

スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
保有資格
AFP・2級FP技能士
専門分野・得意分野
生命保険・社会保障・金融全般に精通。保険業界での実務経験をもとに、ユーザー目線で正確かつ中立的な情報発信を行っています。
「睡眠時無呼吸症候群だと生命保険に入れない?」と不安な方へ。結論、軽度〜中等度で治療状況が安定していれば加入チャンスは十分にあります。
ただし、重症度や合併症、検査・治療の直近状況で審査結果は変わります。本記事では、加入可否の見極めと審査を通すコツ、注意点をわかりやすく解説します。
結論と全体像:睡眠時無呼吸症候群でも加入できる?
多くの保険会社は、SAS(睡眠時無呼吸症候群)単体を一律の重病とは見なしません。検査値・治療内容・合併症の有無で個別判断されます。
安定フォロー中で他疾患リスクが低い場合は、通常加入・条件付き加入(部位不担保)・引受基準緩和型など選択肢があります。
保険選びのポイント(クリックで詳細へ)
1. 重症度(AHI・ODIなど)の把握
無呼吸低呼吸指数(AHI)や酸素飽和度低下指標(ODI)は審査で重視されます。軽度〜中等度で改善傾向があれば、通常加入の可能性が高まります。
検査報告書の数値と測定日を控え、最新12か月の変化を説明できるように準備しましょう。
2. 治療状況(CPAP/マウスピース/手術歴)
CPAP継続や口腔内装置でコントロールされていることはプラス評価です。手術直後は観察期間が必要になる場合があります。
装着率・通院頻度・主治医コメントを明らかにするほど、加入ルートの選択肢が広がります。
3. 合併症(高血圧・心血管・糖尿等)の有無
合併症があると審査は厳格化します。特に高血圧・不整脈・心不全・糖尿病は慎重審査です。
数値が安定し、服薬コントロール良好であれば、部位不担保や条件付き承諾に落ち着くこともあります。
4. 直近の受診・検査・投薬の記録
過去3〜6か月の検査・指示内容・服薬履歴は告知の核になります。曖昧な記憶での申告はリスクです。
診療明細やお薬手帳で事実を整理し、事前に告知草案を作っておくと齟齬を防げます。
5. 申し込み先の引受姿勢(通常/緩和/団体)
同じSASでも保険会社の引受方針で結論が変わります。通常加入狙いか、引受基準緩和型で確実性を重視するか、方針を決めましょう。
勤務先の団体保険は健康告知が簡略な場合があり、加入ハードルが下がることもあります。
注意ポイント
告知は「正確・具体・直近の事実」を徹底。曖昧な表現や未申告は告知義務違反の火種になります。
加入しやすい保険タイプ:特徴と選び方
スタンスは大きく3類型です。まずは通常の医療保険・死亡保険を検討し、難しければ条件付き(部位不担保)、最後に引受基準緩和型でカバーします。
目的(入院・手術・先進医療・死亡保障)に合わせて、保障額とコストのバランスを最適化しましょう。
特徴 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
通常の医療/死亡保険 | 保険料が割安・特約が豊富 | 重症度や合併症次第で条件付きや不可も |
部位不担保特則 | 対象部位以外は通常保障で加入可 | 特定治療が一定期間支払対象外 |
引受基準緩和型 | 告知項目が少なく通りやすい | 保険料が割高・免責や支払削減がある |
申し込み前の準備:告知・書類・時期の最適化
審査は「情報の鮮度」と「整合性」で決まります。治療が安定しているタイミングで、必要書類を揃え、告知内容の齟齬を無くしましょう。
同時並行で複数社を比較し、一次不承諾でもルートを残す戦略が有効です。
1. 検査報告(PSG/簡易検査)の写し
終夜睡眠ポリグラフ(PSG)や簡易検査の結果は審査の根拠資料です。AHIやSpO2最低値、測定日を明確にしましょう。
可能なら改善後の最新データを添えると、評価が上がりやすくなります。
2. 主治医の所見・治療方針
「安定」「経過良好」「継続フォロー」などの所見はプラス材料です。通院頻度も記録しましょう。
紹介状や診療情報提供書があると、告知の裏付けとして有効です。
3. 服薬・CPAP装着の実績
装着率や機器データは継続性の証拠になります。アプリやレポートのスクリーンショットも役立ちます。
中断・再開の履歴があれば、理由と改善策を説明できるよう準備します。
4. 直近の合併症データ(血圧・HbA1c等)
合併症の管理状況は審査の重要項目です。数値が安定していることを示せば、通常加入の可能性も残ります。
家庭血圧手帳や健診結果を整理し、提出できる形にしておきましょう。
5. 告知草案と比較候補の整理
告知は時系列で簡潔に。事実と診療記録が一致しているか、第三者チェックを受けるのが安全です。
比較候補は通常・条件付き・緩和型の3ラインで用意し、最適解を並行探索します。
補足ポイント
同時申込や短期解約は次の審査に響くことがあります。申込順序と時期はFPと設計しましょう。
給付金の実務:対象/対象外と落とし穴
検査入院・CPAP導入入院・手術療法は、契約条件次第で給付対象になり得ます。一方、通院のみは対象外のことが多いです。
約款の「検査目的の入院」「手術の定義」「支払削減・待ち期間」を必ず確認し、想定外の不支払いを防ぎましょう。
よくある勘違いと回避策
「軽症だから告知不要」「CPAPは病名に当たらない」などの誤解は危険です。事実に基づく正確な告知が最優先です。
迷ったら、申込前に専門家のセカンドオピニオンを取り、告知内容と商品選定を見直しましょう。
FPに聞く!SASと保険のリアルな疑問
実際に加入を検討する34歳女性の目線で、審査・家計・備えについてFPが具体的に回答します。

34歳・女性
軽度のSASでCPAPなし通院のみです。通常の医療保険に入れますか?
スマホdeほけん
直近の数値が良好で他の持病がなければ、通常加入の余地は十分あります。並行して部位不担保や緩和型の見積もりも用意すると安心です。


34歳・女性
検査入院は給付対象になりますか?
スマホdeほけん
約款により「検査目的は対象外」の商品もあります。入院の目的が治療・処置を伴うか、手術の定義に合致するかを必ず確認しましょう。


34歳・女性
告知が不安です。どの程度まで書けば良いですか?
スマホdeほけん
直近の検査・通院・指示内容を時系列で具体的に。迷う事項は備考欄で補足し、診療明細で裏付けられる形に整えると誤解を避けられます。


34歳・女性
家計面ではどのくらいの保障と保険料が目安?
スマホdeほけん
家計の可処分所得の5〜10%以内で医療・がん・死亡の優先度順に設計します。将来の資産形成はつみたて投信や変額保険で長期分散を併走させるとバランスが取れます。


34歳・女性
緩和型は高いと聞きます。選ぶ基準は?
スマホdeほけん
通る確度・免責条件・保険料を総合で比較します。将来の見直し前提で、今必要な保障を確保しつつ、通常加入の再審査時期も設計します。

Q&A:睡眠時無呼吸症候群と生命保険の疑問に回答
Q1. 検査入院だけで給付金は出ますか?
A. 約款次第です。治療を伴わない検査目的のみは対象外のことがあります。入院の目的と手術の定義を契約前に確認しましょう。
Q2. 加入後に診断された場合、告知は必要ですか?
A. 既存契約の更新では通常、追加告知は不要です。ただし他社へ新規加入・乗り換え時は新たな告知が必要となります。
Q3. 県民共済には加入できますか?
A. 告知事項に該当しなければ加入可能ですが、治療中・慢性疾患の診断直後などは不可となる場合があります。事前確認が安心です。
Q4. 通常加入と緩和型、どちらを選べば良い?
A. 通常加入を第一候補に、難しい場合は条件付き(部位不担保)→緩和型の順で検討します。保険料・免責・支払削減の差を比較しましょう。
Q5. 審査を有利にするコツは?
A. 最新検査の良好データ、治療継続の実績、合併症管理の数値を揃えることです。告知の整合性が最重要です。
まとめ:正確な告知と資料準備で、加入チャンスは広がる
睡眠時無呼吸症候群でも、最新データと治療継続を示せば通常加入や条件付き加入の可能性は十分にあります。迷ったら引受基準緩和型で保障の空白を作らないことが要点です。
検査値・治療状況・合併症の管理を整え、複数社比較と専門家の助言で最適解に到達しましょう。
監修者からひとこと
スマホdeほけん編集部監修者
ファイナンシャルプランナー
睡眠時無呼吸症候群は、重症度や合併症の状況によって審査結果が分かれます。加入の可否は一社だけで決まらないため、通常・条件付き・緩和型の複線で比較する姿勢が重要です。告知の整合性と最新のエビデンスを準備すれば、選択肢は広がります。
家計面は必要保障の優先順位を明確にし、保険と資産形成を併走させるのが要諦です。見直しの余地を残す設計にして、将来の健康状態やライフイベントに柔軟に対応できる体制を整えましょう。