スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
突然の病気やケガで働けなくなったとき、家計と老後資金をどう守るかは誰もが抱える現実的な悩みです。比較しても違いが分かりにくく、契約を見送ってしまう人も多いでしょう。
本記事ではSBI生命の就業不能保険「働く人のたより」を、仕組みと給付条件、コスパの観点からプロが解説します。読み終えるころには自分の家計に本当に必要な保障かを見極める基準が手に入ります。
『働く人のたより』の基本を迷わず理解|就業不能保険の仕組み
「働く人のたより」は、病気やケガで所定の就業不能状態が一定期間続いた場合に毎月の給付金で収入減を補う保険です。支払対象外期間や就業不能の定義はプランで異なります。
まずは全体像を押さえてから詳細を確認しましょう。以下のチェックポイントを順に読み進めれば、重要ポイントをもれなく理解できます。
最初に確認すべき項目をリスト化しました。リンク先の見出しで詳細を解説します。
気になるところから読み進めても問題ありません。
1. 就業不能状態の定義と支払対象外期間
「働く人のたより」の就業不能状態は、入院または医師の指示による在宅療養などを前提に判定されます。商品ごとに定義や必要継続日数が異なるため、自分の働き方に当てはまるかを必ず確認しましょう。
支払対象外期間(60日)は給付開始までの待機期間で、この間は給付金は支払われません。生活防衛費を何か月分確保するかも同時に検討してください。
2. 給付金の受け取り方(満額タイプ/ハーフタイプ)
満額タイプは1回目の給付金から設定額100%を毎月受取、ハーフタイプは就業不能状態になってから540日間は設定額の50%を、以降は設定額の100%を毎月受け取れます。会社員の方は傷病手当金との併用を前提にハーフタイプ、自営業やフリーランスの方は満額タイプが候補になります。
家計の固定費と貯蓄の厚みで適切なタイプは変わります。数値でシミュレーションして決めましょう。
3.保障範囲(全疾病型・3疾病型・がん保障型)の違い
全疾病型は病気・ケガを広くカバー、3疾病型はがん・急性心筋梗塞・脳卒中に絞り、がん保障型はがんを原因とする就業不能状態に特化します。
既往歴や家族歴、職業上のリスクに合わせて過不足のない範囲を選択しましょう。
4. 精神疾患の扱いと上限回数
全疾病型は精神疾患による就業不能状態も保障対象です。ただし在宅療養については入院後の場合に限るなど、精神疾患特有の給付要件があります。
精神疾患での給付は通算18回まで。長期化リスクがある場合は貯蓄や他の保障と組み合わせましょう。
5. 主婦(主夫)でも備えやすい設計
家事労働の経済価値を踏まえ、就業不能給付金は上限15万円まで設定可能です。家事代行や育児支援の外部委託費を基準に設計すると迷いません。
「稼得者だけ守る」から「世帯全体で守る」へ。家計全体の安定につながります。
特長と比較ポイントを一望|迷わないための要点まとめ
「働く人のたより」は選べる保障範囲と受取方法、ネット完結しやすいシンプル設計、お手頃な保険料が特長です。短時間で比較軸を掴みましょう。
以下のテーブルでタイプ別の特徴・メリット・注意点を整理しました。設計の起点に活用してください。
| 特徴 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 全疾病型 | 病気・ケガを広くカバー 精神疾患も保障 |
精神疾患の場合は特有の給付要件がある 支払いは通算18回まで |
| 3疾病型 | 保障範囲を絞っているため、保険料を抑えられる | 3疾病以外による就業不能状態は保障されない |
| がん保障型 | がんのみに保障範囲を絞っているため、保険料を抑えられる | がん以外を原因とする就業不能状態は保障されない |
メリット・デメリットをプロが解説|後悔しない見極め方
メリットは「保険料がお手頃」「設計がシンプル」「条件が明確」の3点です。家計へのインパクトを抑えつつ必要な保障を確保しやすいのが魅力です。
一方で職業や収入によって加入できる保障額が異なる点、精神疾患は特有の給付条件がある点に注意。ご契約のしおり・約款と重要事項説明書は必ず確認しましょう。
注意ポイント
保険料の安さだけで決めないこと。固定費・貯蓄・公的保障の有無を踏まえ、不足分を何か月カバーするかを先に決めると設計がぶれません。
保険料のコスパを最大化|満額かハーフかで迷ったら
設計のカギは「給付金の受け取り方」「給付金月額」「保険期間」です。傷病手当金の有無と生活防衛費の厚みで最適解は変わります。
次のステップで検討すると迷いません。各リンク先の見出しで詳しく解説します。
まずは前提条件の棚卸しから始めましょう。必要な数字が出ると判断が一気に楽になります。
家計の固定費と収入の性質を把握すると、過不足のない給付金月額の設定に近づきます。
設計の手順(迷わないチェックリスト)
1. 公的保障と有給残の確認
病気などで働けなくなった場合、会社員・公務員であれば有給休暇の利用や傷病手当金を受け取ることができます。受給要件・見込額・期間を確認し、不足分の金額と期間を見積もりましょう。
自営業やフリーランスは会社員・公務員に比べて公的保障が薄いため、保険と貯蓄の併用で不足を埋める発想が必要です。
2. 必要生活費・固定費の棚卸し
住居費・教育費・保険料・通信費などの固定費を一覧化します。突発的にかかる費用も考慮し、最低限必要なキャッシュアウトを把握しましょう。
ここで判明した不足額が、給付金月額設定の土台になります。
3.給付金の受け取り方の選択(満額タイプ/ハーフタイプ)
初期の収入減が厳しい場合は満額タイプ、傷病手当金で初期をしのげる人はハーフタイプが有力。家計の流動性で選びます。
就業不能状態になってから540日間をどう渡り切るかを軸に決めると意思決定が速くなります。
4. 給付金月額の設定(目安は月収の約6割)
給付金月額は年収テーブルの上限範囲で、月収の約6割を目安に設定しましょう。過少だと赤字、過大だと保険料が重くなります。教育費が増える時期や住宅ローンの返済計画に合わせて微調整しましょう。
5. 保険期間・保険料払込期間の妥当性
就労引退時期や住宅ローン完済時期と整合させます。期間が長いほど総保険料は増えるため、必要な期間だけ守る設計を意識しましょう。
見直し前提の中間点チェックを入れると、家計負担を最適化できます。
タイプ別の選び方|会社員・自営業でこう違う
立場が変われば最適設計も変わります。収入の性質、公的保障の厚み、家事・育児の負担を総合して判断しましょう。
「誰の収入・家事機能が止まると家計が最も揺らぐか」を軸に、世帯最適を目指します。
1. 会社員・公務員のポイント
傷病手当金が見込めるため、初期はハーフタイプで保険料を抑える設計が現実的です。復職や部署変更の可能性も加味して期間を調整しましょう。
団体の長期障害所得補償(GLTD)がある場合は重複を避け、トータルの給付バランスを最適化します。
2. 自営業・フリーランスのポイント
会社員・公務員に比べて公的保障が薄く収入変動も大きいため、満額タイプと高めの給付金月額設定が候補です。生活防衛費も厚めに確保しましょう。
売上再開までのリードタイムを見込み、最低でも3〜6か月の資金繰りをカバーできる設計が安心です。
3. 主婦(主夫)のポイント
家事労働の代替コストを基準に設計します。上限15万円を活用し、育児期はやや厚めに備えると安心です。
ワンオペ回避は医療・教育・働き方全体に波及するため、費用対効果は高くなります。
見直しのコツ
出産・転職・住宅購入などライフイベントのたびに設計を点検しましょう。固定費の最適化と合わせると、同じ保険料でも体感的な守りが強くなります。
申込前の最終チェック|加入できるか・保障が受けられるかを確認
告知内容や職種によっては加入制限がかかる可能性があります。危険度の高い業務や既往歴がある場合は、早めの確認をおすすめします。
また、精神疾患の給付要件は細かく定められているので、在宅療養の定義や入院の扱いなど、どのような状態の時に給付金を受け取れるのか、申込前に、ご契約のしおりや約款、重要事項説明書でしっかりと確認しておきましょう。
FPに聞く!傷病手当金と『働く人のたより』のリアルな疑問

制度と民間保険の役割は混同されがちです。家計目線の疑問に、FPが分かりやすく答えます。
34歳・女性
会社員ですが、傷病手当金はいくら・どのくらいの期間もらえますか?
スマホdeほけん
標準報酬月額の約3分の2が目安で、最長は通算1年6か月です。復職と休職を繰り返すと通算でカウントされる点に注意しましょう。
34歳・女性
傷病手当金があれば就業不能保険は不要ですか?
スマホdeほけん
不要とは限りません。手取りより少なくなりがちなので赤字が出ます。住宅ローンや教育費が重い世帯は、不足分を『働く人のたより』で補う設計が有効です。
34歳・女性
自営業には傷病手当金がないと聞きました。どう備えるのが現実的?
スマホdeほけん
満額タイプと十分な生活防衛費の併用が現実解です。売上回復までの期間を見積もり、3〜6か月のキャッシュアウトを埋める月額設定にしましょう。
34歳・女性
メンタル不調で休む場合、『働く人のたより』での注意点は?
スマホdeほけん
全疾病型でも入院や入院後の在宅療養など要件があります。給付は通算18回上限なので、主治医の方針と就労配慮の可否を早めに確認しましょう。
よくある質問(Q&A)

検討時によくある疑問を5つに絞って回答します。詳細条件は必ずご契約のしおり・約款と重要事項説明書で最終確認してください。
判断の迷いを減らし、家計に合う設計を選べるように整理しました。
Q1. 『働く人のたより』はどんな人に向いていますか?
A. 保険料を抑えつつ最低限の保障を確保したい人、ネット完結で申し込みたい人、自営業やフリーランスなど収入停止リスクが高い人に向いています。
精神疾患による就業不能状態も条件付きで対象になるため、メンタル由来の休業に備えたい世帯にも検討価値があります。
Q2. 満額タイプとハーフタイプの選び方は?
A. 傷病手当金がある人はハーフタイプ、ない人は満額タイプが基本線です。就業不能状態になってから540日の赤字幅を埋められるかを基準に判断しましょう。
固定費と生活防衛費の残高を数値化し、赤字期間を作らない設計を優先してください。
Q3. 精神疾患の給付はどこまで対象ですか?
A. 全疾病型で入院、または入院後の在宅療養など要件を満たす場合に対象です。給付は保険期間を通じて通算18回が上限になります。
外来のみや在宅療養の条件不充足だと対象外になり得るため、主治医の見解と勤務配慮を合わせて確認しましょう。
Q4. 団体のGLTDと併用するときの注意点は?
A. 併用自体は可能ですが、総給付が収入を超えないよう調整が必要です。重複が大きい場合は月額給付金や期間を見直します。
就業規則と団体制度の約款を確認し、役割分担で保険料のムダを抑えましょう。
Q5. 主婦(主夫)でも加入するメリットは?
A. 家事労働の代替費用をカバーできるためメリットは大きいです。上限15万円を活用し、育児期や共働き世帯のリスク分散に役立ちます。
ベビーシッターや家事代行の委託費を想定し、世帯全体の家計防衛として設計しましょう。
まとめ
「働く人のたより」は、選べる保障範囲と受取方法で家計の赤字期間を短縮しやすい就業不能保険です。
傷病手当金や貯蓄と組み合わせた不足額の把握を起点に、給付金の受け取り方(満額タイプ/ハーフタイプ)と給付金月額を最適化しましょう。資産形成は変額保険や積立投資で分け、定期見直しでコスパを高めるのが賢い進め方です。
募資S-2510-741-K1
監修者からひとこと

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
就業不能保険は「いつ・どれだけ不足するか」を数値化してから選べば迷いません。傷病手当金の期間と手取り差、固定費、生活防衛費の厚みを先に算出し、その不足分をタイプと月額で埋めるだけです。全疾病型の精神疾患は要件が細かいため、主治医の治療方針と職場の就労配慮の可否を早めに確認しておきましょう。
また、資産形成は変額保険や長期分散投資で別枠管理し、保険は「守る機能」に徹するのが王道です。ライフイベントごとの点検と固定費の最適化をセットにすれば、同じ保険料でも家計の耐久性は高まります。迷う場合は専門家相談を活用し、前提条件を丁寧に整えてから見積を比較してください。