせ、現金のクッションで値動きを吸収する前提で考えるのがポイントです。
34歳・女性
収入が減った場合に備えられる制度はありますか?
スマホdeほけん
会社員であれば、健康保険から支給される傷病手当金がベースになります。標準報酬日額のおおむね3分の2相当が最長1年6か月まで支給されますが、それだけでは生活費が足りないケースも多いため、不足分は就業不能保険や生活防衛資金で補う設計が現実的です。
34歳・女性
相場下落が怖いです。運用と受取の工夫はありますか?
スマホdeほけん
払込満了を学費の少し前に設定し、その後は据置期間を取りながら複数回に分けて円転するのが王道です。同時に、通信費や保険料など固定費を見直し、相場が悪い時期でも積立を止めずに続けられる家計づくりをしておくことが大切です。
34歳・女性
学資保険との併用にはどんな意味がありますか?
スマホdeほけん
学資保険や定期預金で「最低限必要な学費の土台」を確保し、上乗せ部分で変額保険を使うと、家計の安定性と成長取り込みの両方を狙えます。変額部分が想定より伸びなくても、基礎部分で最低ラインを守れる設計が安心です。
34歳・女性
家計のどこを見直すと、積立に回せるお金が増えますか?
スマホdeほけん
まず見直したいのは、通信費・保険料・サブスクなどの固定費と、クレジットカードの「なんとなく続いている支出」です。毎年一度は家計の棚卸しと積立額の再設定を行うことで、無理のないペースで教育資金と老後資金を積み上げやすくなります。
よくある質問Q&A(学資保険×変額保険)
Q1. 変額保険は本当に学資保険の代わりになりますか?
A. 設計を工夫すれば十分代替可能です。保険料の払込満了を学費のピークより前に設定し、その後は据置と段階解約で受取タイミングを分散させることで、価格変動リスクを平準化できます。
Q2. 元本割れが心配です。避ける方法はありますか?
A. 払込期間中の中途解約は極力避け、返戻率が100%を超えた時期以降で、複数回に分けて受取を行うのが基本です。あわせて、円建て商品や現預金と併用し、「最低限の教育資金」は値動きの少ない手段で確保しておくと安心です。
Q3. 手数料は何を確認すべきですか?
A. 保険関係費・運用関連費・契約管理費などを合算した実質コストと、円転(円への換金)時のコストをチェックしましょう。見た目の利回りが同じでも、コスト差によって最終的な受取額に大きな違いが出ることがあります。
Q4. 死亡保険金は減りませんか?
A. 多くの変額保険では、運用がマイナスでも一定の最低死亡保障が設けられており、運用が好調な場合は死亡保険金が増える可能性もあります。商品ごとの保障内容を必ず確認しましょう。
Q5. 何歳から始めるのが良いですか?
A. 早く始めるほど長く複利を活かせますが、子どもが小学校に入る前後からでも、払込期間を短めに設定すれば学費目的として活用できます。重要なのは、無理のない保険料と家計に合ったリスク許容度を守ることです。
まとめ:変額保険は有力な代替候補。家計設計と分散でブレを抑える
変額保険は、運用次第で学資保険の代替になり得る一方、価格変動と費用の影響を受ける商品です。払込満了の前倒し設定、据置と段階解約、費用の見える化、円建てや現金との分散を組み合わせることで、安定性と成長性のバランスを取りやすくなります。
教育費と老後資金をセットで捉えた家計設計を行い、毎年の家計決算で積立配分や受取戦略をアップデートしていくことが、変額保険を味方につける一番の近道です。
監修者からひとこと



スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
学資の代替として変額を使う可否は、期間設計と費用管理で結論が変わります。払込満了を入学前に設定し、据置と段階円転の余地を確保すれば、価格変動の影響を抑えつつ成長も取り込めます。
一方で、費用や家計のキャッシュフローを軽視すると途中解約を招きかねません。学資・現預金・変額の三位一体で家計耐性を高め、年次の見直しでプランを磨き込むことをおすすめします。